2013年をふりかえって
この1年は、2012年でボロボロになった体制を立て直すのに必死でした。でも、引っ越しを機に運勢が変わり、なんとか乗り越えられました。そして、2014年に向けて変えていかなければならないことが多数あることに気付きました。
総括
ざっと振り返ってみると、今年の前半は2012年を引きずっていて、その解消に奔走していました。2012年にピンク色の基板に手をだしてしまった結果、資金的に非常に苦しい事態に追い込まれました。その資金難を解消すべく受託開発を増やした結果、特電オリジナル製品の開発ができなくなりました。
2012年~2013年3月ごろまで、受託開発やRXマイコンばかりやって自社のオリジナル製品の開発を怠っていました。そのため、本来やるべきJTAGやFPGAの開発に大きな遅れを出してしまいました。ある人が言った「特電のハブられ感が半端ない」という言葉でふと我に返りました。このままRXマイコンをやってもその先には何もないとはっきりと悟ったのです。
本来やるべきJTAGとFPGAという特電の使命を思い出し、Artix-7ボードの開発やADCボードの開発をはじめました。
風水について
風水もいっぱいやりました。現状を打破するために、3月に非常に資金的に無理をして引っ越しをしました。一時的に無理をしてでも運がよさそうな物件に引っ越して大正解でした。その結果、運勢がよくなったのをはっきりと実感しました。
前のビルは2007年ごろから5年間入居していたのですが、その5年間、特電は本当に停滞していました。新しいビルに移ってから半年くらいして「今のままFPGA評価ボードを作っていてはいけない」ということに気が付きました。前のビルにいては決して気が付かなかったでしょう。
・古いビルにいたとき(~2013年3月)
- 経営状況・・・いつも苦しく借金まみれ
- ビルの質・・・暗く陽が当たらない。周囲には廃墟ビルが点々。不動産屋とは内容証明を送る仲。
- スタッフ・・・喚き叫ぶバイト君。
- 新製品・・・Raxino-i (\9,800)
- 展示会・・・ルネサスエンジニアセミナー(2012年9月)、ETに無理して出展
・新しいビルに移ってから(2013年3月~)
- 経営状況・・・不思議なことに改善した。未来のことが考えられるようになった。
- ビルの質・・・新しく明るく、川の眺望がすばらしい。オーナーさんはとても良い人。
- スタッフ・・・優秀な学生アルバイトさんが来てくれた!
- 新製品・・・Artix-7ボード(\80,000)、8ch 高速ADCボード(10万円台なかば)
- 展示会・・・XILINXのセミナー(2012年8月,9月)、ETに楽に出展
2012年と2013年では、このように全然違いました。纏めてみると唖然とします。古いビルにいた5年間、年々下がってきた感じがしていました。2013年は特別に我武者羅に努力をしたわけではありません。引っ越しただけでこんなに違います。これが風水の効果でなくて何だというのでしょう。
具体的に何をやっていたのか
何をやっていたのかを思い出してみます。
1月~3月
1月~3月は、受託開発のモータ制御基板を作りながら、RX-DIPのような小さいマイコン基板を開発したりRXduinoをCubesuiteに対応させたりして、まだRXマイコンを何かしようと頑張っていたように思われます。
3月に神田川のほとりのビルに引っ越しをしました。その時点から何か運勢が変わり始めた気がします。
4月~6月
4月から運が開けてきた気がします。RXマイコンにも見切りをつけることができました。理不尽に抱えさせられていた大量の型番違いのRXマイコンをR社に処分してもらい、ようやく過去との決別ができました。Twitterとヤフオクのおかげです。
ADCやZYNQの設計依頼が急に舞い込んで、新しい風が吹き始めました。5~6月にはArtix-7ボードを設計しました。EZ-USB FX3の仕事を受託したことでやる気が出て、高機能で使いやすいIPコアを開発することができました。EZ-USB FX3のソフトもサクサクと開発できるようになってきました。
PCI Express本の無事に出版できました。4月にはとても優秀なアルバイトの学生が入ってくれた入ってくれたのも嬉しいことです。月刊特電のVol3も出版できました。
7月~9月
AXIやEZ-USB FX3の勉強をしながら、Artix-7のHDMI出力サンプル回路などを開発したり、Artix-7にLinuxを移植するなどをしていました。そうしたら、幸運なことにXILINXのプライベートな展示会に出られることになりました。
月刊特電別冊の「Artix-7の基礎知識」も無事に出版できました。
Artix-7とSpartan-6用のI/O拡張ボードというのも開発したのですが、結局、発売しないまま年を越してしまいました。
10月~12月
すごく久しぶりにMITOUJTAGを更新しました。RXマイコンのほうも、長年の懸案だったイーサネットやTCP/IPもそれなりに動くようになりました。このあたりからA/D変換拡張ボードなるものを設計しはじめました。きっと来年には販売できるでしょう。
また、運良く、ET2013にはXILINXブースの中で出展することができました。
経営的にも落ち着いてきたし、このままやっていけばあと1~2年は食べてはいけるでしょう。だけど、何もしなければ先細りになるのは明白です。今のままの特電ではいけないと思い始め、大規模な構造改革を決意しました。
そして、人を増やして会社を大きくしていこうという決意と、人材育成のための方針ができました。
いろいろあったけど、ようやく過去のしがらみを断ち切ることができました。来年は今までとは違った方向に成長していきたいと思います。
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