新しい光電子増倍管ケースの作成
先月、特電に入ってくれた新しいアルバイト君が、新しい光電子増倍管ケースを作ってくれました。
彼に宇宙線やミューオンのことを説明したら、1を聞いて10を知るという感じで、ものすごい勢いで理解してくれました。コンクリの厚さがわかるわけですねとか、光速に近いから寿命が延びているのですねとか、説明しなくてもわかってくれる素晴らしく明晰な頭脳の持ち主でした。
工作も上手で、上の写真にあるハンドドリル一丁で、アルミのパイプの淵に縦穴を掘ったり、コネクタ用の穴をあけたり、さくっと作ってくれました。
光電子増倍管とシンチレータをアルミホイルで包んで、
配線をはんだ付けして、緩衝剤を巻いたりして、
これを直径80mmのアルミパイプの中に入れます。
アルミのパイプの中は、遮光性を高めるためと緩衝剤として、天然ゴムのかたまりを詰めています。
こうして、2台のプラスチック・シンチレーション・検出器ができあがりました。
いままで特電で使っていた光電子増倍管ケースはET2014のときに作ったもので、なんと、ダンボール製でした。今回金属ケースになって、大幅に遮光がよくなったためか、パルスのカウントレートがあがった気がします。(遮光が十分でないと小さなパルスが隠れてしまう)
ハイボルをつなぐと、バシバシとパルスが出てきます。下の写真はまだCosmo-Zをつないでいないので、光電子増倍管の出力を終端せずにみています。数百ミリVのパルスが、数十ms秒続いています。
Cosmo-Zをつなぐと50Ωでされるので、パルスの幅は10nsくらい、高さは数十mVになります。電圧も幅も小さくなりますが、時間分解能があがります。
光電子増倍管を2段、縦に積み重ねると、2つの光電子増倍管を貫く方向から来た「何か」を検知できます。
オシロのトリガで見ていると、同時にイベントが起きるときは、たいてい大きなパルスです。ミューオンなのかもしれません。
新人君のおかげで、とてもカッコいいセンサが、あっという間にできあがりました。
今週末はCosmo-Zにつないで計測できるように、FPGAの改良を行っていきたいと思います。
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