« 2006年2月 | トップページ | 2006年4月 »

2006.03.27

房総半島ドライブで、バスのボトルネックを考える

昨日は、房総半島をドライブして、館山(たてやま)まで行ってきました。

館山へ行くには高速道路があるのですが、一部の区間がまだ建設中のため、
東京や千葉(北部)から行くには、木更津のあたりでいちど降りなければなりません。

行きは良かったのですが、帰りで大渋滞に巻き込まれました。

千葉県の最南端の館山から千葉市の方へ戻るには、127号線という道路があるのですが、これはいつも渋滞しています。

そこで、高速道路に乗ったののですが、案内板には、「富津竹岡-富津中央 渋滞2km」と出ていたので、自然に解消されるだろうと、最初、それほど深刻には考えていませんでした。
※富津は「ふっつ」と読みます。

15:00ごろ、館山から乗ったら、渋滞なんてことを全く感じさせずに、車はまばらでスイスイでした。
しかし、終点の富津中央が近づくと、目の前に車の列が詰まっているのです。
しかもピクリとも動かない。いや、2~3分に1回、20メートルくらい動きます。

地図ではこんな感じの場所です。
2kmの渋滞を抜けるのに1時間半くらいかかりました。

さて、この渋滞の原因は何でしょうか。

高速道路から抜けたところがT字路になっていて、高速の出口ではない方(T字路の直線の方)が優先になっているのです。車が1分に5台とかいうペースなら問題はないのですが、ちょっと交通量が増えると、信号が青になっている間に右折する車が処理しきれず、高速の出口のところにどんどん溜まっていくのです。

そして、高速道路の下の127号線が渋滞すると、高速道路の終点で出られなくなって詰まってしまうのです。

館山自動車道が渋滞していた理由

高速を出た車が、1回の青信号で信号を右折できる台数は10回くらいでした。しかし、それより多くの車が高速道路へ入ってきますから、渋滞はどんどん長くなります。

同じ様なことがFPGAの中の回路や組み込み機器のデータパスの設計で起きたら、間違いなく設計上の欠陥です。どんなに太いデータの経路を用意しても、細い方のパスやアービタがネックになってパケットが上手く流れません。こういうデータパスは作ってはいけないな、自分は果たして今までにこういう設計をしていなかっただろうかなどと考えながら、渋滞をすごしました。

館山自動車道はいずれ完全に開通して東関東自動車道とつながります。そうなれば、この渋滞はなくなるでしょう。しかし、移行段階でどのようなことが起きるか、その移行設計がうまくないのではないかと思われます。

私は運転暦が短いので、こんな現象があるとは思っていませんでした。後から思えば、富津中央の一つ手前の富津竹岡で降りて一般道を走る、というのが正解のルートだったと感じました。

| | コメント (0)

ようやくmixiに参加

高校時代のクラスメートからのお誘いで、私もmixiに参加することができました。
http://mixi.jp/show_friend.pl?id=3694669
友達の友達の友達と辿っていくと、いろいろな人がいますね。

とりあえずmixiには登録しましたが、今後も私がお送りする日記やコンテンツは、このブログや普通のWebサイトで行いますね。
そうしないと、誰でも見れないので。

| | コメント (0)

2006.03.23

ノートPC「PC-MM1-H1W」を自力で修理

私のノートパソコンMebius「PC-MM1-H1W」が、昨年の10月に壊れてしまいました。
電車の中で電源を入れようとしたら、バッテリランプがオレンジ色に点滅して、電源が入りません。
Googleで同様の症状を検索してみると、同じような症状の人がいるようです。

まずは、メーカーのサポート係に電話してみました。すると、「リセットボタンを押してアダプタを抜き差ししてみて、それで駄目なら基板交換」とのことでした。どこが壊れているかはわからない、ということです。

それっきり修理にも出さずほうっておいたのですが、今日ふと思い立って、自分で直してみたくなりました。
久しぶりに電源を入れてみても、相変わらず橙色の点滅です。

どうせ壊れているならと、壊すのを覚悟で分解し、マザーボードを取り出しました。

以下に述べる記事は、あくまでも私のPCでの場合です。絶対に真似しないでください。真似してどのようなことが起きても、一切責任はとりません。

PC-MM1-H1Wのマザーボード

これが、PC-MM1-H1Wのマザーボードです。写真に写っている一番大きなチップがCruesoeです。

症状を詳しく診てみると、電源ボタンを押してから橙色のランプが点滅するまで、およそ1秒間あります。このとき、基板からかすかにカチッという音が聞こえます。この動作から推測すると、最初は普通に起動したのに何らかの異常に気が付いて、シャットダウンするような感じの動作でした。

このスイッチング電源が停止して、橙色の点滅になる

とりあえずオシロで、いろんなところの電圧を測定してみました。上の写真に灰色の四角い部品が2個映っていますが、これはスイッチング電源用のトランスのようで、それぞれ5V用(下側)と3.3V用(上側)のようです。
基板上のスイッチング電源は、ACアダプタから供給されるDC20Vをスイッチして、DC5VとDC3.3Vを作り出しているようです。
5V側は、PCの電源が入っていなくとも、常にスイッチング電源が動作して5Vを作り出しています。
3.3Vの方は、電源ボタンを押すとスイッチング電源が動き出し、1秒ほど供給されるものの、すぐにOFFになってしまいます。カチッというかすかな音は、このトランスから出ているようでした。
3.3Vの電源を動かしたり止めたりする信号が見つからないものか、と探してみたのですが、さすがにみつかりません。

ところが、いろいろ調べているうちにあることに気が付きました。基板上に載っているフラッシュROMや、SDRAMのアドレス線やデータ線が全く動いている気配がないのです。それどころか、SDRAMやROM、CPUのまわりなどは一瞬も3.3Vなどの電源が来る気配がありません。

そこで、ちょっと基板全体を見てみると、同じ様なトランスがもう一つありました。上の基板写真では、Cruesoeの左側に映っています。

当該部分を拡大するとこんな感じです。
この部分が原因でした!
原因の部分(いくつかの部品を取り外した後)

このヒューズ(F6)が切れていたのです。

取り外したヒューズ

ヒューズが切れたのを修理する場合、何も考えずにジャンパしてしまうというのは、非常に危ない解決策です。なぜヒューズが切れたのかの原因を追求せずにジャンパするのは非常に危険です。しかし、危険を承知でとりあえずジャンパしてみました。このヒューズにはACアダプタからのDC20Vがモロに来ています。

そんなヒューズをジャンパし、ACアダプタをつなぎます。
すると・・、ACアダプタが電流リミットにかかったようです。つまり、このヒューズの先で何かがショートしているようです。

ショートモードで壊れる部品というと、タンタルコンデンサが想像できますが、今回の原因は、タンタルではなく、チップ積層セラミックコンデンサでした。
基板上でヒューズの向こう側につながっているコンデンサを全部外してみて、テスターで絶縁チェックしてみると、あるコンデンサでテスターからブリブリ音が鳴りました。調べてみると、80Ωくらいの抵抗で導通してしまっているようです。

中途半端な値で導通していた積セラ
この写真では大分傷がついていますが、これは取り外しの際についた傷です。
ちなみに、基板に実装されている外観を眺めてもわかりません。

コンデンサの容量jは10μFと思われます。DC20Vが加わるので、耐圧は50Vくらいはほしいところです。
同じようなコンデンサが3つ並列になっているので、30μFの容量を作っていたのでしょう。

このコンデンサを外して、ヒューズをジャンパし、生きている2つのコンデンサを戻しました。

電源を入れてみると、見事にMebiusが起動しました。

積セラを外して、Mebius起動

ところで、原因を調べている際に、オシロのプローブでDC20Vをショートさせてしまい、5V用のスイッチング電源の積セラも壊してしまいした。スイッチング電源の1次側には2つのコンデンサが並列になっていたので、もう1個は生き残っています。

というわけで、2箇所のスイッチング電源で、コンデンサを1個づつ外した状態で動かしました。


マザーボードを筐体に納め、丁寧にネジをしめ、ハードディスクを取り付け、起動させました。

Windowsが起動しました。


・・


しかし、どうも動作中に「きゅるゅる」という妙な音がするのが気になります。5分くらいすると、突然、ブツッと電源が落ちてしまいました。

再び筐体をあけてみると、外観は特に問題ありませんでしたが、3.3V用のスイッチング電源の部分にある積セラが20Ωくらいで導通してしまっていました。そのため、ACアダプタが電流リミットでシャットダウンしたようです。

そんな状態でACアダプタをつないで1分くらいしてみると、「バシュー!」と積セラから火が出ました。
いやぁ~、大容量の積セラって、タンタルみたいに火を吹いて壊れるんですね。
しかも、導通モードで壊れるの?

積セラを取り外してみると、基板が少し焦げてえぐれてしまっていました。

更に火を吹いた積層セラミックコンデンサの跡

今度ばかりはもうだめか、と思ったのですが、このコンデンサを取り外してみると、ちゃんと起動しました。
うーん、さすが日本製品。丈夫です。

コンデンサが少なすぎたのが問題かもしれないと思い、パーツ箱のなかから適当な10μ以上のコンデンサを探してつけることにしました。しかし、ここはDC20Vが加わる場所ですから、耐圧の大きなコンデンサが必要です。

そんな大容量で高耐圧の積セラなんてもっていないので、とりあえず、電解コンをつけることにしました。
絶対に真似しないでくださいね。

スイッチング電源のコンデンサを置き換え

上が5V用のスイッチング電源です。トランスに不思議なシミが出ています。
変ですね、さっきまではこんなシミはなかったのに。

まぁ、細かいことは気にせず、燃えた積セラを外して電解コンに置き換えます。

手持ちの電解コンで、耐圧が20V以上のものは2個しかなかたので、CPU用のスイッチング電源には47μF16Vのコンデンサを2個直列にしました。絶対に真似しないでください。
CPU部分のコンデンサを置き換え

ESRだとかインダクタンスだとかいろいろな意味で、電解コンは積セラの代わりには全くなりませんが、とりあえず容量だけは確保しました。絶対に真似しないでくださいね。

これで、電源を入れて起動してみると、ちゃんと起動しました。

notepc10

やっぱり基板から出る音が少し変ですが、今度はシャットダウンすることなく、数十分動かすことができました。無理やり電解をつけたので、筐体の蓋がしまらないので放熱が激しく、CPUへの負担を考えてそれ以上の動作テストはしないでおきました。

とりあえず、RSコンポーネンツに、似たような積セラとチップヒューズを注文しておいたので、明日届いたらもう少し実験してみることにしましょう。

とにかくわかったことは、
・PC-MM1-H1Wのバッテリランプが橙に点滅して電源が入らない場合は、CPU用のスイッチング電源が動作していない可能性がある。
・その原因は、私の場合はヒューズ切れだったが、ヒューズ切れの原因は積セラのショートモードでの故障だった。
・パソコンの電源がOFFになっている状態でも、回路の各部にはアダプタからのDC20Vが加わっている。壊れたコンデンサがあると危険。バッテリ駆動でも同様に電圧が各部に加わっていると思われる。まぁそのためのヒューズなのですが。


それから、このMebiusは、もう一つ不調な箇所があるんです。
ここでも話題になっているようですが、HDDが遅くなるんです。止まっているとしか思えないほど遅くなるんです。
しかも、カランカランなんて音が鳴るんです。
私の場合、特に冬場にこの現象が起きやすいようでした。夏は快調でした。
まぁ、それでも、不調になってから2年以上、HDDがクラッシュせずに動いているので良しとしましょう。

デザインもいいし、軽いし、使いやすいので、私はこのPC-MM1-H1Wをとても気に入っています。

| | コメント (33)

2006.03.20

月刊アスキー4月号に載りました!

3月18日(土)発売の月刊アスキー4月号の別冊付録「スーパークリエータ列伝」に載りました。
「スーパークリエータ列伝」というのは、未踏ソフトの開発者の、その後のインタビューを集めたものです。

私の写真は当社比3倍くらいに良く映っています。そんで、私がさも一貫性のあるポリシーでいろいろやってきたかのように書かれています。ちょっと恥ずかしいくらいですが、ご興味おありの方は、お読みいただければ幸いです。

| | コメント (0)

2006.03.19

秋葉原で事務所さがし

秋葉原に事務所を構えようと、1ヶ月ほど前から物件を探しています。
外神田1丁目、3丁目、4丁目で、メイド系やアニメ系の入っていない堅気のビルならどこでもいいということで、探しています。
業種は、電子回路設計・コンサルティングです。

事務所の大きな目的は、まず、MITOUJTAGのデモを見てもらえる場所をつくることです。
今まで、展示会を通じて、いろんな方にMITOUJTAGのデモを見てもらっていましたが、展示会だけだと年に数回しか機会がありません。そこで、MITOUJTAGの導入を検討されているお客様に、一年中いつでもMITOUJTAGのデモを見てもらえる場所を作りたいというのがあります。実際に開発中のボードなどをお持ちいただいて、MITOUJTAGが使えるかどうかをその場で見ていただくということを考えています。

そして、次の目的は、電子回路でお困りごとを抱えている企業様や学生さんが、何でも気軽に相談できる相談所を創ることです。昨今の電子回路は複雑になりすぎて、難しいことがとても多くなりました。独学やWeb検索で解決できない事例がとても多くあります。

掲示板やMLだと匿名のやりとりになってしまいますし、なかなか伝えようとしていることがお互い正確に伝わりません。
専門知識の相談というと、法律事務所や弁理士事務所のようなのはどこにでも良くありますが、技術士事務所というのはまだまだ一般的でありません。電子回路の悩みごとを相談しようと思っても、誰もが気軽に相談できるところというのは、今までどこにもありませんでした。

そこで、気軽に相談できる電気の技術士事務所を秋葉原につくり、お客様の電子回路のお悩みごとを解決させていただいて、日本の電子技術の発展に貢献させていただこうと志しています。

具体的には、電子回路でお困りの方にお越しいただき、その場でいろいろと見せていただいてコンサルティングする、そんな事務所を創っていきたいと思っています。

不動産屋さんに外神田3丁目限定で探してもらって、3件ほど見つかりました。そのうち1件は安くて良かったのですが、うかうかしている間に埋まってしまいました。別の1件は、建物は綺麗なのですが、天井が低いのと、階段下のデッドスペースが大きいので、ちょっと・・
最後の1件は、マンションを改良したものです。立地条件が秋葉原なので、多くの会社さんが入っているようです。安くて広め。秋葉原徒歩7分、御茶ノ水徒歩7分、末広町徒歩3分くらいのところにあります。ここに決めようかな、という気もしています。

秋葉原は、メイドやアニメ系の店が多くなってしまって、地元でかたぎの商売をやってきた人は困っているのかもしれませんね。同じビルにアニメやメイドの店が1軒でもあると、普通のお客様はそのビル全体に入りづらくなってしまいます。
あれ、こんないい物件があいているの?と思うと、上や下の階がアニメ系だったりメイド系だったりします。空いたテナントには、同類のメイドかアニメの店しか入りづらく、従来から入っていた堅気の商売は居心地が悪くなって出て行ってしまいます。空いたところには、またメイド系やアニメ系が入ります。そして萌えビルの完成です。

|

2006.03.18

未踏の成果報告会

今日は、未踏ソフトウェアの成果報告会へいきました。今日は組み込み系の展示が満載でした。

まずは、理研の濱田さんが開発されたPROGRAPE-4 です。
濱田さんが開発されたのは、ハードウェアとソフトウェアだそうです。開発されたハードは、FPGAがいっぱい並んで物理シミュレーションなどの並列計算する装置だそうです。
FPGAの中を設計するのって、とても大変ですよね。FPGAを埋め尽くすような数値計算の演算回路を作ろうとなると気が遠くなるような作業です。濱田さんが開発されたソフトを使うと、簡単な数式を記述するだけでFPGAの中を埋め尽くすような並列計算のソースを自動生成してくれるのです。

銀河系同士が衝突するシミュレーションのデモを見せていただきました。
デスクトップでスーパーコンピュータ級の演算が動いちゃってます。

それから、有限会社リカージョンの田村修さんの成果「組み込み機器向け軽量コンパイラの開発」も見てきました。ATMegaが実装されたサンプル基板もいただきてきました。このソフト&ハードは、シリアル通信で簡単なプログラム(テキストファイル)を送るだけで、ワンチップマイコン上でコンパイルされて実行されるというものだそうです。
今まで、ホストPC上でコンパイルしたプログラムをマイコン上に転送したり、ワンチップマイコン上でインタプリタが動くというのはあったと思いますが、コンパイラが動くというのは見たことがありません。
この成果は、ワンチップマイコン上でコンパイルするのです。これは、かなりすごいことです。


| | コメント (0)

2006.03.13

ARM基板で、トラ技のCPLD基板をRS232C-JTAG

デザインウェーブマガジン付録のARM基板を使ってRS232C-JTAG変換器を作り、トラ技のMAX II基板をRS232CからJTAGコンフィギュレーションすることに成功しました。

arm-max2-jtag
クリックで拡大

DWMのARM基板とパソコンを、RS232Cでつなぎます。
ARM基板には5ピンのピンヘッダを立て、そこからTCK,TDI,TMS,TDO,GNDの5本の線をのばしてMAX II基板につなぎます。

115200bpsで通信した場合、約40秒ほどでMAX IIへの書き込みができます。
バウンダリスキャンは、毎秒50回ほどです。
USBシリアルを使って、USB-RS232C-JTAGという組み合わせでも動作しています。

この装置を開発するのはかなり苦労しました。
まず、RS232Cの受信をエラーなく行うには、割り込みを使わなければならないようでした。

ARMの割り込みにはFIQとIRQがありますが、それらを使うにはスタートアップルーチンを工夫しなければならないこと。FIQであっても、C言語の関数をコールするには、割り込み処理の中でレジスタの退避などを行わなければならないことなど、ARMの勉強になりました。
また、プログラムのイメージをROMに格納しておいて、スタートアップ時にそれをRAM上にコピーすることや、REMAPなど、ちゃんと動くようになるまでには結構大変でした。
MITOUJTAG BASICに内蔵されているARM用JTAGデバッガを駆使して開発を行いました。

割り込みの部分が出来てしまえば、あとはR8C用に書いたCのコードを移植するだけだったので、それほど難航はしませんでした。しかし、ADuC7206のいろんなペリフェラルを理解するのに一晩かかってしまいました。

詳細はこちらをご覧下さい。

| | コメント (0)

2006.03.12

LEDチカチカ改良版 in CPLD

トラ技の付録CPLD基板で動くLEDチカチカを紹介します。

電源とLEDをつなぐだけでチカチカできるLEDチカチカです。

autosig2

単純に点滅するだけでは面白くないので、ランダムに点滅させるようにしました。
CPLD基板の80本全部のI/O端子から、ランダムなチカチカ信号が出力されます。

MITOUJTAGをつかえば、LEDをつながなくてもチカチカしているのが見えます。

autosig1

MAX IIには発振器が内蔵されています。この発振器を使っているので、水晶発振器など外付けの発振器を使わなくても動作します。逆に水晶はつながないでください。
詳細はこちらをご覧下さい

| | コメント (0)

トラ技CPLD基板とMITOUJTAG

トランジスタ技術2006年4月号が発売されました。トランジスタ技術4月号には、ALTERA社のMAX IIを搭載したCPLD基板が付録されています。
今回、私なひたふも、記事の一部を執筆させていただきました。

ところで、CPLD回路のデバッグはオシロスコープなどの機材を使っても難しいもので、オシロスコープがないとほとんどデバッグは不可能でした。

なぜならば、FPGAやCPLDは、作った回路が思うように動かないとき、CPLDの半田付けなど、いわゆる接続の問題なのか、それともVHDLコードの記述ミスなのか、それともツールの使い方のミスなのか、または考え方が全く間違っているのか、原因の切り分けがとても難しいからです。

オシロがないと、LEDチカチカくらいまではできますが、そこから先がとても難しいのです。

ですが、私はできるだけ多くの人にCPLD開発の楽しさを体験していただきたいと考え、CPLDのデバッグを容易にするソフトウェア「MITOUJTAG/トラ技」版をリリースすることにしました。

MITOUJTAG/トラ技版」は、最新のMITOUJTAG BASIC版をベースに、トラ技の基板が使いやすくなるようカスタマイズしたものです。

今までのMITOUJTAGは、パソコンの画面上にICのパッケージの絵が表示され、ICが入出力する信号が見えました。でも、評価基板で使う場合には、パッケージの絵が出るよりも、付録基板のコネクタの端子の信号の状態が見えたほうが扱いやすいだろうと考え、思い切って付録基板の絵が表示されるように改良しました。
mjtrg

「MITOUJTAG/トラ技版」は、トラ技の付録CD-ROMに入っています。どなたでも無償でご利用いただけます。

この機会にぜひ、最新のMITOUJTAGをご体験ください。
MITOUJTAG トラ技版の詳細を読む

| | コメント (6)

2006.03.04

DWMのARM基板のLVDDと、クロックの速度

このレポートは私がたまたま購入した付録基板で確認したものです。本レポートの結果をご利用される方は各自の責任の範囲内で行ってください。本レポートは内容の詳細な検討も行っておりませんし、デバイスのベンダーや、出版元に確認したわけでもありません。内容の正確さは保証しません。万が一のことが起きても、自己責任でお願いします。以上の点をご了承の上、お読みください。

DWMのARM基板で、シリアル通信(UART)の実験をしていて気になったことがあるので書きます。UARTを使おうとしている皆様の参考になればと思います。

サンプルのコードや、データシートを読んで、ボーレートジェネレータを適切にセットしたにも関わらず、UARTで送信したデータをパソコンで受信すると、文字化けしてしまっていました。
オシロで見ると、9600bpsになっていない!?のです。
ADuC7206のUARTは41.78MHzのクロックを分周してタイミングを作っているようなのですが、データシートには内蔵の発振器は3%の誤差がある、と書かれています。しかし、実測では3%以上ありました。正しく記憶していませんが6%くらいあったように思えます。

RS232Cは一般に、周波数が3%もずれてしまうとエラー発生率が高くなります。
分周器の設定を標準値から変えることで、なんとかパソコンで正しく受信できるようになりましたが、どのADuC7206でも一律にずれるのならばいいのですが、個体差があると良くないでしょう。

内蔵発振器の発振周波数ずれの原因は、LVDDの端子が3.3Vにショートされていることではないかと思い、再度、27番ピンの足上げをして確認してみることにしました。
なお、一度足を上げる値段は、夢と同じで57セントです。

さて、27番ピンの足を上げたら、その近くにパスコンを置きます。とりあえず、0.1uFを1個つけておきました。
そして、このLVDD端子を基板の外に引き出し、オシロと、デジタルマルチメータと、外部電源に接続しました。
実験構成

外部電源をつないだのは、基板の外部から強制的にLVDDに電圧を注入し、LVDDの電圧がUARTの速度に影響するかどうかを確かめようというものです。

外部から3.3Vを注入したところ、およそ60~80mAの電流がLVDD端子に流れ込みました。しかし、周波数の変化はほとんど確認できませんでした。
一方、26番ピンと27番ピンをショートさせてみたところ、発振周波数が低いほうにずれるのを確認できました。

LVDDを分離した状態でのUARTの波形
足上げをしてLVDDを切り離した場合

LVDDをVDDIOにシートさせた状態でのUARTの波形
足上げをしたが、再度LVDDをIOVDDにショートさせた場合

26番(IOVDD1)と27番(LVDD)ピンをショート/オープンさせることで、通信速度に有意な差がでました。しかし、ショートさせる際に誤ってピンを折ってしまったので、これ以上の実験はできなくなってしまいました。

結果としては、LVDDに外から3.3Vを注入しても(一応2.7~3.6Vくらい変動させてみましたが)UARTの周波数は変わりませんでした。しかし、LVDDとIOVDDをショートさせると周波数が遅くなる、という一見不可思議な現象となりました。IOVDDの電源が下に引っ張られたことが原因なのでしょうか、ちょっとこれ以上はわかりません。

基板を壊してしまったのでこれ以上の実験はできなくなりましたが、LVDDの問題は、LEDチカチカが停止するということだけではないようです。電源とパスコンの問題だけではなく、内蔵発振器の周波数に影響している可能性もあります。UARTを使って通信するアプリケーションを作るなら、水晶発振器を載せたほうがいいのではないかと思われます。

| | コメント (0)

2006.03.03

Spartan3E Starter Kitの回路図と空白のページ

XILINX Spartan3E Starter Kitの回路図が公開されているのを見つけました。

http://www.xilinx.co.jp/xlnx/xweb/xil_publications_display.jsp?sGlobalNavPick=&sSecondaryNavPick=&category=-1212174&iLanguageID=2

回路図のほかには、ガーバデータや、部品リストなどがあります。

このSpartan3E StarterKitは、USBからJTAGが使えるということでしたので、いったいどのような回路になっているのかと興味を持っていたのですが、回路図の該当するページ(3ページ目)は空白になっていました。

このページには、IC3~IC5を用いた回路が記述されているのだと思われます。その正体は、CypressのEZ-USB FX2と、CoolRunnerIIを使ってUSBからJTAG操作するための回路でしょう。おそらく、前に予想したとおり、Platform USB相当の回路が載っていて、iMPACTからそのままUSBでアクセスできるのだと考えられます。また、いくつかの資料を見る限り、このUSBチップはJTAGコンフィギュレーション専用で、FPGAとパソコンとの間の通信はできなさそうだと思われます。
※回路図の6ページ目にEmbedded Platform USB Cableという記述がありますね。

その、空白のページには次のような一文が書かれています。

Page 3 contains proprietary information and has been intentionally left blank.
直訳すると、
ページ3は知的財産情報を含んでいるので、空白にしています。
ということです。

このボードの設計者は、おそらくユーザの利便性を考えてUSBからJTAGを操作する回路を組み込んだのだと思いますが、FPGAの評価ボードですから、そのままでは回路図が公開されてしまいます。当然、守るべき知的財産は守らなければいけません。Embedded Platform USB Cableや、EZ-USB FX2の使い方はノウハウのかたまりなのでしょう。

回路図の1枚を空白にするということは、ユーザの利便性とベンダーの知的財産という、矛盾する対立を解決する適切な対応だと思います。何でもかんでもオープンにするのではなく、守るべきところはきっちり守る。そのような姿勢はとても評価できます。そうしないとベンダーにもユーザにも最終的には良いことになりませんから。

もしかしたら、このStarter Kitの発売が遅れていたのは、USBの部分が原因だったのかもしれませんね。

| | コメント (0)

« 2006年2月 | トップページ | 2006年4月 »