« 2012年6月 | トップページ | 2012年8月 »

2012.07.29

がじぇるねGR-SAKURAがリリースされました

この3ヶ月間、時間とエネルギーのほとんどを費やしてきたがじぇるねボードがリリースされ、私もようやくその大役の荷を解くことができるようになりました。昨日はその打ち上げ的なルネサスナイトというイベントに参加してきました。

プロデューサの皆様の作品のレベルの高さや、発表の面白さには大変感銘を受けました。最後まで見ていたかったのですが、所用により中途退席させていただきました。プロデューサの皆様、3ヶ月間ありがとうございました。

一般公開になったので、このブログに技術的な情報などをいろいろ書いていきたいと思います。

まず、がじぇるねの量産版ボードのジャンパの説明を書いておきたいと思います。

Grsakurajumpertop

Grsakurajumperbot

  • J1 USB→5V電源への逆流防止ダイオードをバイパスする
      (ダイオードによる電圧降下がなくなるが、逆流の危険あり)
  • J2 Arduino互換端子への5Vの接続を行う
  • J3 Arduino互換端子のVIN(高電圧)と、GRボードのV50を接続する(危険)
  • J4 アナログ電源AVCCとデジタル電源VCCを切り離すときにカットする
      (デフォルトではショート)
  • J5 PC7端子。ブートモードでSCIブートにしたいときにショートする。
  • J6 MD端子。ブートモードにしたいときにショートする。
      (ただし、下のスライドスイッチがあるので、この端子を使うことはほとんどない)
  • J7 XBeeのDOutをつなぐ
  • J8 XBeeのDInをつなぐ
  • J9 XBeeのRESETをつなぐ
  • J10 XBeeのRTSをつなぐ
  • J11 XBeeのCTSをつなぐ
  • J12 USBホスト用のプルダウン抵抗をCPUからコントロールしたい場合につなぐ
  • J13 USBホスト用のプルダウン抵抗を常時プルダウンしたい場合につなぐ
  • J14 USBホスト用のプルダウン抵抗をCPUからコントロールしたい場合につなぐ
  • J15 USBホスト用のプルダウン抵抗を常時プルダウンしたい場合につなぐ
       (J12~J15は通常はオープンで構わない)
  • J16 XBeeの電源をボード上の3.3Vにつなぐ
       (XBee Wifiではリセット時に電流を大量に消費してボードが不安定になる。別電源に切り離したいときにオープンにして、XBeeのV33に直接外部電源を供給するとよい)
  • J17 Arduino互換端子のRESET(CN14の端)と、システムのリセット信号をつなぐ。Arduinoシールドが5V振幅のリセットを出してくると、ボードにダメージを与えてしまうため、デフォルトでは接続されていない。シールドが出すリセット信号が3.3V振幅、または、オープンドレイン仕様である場合にのみ接続してよい。

です。

基本的には、ジャンパの変更は必要ありません。

以下のような場合にのみジャンパを設定してください。

・XBeeを使いたい→J7,J8,J9,J10,J11,J16をつなぐ
・USB OTGの実験をしたい→J12,J14をつなぐ
・常時USBホストモードにしたい→J13,J15をつなぐ (USBファンクションもOK)
・Arduinoシールドをのせて、シールドに5Vを供給したい→J2をつなぐ
 

| | コメント (0)

2012.07.28

RXマイコン用Webコンパイラとマニュアルを更新

特電のRXマイコン用Webコンパイラと、マニュアルを更新しました。

主な更新点は、

  1. 本日発売される「がじぇっとるねさす」のGR-SAKURAに対応しました。
  2. 究極のRX62Nボード、RaXino♪など、RX62でも同じようにビルドできるようにライブラリを整備しました。

特電のWebコンパイラはシンプルなので、プロジェクト管理機能や、ユーザごとの個人スペースなどはございません。

でも、ログインやユーザ登録不要ですぐに使えるので、ちょっと試したいときには便利です。また、個人情報を登録する必要がないので、そういうのが気になる方でも、気軽に安心してご利用いただけます。もちろん、ローカルディスクには何もインストールする必要はありません。ブラウザだけあればOKです。

Webcomp_gr

RXマイコン用WebコンパイラはこちらのURLにあります。

http://rx.tokudenkairo.co.jp/webcomp/

特電のWebコンパイラは、シンプルなだけあってレスポンスは高速です。画面を綺麗にするための飾りがないので、ちょっと質素な感じがしますが、サクサクと気持ちよく動きます。IE6とか古いブラウザをお使いの方もOKです。ぜひお試しください。

なお、今後、ライブラリの新機能の追加などがあったときには、特電のWebコンパイラがいちばん早く更新されることになるでしょう。

今回の更新で、Version1.00になりました。以前から公開していたWebコンパイラのVersion0.62と比べると、Arduino互換のイーサネットライブラリが使えるようになったり、PWMが15チャネル、サーボが30チャネル使えるようになったりと、ものすごく進化しています。思う存分たくさんのモーターをつなげてください。

そんなライブラリの詳細は、こちらのオンラインマニュアルをご覧下さい。

http://rx.tokudenkairo.co.jp/manual/

Rxman

なお、ユーザが作成したファイルはサーバ上に保存されているので、次にブラウザを開いたときにCookieが残っていれば復元されます。が、いつ消えるかわからないし、そもそも個々人のIPだとか、シリアル番号だとかそういう管理を一切行っていません。大事なプログラムはローカルに保存しておいてください。

それでは、手軽で便利なRX62N/RX63Nプログラミング環境をご堪能ください。

| | コメント (0)

2012.07.25

RXマイコン用Webコンパイラを更新しました

特電の提供するRXマイコン用Webコンパイラを更新しました。

今回の更新内容はいろいろあるのですが、Webコンパイラとしては、Cookieの扱いを徹底的にデバッグして、違和感のない操作ができるようにしました。

ブラウザを閉じても、再度開けば、さっきまで編集していたソースコードが復元できるようになりました。また、オンラインマニュアルも整備し、すべての関数について説明を書きました。

RXduinoライブラリとしては、前回のVersion0.6のころと比べると比べようがないほど進化し、Arduino風の様々なライブラリを用意したり、TCP/IPやUSBホスト機能が使えるようにもしました。またRX62Nだけではなく、RX63Nにも対応しました。

Rxwebcomp0725

RX63N用にはちゃんとライブラリをつくったのですが、RX62N用を削ってしまったりしたので、現在のWebコンパイラでコンパイルできる対象ボードはRaXino♪と、例の桜色のボードくらいです。究極のRX62Nボードと、RX-MEGAではまだ動きません。

RXマイコン用WebコンパイラはこちらのURLにあります。

http://rx.tokudenkairo.co.jp/webcomp/

今後数日かけて、完璧なものに仕上げていこうと思います。

| | コメント (0)

2012.07.19

RXduino&特電HALのマニュアルを作成中

Doxygenを使ってRXduinoのマニュアルを作成しています。

RXduino&特電HALというのは、ルネサスのRXマイコンでArduinoライクな開発環境を用意したライブラリのことです。ArduinoのソースがそのままRXマイコンで動くように作られています。

これらのライブラリを使うと、RXマイコンの内蔵ペリフェラルが100倍簡単に使えるようになります。ハードウェアマニュアルを見ながらHEWと格闘して、内蔵レジスタの設定方法を調べる毎日から解放されます。

lwIPなどの意味不明なTCP/IPプロトコルスタックを使う必要もなくなります。
USB仮想COMポートも自由自在に使えるようになります。

一度このライブラリを使ったら、もう、1からRXのプログラムを作ろうという気は起こらなくなるでしょう。

ここ2カ月ほど、ずーーーーーっとRXduinoの開発作業をしてきました。そんな努力の結晶です。

その作業もいよいよ大詰めを迎えました。RXマイコンから自由にTCP/IPを使って(lwIPやuIPを使わずに)簡単にアクセスできるようになったり、Servoが20ch使えたり、PWMが15ch使えたり、RXならではのメリットがいっぱいです。

いま、マニュアルを執筆しています。

Windowsのヘルプ(CHM型式)のマニュアルにしています。まだ作りかけではありますが、ここにアップロードしておきますので、ご興味おありの方はご覧ください。

「rxduino.zip」をダウンロード

Rxduinoman

| | コメント (0)

2012.07.11

EZ-USB FX3評価ボードの販売を開始します

特殊電子回路では、Cypress製USB3.0コントローラIC「EZ-USB FX3」を評価するための評価ボードを開発しました。

Fx3_rev2

CypressのEZ-USB FX3は、おそらく現時点ではUSB3.0 SuperSpeedを使いやすくした世界唯一のICですが、用意されているパッケージがBGAタイプのものしかないので、EASYに使うことはできませんでした。

そこで、特電は、このすばらしいICを手軽に使えるようにするために、万能基板を内包したこのボードを開発しました。このボードを使うと、USB3.0 SuperSpeed (5Gbps)の実験を手軽に行っていただくことができるようになります。

価格は、ボード単体で29,800円(税込)、Spartan-6 LX45 FPGAボードとのセットで73,000円(税込)と、大変お求めやすくなっています。

EZ-USB FX3評価ボード 製品紹介ページ

他にはない、このボードだけの大きな特徴を3つ挙げると、

  1. Spartan-6 FPGAボードを搭載可能
  2. 2.54mmのピンヘッダが出ているので、万能基板で拡張できる
  3. 広い万能基板エリアが用意されている

です。

本ボードに用意されているUSB3.0のコネクタは丈夫は標準Bタイプです。マイクロBではないので、とても頑丈で、多少手荒に扱っても壊れません。
また、Cypressの提供しているサンプルアプリケーションを、本ボードで走らせることも可能です。

その他の特徴
・RS232Cコネクタと、ドライバICを搭載
・ARM9用JTAGコネクタを搭載
・I2C ROM (1MB)を搭載
・SPI ROM (32MB)を搭載
・バッテリ接続用端子を用意
・各種I/Oの説明は基板の裏面にシルクで記載
・DIPスイッチで動作モードをわかりやすく設定
・開発者CD-ROMを同梱。サンプルソフトウェアを提供。
(GPIO、UART、I2C、SlaveFIFOなど)

なお、リファレンスデータはすべて公開されているので、お客様が独自のボードを作る際の参考にしていただくこともできます。

EZ-USB FX3評価ボード 製品紹介ページ

詳しい情報は追って紹介していきます。

※新製品につき、ごく限られたわずかな数量しか生産していません。既に多くの方からご予約をいただいております。万が一、品切れとなってしまった際にはご容赦ください。

| | コメント (0)

2012.07.07

RXマイコンで動くTCPを作り始めた

RXマイコンで自由自在にUDPが動くようになったので、こんどはTCPを作っています。

そこで、ちょっと不可解な現象を発見しました。

RX62Nから、こういうイーサフレームを送ります。

※イーサネットのフレームのダンプなので、先頭にはMACアドレスと0800がついています

[Send packet]
0000    00 0d 02 e7 9e 6d 02 00  00 00 00 01 08 00 45 00  .....m.. ......E.
0010    00 28 00 05 00 00 80 06  33 88 c0 a8 01 03 31 d4  .(...... 3.....1.
0020    13 c4 27 10 00 17 00 00  00 00 00 00 00 00 50 02  ..'..... ......P.
0030    04 00 7d 78 00 00                                             ..}x.... 1...Q...

これは、TCPのSYNフラグをONにして、CONNECTしようとしているときのパケットです。
ちなみに、意味は src port= 2710, dest port= 0017, seq=00000000, ack=00000000, window size=0400のつもりです。「50 02」というのが、TCPヘッダのサイズが5*32ビットであることを示しているので、TCPヘッダのオプション部分はないはずです。

しかし、tokudenサーバに届いたものをTCPダンプで見てみると・・

17:49:17.755215 IP (tos 0x0, ttl 115, id 5, offset 0, flags [none], proto TCP (6), length 44)
    ○○○○○○○ > www1402ub.sakura.ne.jp.telnet: Flags [S], cksum 0xe620 (correct), seq 0, win 1024, options [mss 1414], length 0
        0x0000:  4500 002c 0005 0000 7306 c0ba xxxx xxxx  E..,....s...=|..
        0x0010:  31d4 13c4 2710 0017 0000 0000 0000 0000  1...'...........
        0x0020:  6002 0400 e620 0000 0204 0586            `...........

なんと、ヘッダ長を示すデータオフセットの部分が50から60に増えていて、オプションフィールド「0204 0586」が増えているではないですか!この増えた「0204 0586」の意味は[mss 1414]のようです。

自宅の回線はADSLなので、ルータが勝手に付け加えてくれたのかもしれません。

| | コメント (0)

2012.07.06

NTPを使ってRXマイコンの内蔵時計をセット

NTPを使ってRXマイコンの内蔵時計をセットすることができるようになりました。

某RX63N用に作っていたプログラムを、RX62NであるRaXino♪用にコンパイルしなおしたら、サクっと動いてしまいました。こんな簡単に移行できるなんて、私も少し驚きました。

Raxino_ntp

NICTのNTPサーバにIPアドレス固定でつなぎました。NICTのサーバはStratum 1なのでセシウム原子時計でしょう。たしかFPGAでハードウェア的にリクエストを処理していて、ワイヤースピードでNTPのパケットをさばくという凄いやつです。

この手のひらサイズの小さなマイコンが、インターネットの先にあるサーバに接続して、時刻を取ってくるなんてちょっと感動です。

RX62NとRX63Nお処理能力や内蔵ペリフェラルはほぼ同じですが、わずかな差があります。ハードウェアマニュアルを読んで、何が違うかを調べていくとレジスタのアクセス方法などが変わっていることがかなり多いのですが、その差はRXduinoライブラリが吸収してくれるので、ユーザアプリケーションは同じソースコードで動きます。それどころか、ユーザアプリケーションのコードはArduino互換で、CPUはRXというのがRXduinoなのです。

RaXino用のNTPプログラムをアップロードします。

「ntptime.mot」をダウンロード

RaXinoをお持ちの方はぜひ試してみてください。

| | コメント (0)

2012.07.05

RaXinoでネットワークライブラリ

RX62N/RX63N用に作っていたTCP/IPライブラリが、RaXino♪でも動きました。
当然といえば当然ですが、ちょっと嬉しい。

NSLOOKUPができるようになったので、面白くなってきました。

実行ファイルはこちらに置いておきます。 「main.mot」をダウンロード

Raxinoping

会社のネットワークだと「DHCPは設定されませんでした」と出るので、何か変なところがあるのかもしれません。

| | コメント (0)

« 2012年6月 | トップページ | 2012年8月 »