あるお客様からRXduinoのアプリをEclipseで開発したいがエラーが出て止まってしまうというお問い合わせをいただきました。
そこで、実際に手順を試してみました。
① Cygwinの32bit版をダウンロードする
Cygwinには32bit版と64bit版がありますが、rx-elf-gccが32bit版のバイナリであって、各種ライブラリもすべて32bitで作っているので、Cygwinは32bit版が必要です。
http://www.cygwin.org/
② rxduino-src-v108をダウンロードする
現時点で一応最新のV108をダウンロードしてください。
http://rx.tokudenkairo.co.jp/download.html
そのほか、RX-ELF-GCCバージョン4.6.1 最終更新日 2011/7/20も必要です。EX-ELF-GCCは解凍して、/usr/local/tkdn-20110720に配置しておきます。
③ Eclipseをダウンロードして解凍する
EclipseのWebサイト(http://www.eclipse.org/downloads/)から
Eclipse IDE for C/C++ Developers, 143 MB
というのをダウンロードします。

↑のバナーのものです。
インストールしなくても解凍したフォルダ上でそのまま起動できるようです。
④ JAVA実行環境をダウンロードしてインストールする
JAVAをダウンロードしてインストールします。Windows オフライン (64ビット) またはWindows オフライン (32ビット) をお使いのマシンに合わせてインストールします。
http://java.com/ja/download/manual.jsp
⑤ Eclipseを起動する
Eclipseを最初に起動したとき、workspaceをどこにするかと聞かれます。workspaceとは一時ファイル等が格納されるディレクトリで、どこにあっても良いです。
とりあえず、C:\cygwin\home\user\workspaceに配置しておきます。
起動するとWelcomeという画面が出るので、タブの×印をクリックして閉じます。
すると、その下に空のプロジェクトがいます。最初にWelcomeを容赦なく閉じるという手順はなかなかわかりにくいものがあると思います。
⑥ プロジェクトをインポートする
Fileメニューの中にあるImportを実行します。
そして、C/C++の項目を開いて、Existing Code as Makefile projectを選択します。
そして、Project Nameには適当な名前(testapp)を付け、Existing Code Locationにはrxduino-src-v108を解凍した場所、Toolchain for Indexer SettingsにはCross GCCを選択します。

これでFinishを押せばプロジェクトが読み込まれて、使用可能になります。
Eclipseのプロジェクトツリーにはrxduino-src-v108配下の全ファイルが登録されてしまうので、ちょっと見にくいですが・・
⑦ パスを通す
この段階でEclipseのビルドボタンを押してもまずうまく通りません。パスが通っていないからです。
たとえば、私はBorland好きの人間なので、CygwinのMakeよりも先にBorlandのMAKEが走ってしまい、何もビルドされません。
パスを通してやる必要があります。
Eclipseでプロジェクトのプロパティを開いたら、C/C++ BuildのEnvironmentのPATHのValueを開きます。
こんなダイアログが出ます。
D:\Users\user\Desktop\eclipse-cpp-kepler-SR2-win32-x86_64\eclipse;C:\PROGRA~2\Borland\CBUILD~1\Bin;C:\PROGRA~2\Borland\CBUILD~1\Projects\Bpl;C:\Windows\system32;C:\Windows;C:\Windows\System32\Wbem;C:\Windows\System32\WindowsPowerShell\v1.0\;C:\cygwin\bin;C:\Program Files (x86)\Cypress\EZ-USB FX3 SDK\1.3\bin\;C:\Program Files (x86)\Cypress\EZ-USB FX3 SDK\1.3\jre7\bin\;・・・・・\
と延々と続くのですが、先頭にC:\Cygwin\bin;を付けてやります。これでCygwinのツールが先に起動するようになります。
C:\Cygwin\bin;D:\Users\user\Desktop\eclipse-cpp-kepler-SR2-win32-x86_64\eclipse;C:\PROGRA~2\Borland\CBUILD~1\Bin;C:\PROGRA~2\Borland\CBUILD~1\Projects\Bpl;C:\Windows\system32;C:\Windows;C:\Windows\System32\Wbem;C:\Windows\System32\WindowsPowerShell\v1.0\;C:\cygwin\bin;C:\Program Files (x86)\Cypress\EZ-USB FX3 SDK\1.3\bin\;C:\Program Files (x86)\Cypress\EZ-USB FX3 SDK\1.3\jre7\bin\;・・・・・\
⑧ Makefileの書き換え
次に、EclipseのプロジェクトからMakefileを開きます。文字化けしているのはUTF-8とかそういう問題です。次回のrxduino-src-109からUTF-8にしますので、今はご容赦ください。
このMakefileファイル中のCCPATHのコメントを外します。
#CCPATH = /cygdrive/c/cygwin/usr/local/tkdn-20110720/rx-elf/bin/
を
CCPATH = /cygdrive/c/cygwin/usr/local/tkdn-20110720/rx-elf/bin/
にします。
⑨ ビルドしてみる
これでビルドしてみると、
が、

になって、userapp.elfとuserapp.motが出来上がっていることがわかります。
Eclipseのコンソールには
と表示されていて、rx-elf-gcc,rx-elf-ld,rx-elf-objcopyが使われたことがわかります。
⑩ 書き込みと実行
あとは、できあがったMOTファイルを書き込めば・・
無事に起動します。
ということで、デフォルトのプロジェクトをEclipseでビルドする方法を書いてみました。
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