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2005.10.26

水晶と負荷容量とEZ-USB FX2

昨日から引き続き、USB2.0のための水晶発振回路について考えています。

USB2.0 Spesificationによると、USB2.0のHighSpeedモードの周波数は480.00Mbpsなのですが、実際には479.760~480.240Mbps、すなわち500pmまでずれが許されているようです。

一般の水晶モジュールや水晶振動子の周波数は±50~100ppmなので、ジッタがなければ水晶をUSB2.0の原発振に使うのは問題ないでしょう。

さて、EZ-USB FX2LPでは、負荷容量が12pFの水晶が要求されるようになりました。12pFという文言があちこちに書かれています。

負荷容量というのは、水晶デバイスに指定されている一種のパラメータで、その容量の負荷容量をつないだときに、水晶は望みの周波数で共振するというものです。

もちろん、負荷容量が定格ぴったりでなくても水晶は共振しますが、負荷容量が大きいと周波数は下がり、負荷容量が小さいと周波数は上がる傾向があるようです。
すなわち、負荷容量が合っていないと周波数がシフトします。

この周波数のシフトがどれくらいかということですが、普通に負荷容量がミスマッチしている状態では、±40~60ppmくらいではないかと私は思います。いろんな水晶のデータシート等をみたところ、たとえ16pF用の水晶を12pFや24pFの負荷容量で使っても、200ppmもずれてしまうことはあまりなさそうで。温度変化や経年変化を考えても考えにくいです。

そうすると、EZ-USB FX2LPが12pFの負荷容量の水晶を要求している理由がわからなくなります。例えば16pFの負荷容量の水晶をつかっても、負荷容量が16pFになるようマッチングさせれば周波数は正確になるのですから。
おそらくEZ-USB FX2LPは、低消費電力化に対応させるため、ドライブ電流を減らしたためか、もしくは発振用のアンプの安定度などが変わったのではないかと私は推測しています。

つぎは、機会があれば、発振用アンプと負荷容量の関係について考察してみます。

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