スマートフォンからJTAGを使う(1)
スマートフォンからJTAGを使う、そんな馬鹿げた試みがようやく実を結び始めました。
携帯電話の3G回線で通信して、インターネット越しにJTAGバウンダリスキャンを行い、ICの端子の状態を確認しています。
結構難しい仕組みがうごいているのですが、それを簡単に使えるようにするために苦労してきました。
まず、MITOUJTAG Connectといういわゆる「クラウド」があります。このクラウドに、JTAGサーバと、クライアントがログインし、クラウド内でサーバとクライアントを結びつけることで、どのような端末からでもバウンダリスキャンができるようにしようというものです。
JTAGサーバというのは、検査対象ハードウェア(ターゲットボード)にJTAGで実際に接続しているコンピュータのことです。JTAGサーバの上ではMITOUJTAG BASICなどが動いています。
クライアントというのは、人が見たり操作したりするための端末で、Windowsだったり、Androidだったり、iPhoneだったりします。
この方法の良いところは、1つのJTAGサーバを複数のクライアンからで見れることです。JTAGサーバもクライアントも、HTTPだけでアクセスするのでNATやファイヤーウォールなどを容易に通り抜けできます。つまり、会社の中にJTAGサーバがあったとしても、設定を変更したりネットワーク管理者に許可を得なくても使えてしまうというわけです。
このMITOUJTAGの新しい機能を使う手順はおおよそ次のようになります。開発中のものなので、将来的に変更になるかもしれません。まず、手元のパソコンでMITOUJTAG BASICを起動しておきます。このMITOUJTAG BASICでは普通にRXマイコンとか、FPGAとかをスキャンできるようにしておきます。
次に、MITOUJTAG BASICのツールメニューの中から「ネットワーク接続」を選択します。
すると、次のようなダイアログがでるので、「接続」します。これでMITOUJTAGクラウドネットワークにこのMITOUJTAG BASICが登録されます。
次に、Webブラウザを開いてMITOUJTAG WEBSCANのページを開きます。パソコンでも携帯電話でも構いません。
サーバ(MITOUJTAG BASIC)につなぐと、サーバ上でスキャンしているICの端子の状態が、クライアント(スマートホン)の上で見ることができ、また、クライアントからサーバのJTAGバウンダリスキャンを遠隔操作することができるようになります。
スマートフォンでやった場合、Androidの標準のブラウザで動くので、何もインストールする必要はありません。3G回線経由でも毎秒50fpsくらい出ています。
なお、次は手元にあるAndroid端末から手元にある自分のハードウェアをスキャンするときのやり方を開発しようと思います。
すなわち、どこかのサーバ(MITOUJTAG BASIC)につなぐのではなく、クラウド内に容易した「JTAG仮想サーバ」というものを介して、手元のAndroid端末だけでスキャンできるようにしようというわけです。
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