RXduinoを秋月電子通商様のAKI-RX62ボードに対応させました。AKI-RX62ボードは、ルネサスのRX621を搭載した安価なマイコンボードです。
このブログをご覧いただいている方にはあらためて紹介するのは不要だと思いますが、RXduino(アールエックスデュイーノ)というのは、RXマイコン上で動くArduino互換のライブラリのことです。
RXduinoを使って、このAKI-RX62ボードのプログラムを簡単かつ迅速に開発できるようにしました。
RXマイコンはとても充実していて素晴らしいマイコンなのですが、USBやUART、SPI、タイマ、その他いろいろな機能を自分でプログラムするのはとても大変です。そこで、Arduino互換の仕様にして簡単に使えるようなライブラリを作ったというわけです。
このライブラリを使うと、
Serial.begin(38400, SCI_USB0);
とやるだけで、USB仮想COMポートが使えてしまいます。また、USBホスト機能等も簡単につかえます。
それから、I/Oのアクセスは、ピンの番号を使って行うことができます。
ですから、
pinMode(0, OUTPUT);
digitalWrite(0, HIGH);
のように簡単にI/Oポートにアクセスできます。もちろん、PIN_PD0のような別名でもアクセスできます。
さて、AKI-RX62ボードは、ルネサスのRX621を搭載した安価なマイコンボードです。RX621と聞くと、RX63よりもパフォーマンスが低いんじゃないの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。いいえ。そんなことはありません。
RX62とRX63で基本的にCPUの速度は全く同じです。(RX64は速いけど・・)
数字が大きいほど速いというわけではありません。RX621もRX62Tもみんな同じです。
違いはメモリの容量と周辺ペリフェラルだけなのですが、周辺機能の違いのほとんどはRXduinoライブラリが吸収します。したがって、RX63Nで作成したプログラムはRX621でも全く同じように動くというわけです。
ちなみに、本家のArduinoと比べてRXduinoが優れているところはいろいろありますが、例えば、analogWriteがどのピンでも使える、などといった特徴があります。analogWriteyやservoがどのピンでも使え、最大15~20チャネル使えます。
秋月さんのボードは、2700円という破格の値段なので、学生さんや趣味で電子工作を楽しむ方にとってコストメリットのあるボードだと思います。ぜひ、春休みにはRXduinoを使ってRXマイコンのプログラミングを楽しんでみてください。
さて、ライブラリのリリース方法ですが、まずは特電のWebコンパイラ上での対応といたします。
その後、近いうち(今週末ごろ)に、特電のお客様向けにバイナリとソースをダウンロードできるようにします。ただし、このダウンロードは特電のお客様向けのものですので、全くコストをかけずにRXマイコンのプログラムを楽しみたいという方はダウンロードできません。
そこで、登録制の評価版ダウンロードを別途用意しようと準備しています。もちろん登録制のダウンロードは無料です。評価版といっても機能に差があるわけではありません。
このような感じで、RXduinoを多くの方に使いやすくしていきたいと思います。また、mrubyを対応させるとか、そういう熱い志を持った方にはいろいろな情報やソースも提供していこうかなと思います。
今後の予定としては、なひたふはRXduinoによるRXマイコンプログラミングを世の中に広めていきたいと思っていますので、AKI-RX62だけではなく、秋月電子様で販売されているBlueBoard RX62Nや、アルファプロジェクト様のAP-RX63N-0Aなどにも対応していこうと思います。
「特電はボードを出さないの?」と聞かれますが、はい。もう出しません。この記事で書いたとおり、もう安いマイコン評価ボードは出しません。 RX-DIPのような、簡単にまねできないボードや、高いボードは出すかもしれませんが、誰にでも真似できてしまうような安いボードはもう作りません。それよりも、ライブラリの開発に注力していきます。
ぜひとも、RXマイコンでのArduino互換のお手軽プログラミングをお楽しみください。
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