1年くらい前に、メーカー製のWindows8.1プリインストールパソコンを購入したのですが、リモートデスクトップが使いたくて8.1 Proにアップグレードしようととしました。ですが、どうしてもアップグレードできずに悩んでいました。
対象としたパソコンはASUSのCP3130なのですが、おそらくどのメーカーのパソコンでも状況は同じだと思います。
まずはシステムのプロパティから、「Windowsの新しいエディションで機能を増やす」をやってみたのですが、
オンラインでプロダクトキーを購入するか、プロダクトキーは入手済みかを選ぶ画面になります。
以前、自作PCでやったときには、「オンラインでプロダクトキーを購入します」でPro版へのアップグレードができたのですが、今ではなぜか「お住いの地域ではオンラインで購入することはできません。ほとんどの場所では、実店舗でプロダクトキーを購入できます。」
と出て、アップグレードさせてくれません。(Windows 8.1Proじゃなくて10にしろという陰謀か!?)
そこで「プロダクトキーは入手済みです」を選び、
このPC用にヨドバシで購入したWindows8.1のDVDのシリアルキーを入れても、うまくインストールできません。
Windows 8.1のDVDを入れてsetup.exeを起動してアップグレードしても、Pro版にはなりません。というかプロダクトキーの入力画面にさえなりません。
HDDをまっさらに消してクリーンインストールしても、インストールが完了すると、やはりWindows 8.1のままです。
Windows 8.1→10にアップグレードしても、Pro版にはなりません。
マイクロソフトに電話して聞いてみると、「お客様が購入した8.1ProはDSP版だからサポートはできません。販売店(ヨドバシ)に聞いてください。マイクロソフトは有償でサポートになります。だいたい1万数千円になります」とのことでした。
つまり、DSP版が安いのは、マイクロソフトに聞く権利がないわけなのですね。
そこで、自分で調べていたのですが、いろいろわかってきました。
Windows XPや7の頃には、メーカー製パソコンの筐体にシリアル番号シールが貼ってあったが、Windows8以降ではシールがない。その理由は、マザーボード上のファームウェアにシリアル番号が記録されているから。(ユーザはどうしようもない)
WindowsのインストールDVDを入れて、インストールしようとすると、以下の順番でプロダクト番号が参照される。
① アンサーファイル
② マザーボード上のファームウェアに書かれたプロダクトキー
③ インストール中にユーザが入力 XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX
それゆえ、メーカー製のWindows8プリインストールPCでは、クリーンインストールしようとしても、プロダクトキーを入れる画面にならず、「Windows 8.1(無印)」用に作られたものは、Proにはならない
ようです。
この現象を回避するには、「アンサーファイル」を作ります。
やり方はマイクロソフトのドキュメントに書かれています。
https://support.microsoft.com/en-us/kb/2796988
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/hh824952.aspx
やり方は、意外と簡単です。
① Windows 8.1 ProのDVDの中身を、USBメモリに全部コピーする。USBメモリにコピーするのは、インストールメディアの中に2個のファイルを追加しなければならないから。
② インストール用のUSBメモリのルートに、\sourcesというフォルダがあるので、その中にEI.cfgとPID.txtという2つのテキストファイルを作って入れる
(1) EI.cfg
[EditionID]
Professional
[Channel]
Retail
[VL]
0
(2)
[PID]
Value=XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX
※この25桁のXXXXXには購入したプロダクトキーを書きます
③ USBを挿して、USBからパソコンを起動すると、Windowsのインストーラが起動して、自動的にインストールしてくれます。プロダクトキーの入力を求められることはありません。
④ こうすることで、マザーボードに書かれているプロダクトキーよりも自分で購入した情報が優先されるので、Windows 8.1 Proがインストールできるというわけです。
この情報が、同じ症状で悩む方の役に立てば幸いです。
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