2022.07.04

ADCが密集した基板でGNDを分離してみる

Cosmo-Zのクロストークを減らしたいので基板を改版することを考えていますが、Cosmo-Zの改版にはいろいろとコストがかかりすぎるので、まずはCosmo-ZのADC拡張ボードを使って実験を行うことにします。

Cosmo-Zの拡張ボードも、Cosmo-Zの本体も、アナログ部分の基板パターンは同じなのです。

まず、現在の基板のGNDパターンはこんな感じです。

Gndcurrent

GNDはベタパターンで広くとっているのですが、このパターンだとあるCHのリターン電流が隣のCHの下を流れていってクロストークが起きるのかもしれません。

そこで、GNDをCHごとに分離します。ADC前のコンデンサの設置点を赤丸で記します。このコンデンサを外すとクロストークが減るので、ここに流れる電流がいままでは隣と干渉していた可能性があります。

Gndnew

それから、VCCプレーンの使わない部分はGNDの強化に使用にしていたのですが、もしかすると、この面を通じてクロストークが起きていたのかもしれません。この面のGNDは電源側へと戻るパターンはないので、左右方向には電流が流れないはずです。

Vcccurrent

 

そこで、この面のGNDも分離することにしました。

Vccnew

それから、特にクロストークの大きいCH5とCH6の保護ダイオードのパターンは次のようになっていました。

Ch56

CH6のダイオードを通ってきた電流はCH5の下を通らなければならないし、CH5の電流はCH6の影響を受けるわけです。これが干渉を引き起こしていたのかもしれません。

そういうわけなので分離しました。

Ch56separate

これで、CH5とCH6の保護ダイオードを通った電流は別々の経路でベタGNDの大海原に還るはずです。

 

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2022.07.03

保護ダイオードとADCのひずみ率

歪率の改善に重要なコンデンサを外してしまって大丈夫なのか不安であるため、歪率も測ってみることにしました。

100kHzを入れて、100kHz,200kHz,300kHz・・のレベルを測ります。

下のグラフは少しわかりにくいのですが、CH5に-7dBの信号を入れて、CH5と他のCHにどれくらいの高調波が出てくるかをプロットしたものです。最初はCosmo-Zの生の回路です。

Hizumi

CH5自身の100kHzでの値は-7.24dB、200kHzでは-103dB、300kHzでは-98.55dBといった具合です。この場合CH5のひずみ率は-90dB以下と言えます。

このようにして基本派に対する2倍高調波のひずみ率を評価しますと、

CH1 -96dB
CH2 -90dB
CH3 -98dB
CH4 -91dB
CH5 -96dB
CH6 -92dB
CH7 -95dB
CH8 -91dB

でした。

どのチャネルも概ね90dB以下なので良しと言えます。

昨日のように保護ダイオードとコンデンサを外すと、

CH1 -96dB → -96dB
CH2 -90dB → -94dB
CH3 -98dB → -121dB
CH4 -91dB → -92dB
CH5 -96dB → -93dB
CH6 -92dB → -92dB
CH7 -95dB → -96dB
CH8 -91dB → -96dB

と、ほぼ変わらない結果が得られました。1つだけ-121dBという結果が得られているのは、もともとノイズフロアのレベルの微弱な信号を見ているから、たまたま低くなっただけです。

保護ダイオードのせいでひずみ率が悪化しているということはありませんでした。取っても性能が良くなるわけではありません。

コンデンサ2個でGNDに落としていたのを線間1個にしてもひずみ率の性能は変わらないと言えます。

これで、新しい回路の設計指針が出来ました。

つまり、

  • 保護ダイオードのGNDに流れる電流がチャネル間で干渉しないようにリターンの道を分けること
  • 対GNDのコンデンサには電流が流れるのでチャネル間で干渉しないようにリターンの道を分けること

というわけです。

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2022.07.02

ADCを密集させたときのクロストーク(2)

保護ダイオード以外に信号が漏れてクロストークしている個所を探したところ、実はOPアンプ~ADCの間にある抵抗とコンデンサでした。

Capleak

こんな何の変哲もない回路ですが、ここがクロストークの温床になっていたのです。

 

使っているADCは差動のADCなので、完全差動アンプの出力を抵抗に通した後、コンデンサでGNDに落として差動線間にもコンデンサを通して、ADCの入力につないでいます。

上の回路図にある33pFのコンデンサはLPFを作りたいからではなく、ADC内部にあるスイッチトキャパシタに十分な電荷を供給するために置いたものです。このコンデンサがないと、ひずみ率が悪化します。

1000pFのコンデンサはカットオフ周波数を低下させるため、通常は実装していません。

 

詳しい話は省きますが、ADCの前にはコンデンサが必要なのです。対GNDで入れるべきか、対線間でいれるべきなのかは何とも言えません。ただし、対GNDで入れると、OPアンプの出力電流がRCを通ってGNDに流れて、それが他のチャネルへ干渉を起こします。それがクロストークの原因でした。

そこで対GNDの2個のコンデンサを外して線間のC226の場所に付けてみたところ、CH3とCH4の間のクロストークも見事に消えてくれました!!

Ch34nodnoc_20220704184602

CH3が-7.1dBのとき、CH4は-98dB。クロストーク90dB以下をぎりぎりで確保することができました。

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2022.07.01

ADCを密集させたときのクロストーク

Cosmo-ZではADCが狭い領域に密集しているので、ある程度のクロストークが出てしまいます。

Board_20220704181301

今日はこのクロストークを徹底的に減らす工夫をしました。

クロストークはCH2に100kHzの信号を入れてCH1に漏れてくるのを測るのですが、多くの場合、CH1とCH2ではほとんどクロストークはないのですが、

Nocross

CH5とCH6では多いという傾向がありました。

Crosstalk

この傾向はボードを何枚作っても同じなので、個体差ではなく、おそらく回路上の問題なのだと思われます。

CH1~CH2間はおよそ-90dB以下ですが、CH5~CH6間は-80dB程度あります。-80dBということは10000分の1ですから、14bitのADCを使えば1LSBか2LSBくらい揺れるということになります。

次の図はCH1に100kHzの正弦波を入れて、それが他のCHでどのくらいの大きさで漏れているかをFFTで調べて、100kHzの付近だけ取り出したものです。

Ch1_20220704182101

CH1のピークは約-7.1dBですが、その時、CH2とCH6で-100dBでほぼノイズフロアレベルとなっています。これがクロストークなのかノイズなのかは区別できません。CH1から他CHへのクロストークはほとんどないと言えます。

CH5に100kHzを入れた場合を見て見ると、CH6への漏れが-80dBくらいあって、CH2にも有意に漏れていると考えられます。それ以外のCHは漏れていないと言えるでしょう。

Ch5

さて、ここで謎が一つ。CH5とCH2は隣り合っていないのにどうして漏れるのかということです。

答えは過電圧保護用のダイオードにありました。Cosmo-Zでは過電圧保護用にRF用のダイオードを入れているのですが、ダイオードはVf未満でもわずかな順方向電流が流れます。その流れた順方向電流がGNDに集まるのですが、CH5とCH6は接近していて同じ島にあるからCH5とCH6の間の干渉は大きくなるのです。

Hogod

そういうわけで、過電圧保護ダイオードを外してみたところ、CH5-CH6間のクロストークは有意に減りました。

Ch5nod

これで万々歳かと思ったのですが、CH3とCH4の間にはまだクロストークがあるようでした。

Ch34

保護ダイオード以外にも漏れている個所があるので、それを探してつぶしていかなければなりません。

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2022.06.30

ディジタルロックインアンプに必要なADCのビット数

事業再構築の申請も無事に出せたので日常業務に戻ってきました。

今日は、ディジタルロックインアンプを作るときに、12bit、14bit、16bitのADCで差が出るかどうかを検証しました。

やり方はKeysightの任意波形発生器(AWG)で正弦波を作り、その正弦波の振幅を0.5mV~50mVまで少しずつ大きくしていくというものです。

まず、12bitのADCを使った場合。振幅5mVppくらいの時の波形は少しカクカクしています。

12bit

0.5mVから50mVまで振幅を上げていったところ、綺麗な直線に乗ります。

12bitlinear

この計測値が直線からどれだけずれているかを差分を取ってみてみると、下の図のようになりました。

12biterror

誤差は多くても0.12mVくらいといえます。

この誤差はAWGの中でレンジが切り替わるときに出るもので、AWG自身の誤差です。

誤差が大きく変化するときにはAWGからカチッという音がします。AWGはDACと乗算器で信号を作っているのではなく、抵抗のアッテネータがいくつもあって、それを切り替えることで様々な振幅の正弦波を作るようになっているからです。DACをフルに近い振幅で出力させることができるのでS/N的に有利になるかだと思われます。

つまり、ロックインアンプを作ることで、KeysightのAWGが出す振幅の誤差を測れるようになったというわけです。

 

ADCを14bitにすると生波形でのカクカクは見えなくなります。

14bit

ロックインで測ってみると、

14biterror

同じような傾向のグラフが得られます。

16bit版のADCで測っても、

16biterror

やはり、同じ電圧のところでギザギザします。

ADCのビット数が多少悪くて量子化誤差が出ていたとしても、ロックインアンプのように長時間積分するタイプの計測では均されてしまって影響がでないのだと思われます。

この12bitのADCの1LSBの分解能は244μVですが、それよりはるかに小さい10uV未満の信号を図ることができます。

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2022.06.29

事業再構築補助金の申請完了!

事業再構築補助金の申請がようやく完了しました。

信金さんが驚くべき速さで確認書を作ってくれました。

1日で事業計画書は10回見直し。それから、ミラサポの決算書を見直し、添付書類を見直し、購入する資産一覧を見直し、収益計画の数字を見直し・・といったルーチンを今日は5回くらい繰り返しようやく申請に至りました。

本当に疲れました。

でも、この事業計画書の作成を通じて自分がやりたいプランが明確になってきたので、明日から補助金の採択結果を待たずに動くことができます。事前着手制度を使って明日からいろいろな機材を揃えます。補助金が採択されてもされなくてもこの新事業は実行します。

「売上が少ない場合」とか「つなぎ融資が下りない場合」とか「装置が完成しない場合」とか、いろいろなケースをシミュレートして、それでも自己資金だけで初めて黒字にできるプランなのです。もちろん補助金が出れば一気に拡大できます。補助金が出なければゆっくりですが拡大できます。

日本中の電子回路製造事業者の抱える緊急の課題を解決したいので、本気で急いで取り組みたい課題です。

信金の担当者さんは次回もありますというけど、次回じゃダメなんです。

Shinsei

#ああ、疲れた。

#どこかに、事業再構築補助金を自分で出した事業者さんのオフ会ないですかね。

 

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2022.06.28

事業再構築の会社情報や決算などの登録

事業計画書の昨日指摘された事項を修正して、朝一で信金にもっていきました。

それから、これまで適当に入力していた会社財務情報などを修正することにしました。

財務情報の入力なのですが、「手形」とか「車両運搬具」の金額を入れるところがあります。0なのですが、こういうところを無記入で飛ばすのではなく、0と入れるようなのですね。

Ms1

あと、決算書とかのファイル名ですが、公募要項を読むとファイル名の形式が指定されています。

Filename

事業計画書は、"事業計画書(特殊電子回路株式会社).pdf"に、ミラサポで作った財務情報は"事業財務情報(特殊電子回路株式会社).pdf"にリネームするべきなのでしょう。あと、()は全角。意外と細かい。

困ってしまったのが、これ。

Kessan

決算書は、上のルールだと"決算書等(特殊電子回路株式会社).pdf"にしなければなりませんが、これだとファイル名に年度が入れられない。どうすればいいのかは明日聞いてみることにします。

国関係の申請では注意書きを隅々まで読む注意力が求められると聞いたことがあるので、そんな不毛な修正をしていたら、信金さんの本社から直接電話がかかってきて、事業計画書の修正すべき点について教えてもらいました。

さすが毎回40件も50件も通しているだけあって、ノウハウがたくさんあります。

ネットによく書かれている事業再構築の事業計画書の書き方のコツよりもはるかに多くの有益情報を教えてくれました。

 

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2022.06.27

事業計画書が添削されて戻ってきた

今日の朝、信金さんから事業計画書が添削されて戻ってきました。

思っていたより早い!!

A4用紙4枚でいろいろ書かれていたので「これは!」と思ったのですが、内容は「実施体制は事業計画の具体的内容の章に移動したほうがよい」とか「求人する場合は具体的にどのメディアに出すか書く」とか、資金調達は表にするとか、事業計画書の形式的な書き方についてでした。

私の行おうとしている事業が成功しそうかどうかについては全く触れられていないのでもやっとします。

特電がお世話になっている税理士さんも認定経営確認機関で、半導体テスタについてもわかるそうなので、税理士さんにも事業計画書を送って見てもらうことにしました。

信金さんの確認書が間に合わなければ税理士さんのほうにお願いしようかと思います。

 

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