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2006.02.14

DWMのARM基板にパスコンを入れる

このレポートは私がたまたま購入した付録基板で確認したものです。本レポートの結果をご利用される方は各自の責任の範囲内で行ってください。本レポートは内容の詳細な検討も行っておりませんし、デバイスのベンダーや、出版元に確認したわけでもありません。内容の正確さは保証しません。万が一のことが起きても、自己責任でお願いします。以上の点をご了承の上、お読みください。

まず結論だけ言うと、LVDDの端子(27番)が3.3Vにつながっていることが直接の原因ではなく、パスコンの不足によりLVDD端子の電圧に大きなノイズが乗ったため、私が手にした基板では不安定になっていたようです。


DWM付録のARM基板を眺めてみると、ディジタル用3.3Vの電源ラインがつぎのように配線されていることに気が付きました。

dwm6

3.3Vのディジタル電源には、パスコンらしきものがC11とC7しかないのです。



まず、基板をデフォルトの状態(誤動作する)で、LVDD端子の波形を測定してみました。
オシロはACモードで使います。
dwm7
VCCに約5.2MHzの周期的な繰り返しのノイズ波形が見られます。そのピーク・トゥ・ピークは300mV近くに達します。

追記 5.2MHzというのは、ADuC7026のデフォルトの動作周波数です。電源投入直後は44MHzの原発振を8分周したクロックで動作しています。POWCONレジスタを変更すると動作周波数が変わり、このノイズ波形の周波数も変わります。



次の波形は、CN1のコネクタの部分に0.1uFのコンデンサを入れた状態で測定したものです。
dwm10

これで約1時間、正常に動作するのを確認しました。
(1時間で止まったというわけではなく、1時間以上の動作確認は行っていないという意味です。)

追記一晩中動かしたところ、朝起きたら止まっていました。
dwm8
オシロの波形で見るとあまり変わっていないような気がしますが、ノイズは若干減ったような気がします。
短時間なら何とか誤動作はしないようです。



次の波形は、27番ピンの近くに0.1uFのコンデンサを入れた状態で測定したものです。
パスコンをつないだ写真(LVDDは3.3Vのまま)


dwm9
電源のノイズ波形はかなり抑制されました。
正常に動いているようです。



ということで、動作が不安定になってしまった原因は、LVDDの端子(27番)が3.3Vにつながっていることが直接の原因ではなく、パスコンの不足によりLVDD端子の電圧に大きなノイズが乗ったことではないかと考えられます。

ネットで検索すると、改良しなくてもちゃんと動いている人もいるようです。

正直な話、パスコンの有無がこんなに波形や動作に効いてくるとは思いませんでした。
もし、動作が不安定ということでお悩みの方は、とりあえず、
① そのまま基板で動く
② CN1か、その近くにパスコン(0.1uF)を入れたら動く←一晩中動かしたら止まってた
③ 26番 & 27番ピンにパスコン(0.1uF)を入れたら動く←一晩中動かしても動作する
④ LVDDを浮かせてパスコン(0.47uF)を入れたら動く←一晩中動かしても動作する
という感じで検討してみてください。

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