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2016.12.23

高精度AD変換向けOPアンプとひずみ率

昨日から引き続き、18bit AD変換器用のOPアンプ回路の検討をしています。

回路の構成は、こんな感じです。

Analog3

LTC6362、THS4521、THS4130の3種類のOPアンプのうち、どれが一番良いかということです。

AD7960をフルスケールに振り切るには、0.000V~4.096Vまでの振幅の信号を与えなければなりません。LTC6362はレールツーレールと言われていますが、0.013V~4.93Vまでの振幅しか出せません。THS4521も0.1V~4.7Vくらいです。THS4130はレールツーレールではなく、1.3V~3.7Vくらいしか出せません。

つまり、0~4.096Vをフルに出せるものはありません。

ひずみ率は50kHzのとき、LT6362が-80dB程度、THS4521とTHS4310が-110dB程度です。これだけで考えるとTHS4521がベストです。

実際に50kHzの正弦波を入れて測ってみました。

sun

まずLTC6362のスペクトラム。入力信号の強度などは適当な値にしています。

Ltc6362_spec

二次、三次の高調波を見ると-80dBくらいの性能がありそうです。

sun

次はTHS4521のスペクトラム。

Ths4521_spec_2

かなり綺麗です。-90dBはいけるでしょう。

sun

最後はTHS4130のスペクトラム。

Ths4130_spec

二次高調波が目立ちますが、-90dBは出ています。

sun

結論を言うと、THS4521が一番よさそうです。そこで、入力段にあるAD8253のゲインをいろいろ変えてみました。

まずはゲイン10倍。当然入力信号も小さくして、ADCの手前で同じ大きさになるようにしています。

Ths4521_spec_gain10

ゲイン1のときにノイズフロアが-130dBにあったのが、10dBほど持ち上がりました。しかし、新たなひずみが生じているということはありません。

次はゲイン100。

Ths4521_spec_gain100

低周波成分のノイズがうるさいようですが、それでも歪は-85dBはキープできています。

この結果は他のOPアンプでも同じなので、AD8253の部分の性能を見ているのでしょう。

sun

結論はこうです。

① +5Vで動かすには、どれを使ってもフルスケールは出ない。THS4521かLTC6362が最も広い出力電圧範囲が取れる。

② ノイズやひずみ率的にはTHS4521かTHS4130が良い。

③ AD8253はゲイン1,ゲイン10で極めて優秀。このOPアンプので性能劣化は考えなくてもいい。

この結果から、THS4521を採用することにしました。

最も綺麗なスペクトルが取れる条件を探し、ひずみ率-100dBを達成できました。

Spec5khz

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