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2005.11.12

JTAGロジックアナライザが200MHzで動作!?

JTAGロジックアナライザが200MHzで動作するようになりました。

その仕組みは、FPGAの中にあるメモリに波形データを取り込んで、それをJTAG経由で読み出すというものです。
以前からこの機能の開発に取り組んではきたのですが、本日、ようやく満足に動作するようになりました。

いままでのMITOUJTAGのJTAGロジックアナライザは、バウンダリスキャンを利用しているので、CPUでもCPLDでもFPGAでもバスバッファでも、JTAGに対応しているデバイスであれば何でも数百本のI/O信号をサンプリングして観察できるというメリットがありました。しかし、JTAGというシリアル通信を使っているがゆえにサンプリング速度は最大でも数十kHzどまりでした。
今回の改良は、対象となるデバイスは今のところXILINXのFPGAのみで、観測できる信号数も制限されますが、数百MHzで動作する信号を一つも逃すことなくキャプチャすることができます。これは、JTAGロジックアナライザの新たな可能性を拓くものとなります。
もう、JTAGロジックアナライザが遅いなんていわせません。

この新しいJTAGロジックアナライザを使用するには、FPGAの中に下の図のようなイメージのロジアナ用のモジュールを、IPとしてあらかじめ組み込んでおきます。

blogana3

blogana4

これだけで、超高速なロジックアナライザが、FPGAに埋め込まれます。とても簡単です。

使い方はとても簡単です。通常どおりJTAGロジックアナライザを起動したら、ボタンを押して設定ダイアログを開きます。

blogana1

すると、MITOUJTAGは、FPGAにアクセスしてビット幅やデータ長やクロック周波数を自動で調べ、ダイアログに表示します。MITOUJTAG上でユーザが設定する項目は、各ビットの信号名と、トリガをかけるポイントのみです。

このダイアログが設定し終わったら、JTAGロジックアナライザの画面に戻ります。
ここでいつもどおりサンプル開始ボタンを押せば、超高速で波形をサンプリングし、それがパソコンの画面上に表示されるわけです。

blogana2(クリックで拡大)

今のところSpartan3専用ですが、Virtex2 Proなどでもそのまま動作するでしょう。そして、Virtex2や4では、さらに高速に動作することが期待されます。

バウンダリスキャンを利用した通常のJTAGロジックアナライザと内蔵メモリを活用したロジックアナライザ。この両方をうまく使いこなせば、FPGAの開発の効率は、さらに飛躍的に向上するでしょう。

(追記)
いろんなボードでこの新ロジアナを試してみたいと思い、アットマークテクノさんから発売されているFPGAボード「SUZAKU」にも実装してみました。
結果は下の図のとおり。

blogana5(クリックで拡大)

SDRAMのアドレスバスや、データバス、制御信号などが観察できます。
CAS=Hで、RASとWENがLのは、プリチャージですね。
今回のサンプリング周波数は51MHzです。

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