新幹線の車内で放射線を測ってみた(後編)
それでは、本当にトンネルと関係があるかを検証してみます。
まず、東京から小田原までの区間のカウントの変化とGoogleマップの地図を合わせてみてみましょう。
このあたりは平地なので、トンネルもなく、ミューオンのカウント数は1分間に60カウント前後でほぼ一定しています。大磯と二宮で短いトンネルに入りますが、その影響か、小田原の手前で二回ほど(30分あたり)カウント数が若干下がっています。これは誤差の範囲ともいえなくないです。
次に、小田原~新富士の間ですが、ここは東海道新幹線の中でも最も難所。箱根の山を迂回して湯河原・熱海を回って三島へ抜けるルートです。基本的にずっとトンネルです。
小田原から熱海は海に近いけど、熱海-三島間は箱根の山裾なのでトンネルは深いと予想されます。
結果は・・・
小田原を越えるとミューオンが激減します。真鶴・湯河原付近で少し地上に出るのでミューオンを再び検出し、またトンネルに入って激減し、熱海で地上に出るので少し検出します。
そして、熱海~三島間では2分間にわたってカウント数が0~1という、Cosmo-Z至上最低のカウント数となりました。それだけ地面の深いところを走っていたのでしょう。
三島を抜けると新富士まで地上を走るのでカウント数は回復します。
新富士から掛川までの間も興味深い結果となりました。
新富士~静岡間は、前半がトンネル、後半が平地です。グラフで見ると2~3分間ずつカウントが低い状態と高い状態が見えます。次に、静岡を越えて1分くらい走ると長さ1分程度のトンネルに入ります。これもはっきりと見えています。
2分くらい平地を走った後、また2分程度トンネルに入ります。ですが、この掛川の手前のトンネルの深さは浅いと思われます。
今気がついたのですが、Googleマップの5kmと出ている長さを走るのにちょうど1分くらいかかっていますね。時速300kmで走っているのでしょう。なんだか納得。
掛川を出るとしばらくは平地です。トンネルはありません。ミューオンのカウント数も一定しています。
豊橋を過ぎてから名古屋までは平地なのですが、蒲郡(がまごおり)市付近で短い時間ではあるけれどもカウント数の減少が見られます。
5km以内で2回トンネルがあるので1分以内で通過してしまうのでしょう。でも、ミューオンカウント数の減少をとらえていました。
Googleマップでみてみると、山の大きさとかなんとなくわかります。
このトンネルを抜けたら名古屋まで平地なので、カウント数は平たんです。
Cosmo-Zを使って東京から名古屋までの宇宙線のカウント数を測ってみたところ、カウント数とトンネルは相関があって、
- トンネルに入ったかどうかという事実
- トンネルの長さあるい深さ
まで見えそうだということがわかってきました。今回は新幹線で移動しながら測ったので、トンネルの中にいるのは一瞬ですが、止まって測ればもっといろんなことがわかるでしょう。
当面の目標は山の材質(岩なのか粘土なのか、水脈があるのか等)を非破壊で測る計測装置を創ることです。そして、ゴールはリニア新幹線の建設の地質調査に役立ててもらうことです。
Cosmo-Zとプラスチックシンチレータを使えば、持ち運びができる放射線計測装置が作れることはわかりました。こんどは、もっと深くて長いトンネル・・・たとえば上越新幹線とか青函トンネルとかでも試してみたいですね。
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コメント
新幹線のスピードが気になりスマホにGPSを利用したスピードメータアプリを入れてみました。
基本はこだま、ひかりなのでスピードはそれほど速くないと思いますが、今までの感じとして、こだまは250km/h、ひかりは280km/hが最大な感じです。今回はのぞみでしょうか?
投稿: cuda | 2015.09.22 12:46
もちろん、のぞみです
投稿: なひたふ | 2015.09.22 15:15