KoboのJTAG配線を引き出してバウンダリスキャンする(1)
Koboという電子ブックリーダがあります。
ARM9 Cortex™-A8 のSoC i.MX507やi.MX508が乗っていて、末端価格7900円くらいで売られているのでとてもお得なボードです。このKoboをARM Cortex™-A8 評価ボードとするため、基板を解析してJTAG配線を引き出すことにします。
まず、ジャンクで構わないのでとりあえずKoboを入手します。
最初の1台目は動かなくても映らなくても結構です。
蓋を開けて、基板を眺めてみます。
基板を取り外します。基板上にはJTAGと書かれたコネクタはありませんので、どこにJTAGの端子が出ているかはわかりません。
CPUを眺めます。IMX507と書いているので、きっと507なのでしょう。
このCPUはこれで見納めです。心置きなくみておいてください。
ヒートガンを用意して、CPUをあぶります。
少し焦げたけれど、CPUは無事外れました。
ちょっとあぶりすぎたので基板がこげてしまいましたが、問題ありません。
基板を少し綺麗にして、i.MX507/i.MX508のデータシートを見ながら、JTAGの端子が基板上のどの配線につながっているかを解析します。
JTAGの配線が、基板の裏側のある場所につながっていることがわかったので、そこから配線を引き出します。
次に2台目のKoboを用意し、先ほど解析したJTAGの信号にJTAGケーブルをつなぎます。MITOUJTAGを起動して、自動認識させます。すると・・
ちゃんとIDCODE=02D0101Dのデバイスが認識されました。
ここで、iMX50のBSDLファイルを割り当てると、
このとおり、端子の状態が可視化できました。
Kobo起動時のLEDの点滅の状態や、
Kobo起動時のSDRAMの状態も見えました。
ちなみに、KoboのSDカード自体には何も手を加えていないので、Koboのデフォルトのソフトウェアがそのまま動いています。
KoboのJTAG配線をどこから引き出せばよいかは、今月発行予定の「月刊 特電技術 Vol2」に書こうと思います。
次のブログでは応用編を書きます。
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