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2011.01.15

RX62N (YRDKRX62N)でJTAG ICEを動かす

RX62Nの手ごろなボードないかと思い探していたら、アメリカのルネサスにYRDKRX62Nというボードがあるのを発見しました。Digikeyで1万円くらいで購入しました。

このボードは、モノクロ液晶や、加速度センサー、イーサネットなどいろいろ備えています。また、uC/OS-III というRTOSが動いています。

気になるのはSEGGER J-LINKという謎の回路が乗っていること。これはSEGGER社のUSB-JTAGで、JTAGのICEをするためのもののようです。このJ-LINKがあるため、JTAGコネクタは基板上には出ていません。このJ-LINKというのはATMELだか何かのCPUだそうですが、パッケージ表面が削られているので型番は読み取れません。

回路図にはJ-LINKの回路も載っているので、回路図をみながらJTAGの信号を引き出します。「J-LINK DISABLE」と書かれたジャンパをつなげば、SEGGER J-LINKは無効にできます。
Yrdxrx62njtag2

TRSTはR86、TDIはR87、TMSはR88、TCKはR89、TDOはR85から取り出せます。
Seggerres

これらの抵抗から配線を引き出し、JTAGケーブルをつなぎます。
Yrdxrx62njtag

これでJTAGを使う準備ができました。

ところが、いざJTAG ICEを起動してみると、うまく接続できません。どうやら、ROMのコードにプロテクトがかかっていてJTAG ICEの接続を拒否しているようです。データシートによると、プロテクトIDはメモリアドレスFFFFFFA0から16バイト書かれているのですが、ICEが起動しないので読めません。

そこでルネサスのFDT(フラッシュ開発ツール)をつなぎ、ROMの内容を読み出そうと試みました。FDTを使うにはTP17~TP20のジャンパにシリアルをつなぎます。
Yrdxrx62nflash

しかし、FDTが起動したときにフラッシュROMを消去してしまいました。そのため、結局プロテクトIDはわかりませんでしたが、ROMの内容が消えたため、拙作のJTAG ICEは起動できました。
Yrdxrx62njtagice

RAMにプログラムをダウンロードして実行・・ということもできました。

YRDKRX62Nを使ってみた感想としては、デバッグもフラッシュの書き込みも、すべてSEGGER J-LINK経由で行うことを強制しているようで、私のような目的の人には窮屈に感じることでした。
開発環境にKPIT GNUツールというものも用意されているのですが、ユーザ登録しないと使えないなど、フリーなものではありません。また、デフォルトで書き込まれていたデモアプリのコードが、CD-ROMやWebサイトのどこにあるかわからないなど、いろいろ迷う点があります。

このボードはSEGGER J-LINKを通じてuC/OS-III というRTOSの使い方を学ぶという目的にはいいかもしれませんが、これで何かを作ろうとしたり、何かに組み込もうという気にはなれません。RX62Nの動作確認には十分なのですが・・

そして、何より不満だったのは、RX62NでもQFP100ピンのパッケージが使われていること。100pinのRX62Nはバウンダリスキャンに対応していないようなのです。

というわけで、本当に満足できるRX62Nボードが欲しいから、自分で作ることにします。

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コメント

ないから作ってしまう!というのが凄いです。
いつもあこがれながら日記を見ています。

個人的には、Interfaceの5月号の基板に今回のJTAG-ICEが使えるかどうかに興味があります。

投稿: hiro115 | 2011.01.16 23:39

hiro115さん、返事が遅くなりまして申し訳ございません。
Interfaceの基板でもたぶん使えます。

投稿: なひたふ | 2011.01.22 06:32

はじめまして。いつも拝見させて頂いてました。
ちょうどYRDKRX62Nを使う機会があり、同じように
ICEを繋げ動作させようとしていたのですが、
FDTで消去させようとしたのですが、タイムアウトに
なってしまい、なひたふさんみたいにフラッシュROMを
消去できない状況になっています。
(※RXDとTXDをそのままPCに接続しただけですが…)

宜しければ接続出来ない原因等助言頂ければと思い
書き込みさせて頂きました。

投稿: nakamura | 2011.06.23 20:14

ICEというのはYRDKRDKのオンボードICEをHEWから使うことでしょうか?
ICEが動かない場合、ROMのコードにプロテクトがかかっている可能性がありますし、あのICEは日本語HEWでは動かなかったと思います。

ICEとFDTが同じ信号を使う(JTAGとシリアル0)のがRX62Nの問題だと思いますが、信号がぶつかっていないでしょうか?

また、RXDとTXDをPCに接続する際にはレベルコンバータを介してつないでください。そのままPCに接続しても動きません。

投稿: なひたふ | 2011.06.24 08:40

御回答頂き大変恐縮で御座います。
ICEはE1で接続しようと試みております。
説明不足で申し訳御座いません。
なひたふ様のご回答から判断するに同現象(ROMプロテクト)が発生しているようにも見えてきました。

小生の接続は、マイコンから直接端子を取る状態になっておりまして、そこから別基板でE1接続の為の接続回路を設けております。(E1接続に必要なプルアップ/プルダウン回路を設けております。)

FDTを用いてE1経由で消去、及びRS-232Cで消去を行おうとしましたが、動作せずと言う状況で御座いました。
なひふた様の御指摘の通り、レベルコンバータの接続を行っておりませんでしたので、接続出来なかったと存じます。

レベルコンバータを用いて再度挑戦したく存じます。
突然の御質問にご回答頂き誠に有難う御座いました。
なひふた様の心の広さに感服致します。

投稿: nakamura | 2011.06.27 09:39

FDTをどうするとフラッシュROMを消去出来るのですか?

投稿: | 2011.11.25 04:27

FDTが起動すると基本的にフラッシュROMは消えてしまうはずです。他人のプログラムが読めないようにするためだと思われます。

投稿: なひたふ | 2011.11.25 08:33

ご回答ありがとうございます。Interface5月の導入記事を見てLED点滅を試してみました。因みに当方のPCではHEWの「プログラムの停止」が無効でした。RX-MEGAボードにてMITOUJTAG RX特別版のJTAG ICEを起動すると認証コードを求められるのですがFF・・Fでは駄目でICEが使えません。FDTを一旦起動してからもFF・・Fで通らないので何か方法が無いかと探しております。

投稿: | 2011.11.25 15:44

自己レスです。付録基板のJPP1に短絡プラグの代わりに基板用のスイッチを付けていましたが、それの動作不良が原因のようでした。
JTAG-ICE起動確認しました。ありがとうございました。

投稿: | 2011.11.25 17:29

自己レスです。上の「MITOUJTAG RX特別版のJTAG ICE」に関して質問させて頂いたものです。付録基板のJPP1に短絡プラグの代わりに基板用のスイッチを付けていましたが、それの動作不良が原因のようでした。
JTAG-ICE起動確認しました。ありがとうございました。

投稿: | 2011.11.25 17:31

返答が遅くなり申し訳ございません。
認証コードとは、内蔵ROMのFFFFFFA0番地から書かれている16バイトの値です。JTAGデバッガを使うと内蔵ROMの内容が丸見えになってしまうので良くありません。そこで、CPUのしくみとして、認証コードが設定されている場合にはこの値がわからないとJTAGデバッガが起動できないようになっています。

JPP1がショートされた状態では、USB書き換えプログラムが起動しますが、このファームウェアはJTAGデバッグされたくないのでしょう。認証コードがないと起動できません。

JPP1がオープンのときに認証コードが求められた場合は、FFFFFFA0番地からの内容を指定してください。

なお、JTAG ICEを使う場合はJPP1はずっとオープンでよく、ROMに書き込む場合も切り替える必要はありません。

投稿: なひたふ | 2011.11.25 19:36

丁寧にご説明頂きありがとうございました。

投稿: | 2011.11.26 01:35

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