RedPitayaと、Cosmo-Z MiniのDACが出す正弦波のスペクトラムを比べてみました。
まず、Cosmo-Z MiniのDACから10MHz,20MHz,30MHz,40MHz,50MHzの正弦波を出力し、それをオシロで観察しました。



周波数が高くなると正弦波が歪んでくるのがわかります。20MHzから歪が目で見えるようになります。
FFTでスペクトラムを取ってみると、基本波のほかに大きな高調波が見えています。スペクトラムの中心は100MHzで横の1divは20MHzです。

次に、RedPitayaで10,20,30,40,50MHzを発生させたときの生波形とスペクトラムを示します。


RedPitayaの方が波形もスペクトラムも断然綺麗です。
このように波形が綺麗になっている原因が何か気になります。
幸か不幸か、RedPitayaのLCフィルタを解析しようとしてチップコイルを壊してしまったので、ここをバイパスしてLCフィルタなしのRedPitayaを作り、試してみることにしました。

同じように測ってみたところ、


Cosmo-Z Miniと同じく、波形がうねったり高調波がバリバリ見えていたりします。
サンプリング周波数の3分の1くらいになると「うねり」が生じてくるのはRedPitayaも一緒のようですね。DDSというのはそういうものなのでしょう。
次に、Cosmo-Z MiniのDACとRedPitayaで30MHzの正弦波を出し、そのスペクトラムの中心を拡大してみることにします。
それでは、Cosmo-Z Miniから見ていきましょう。
まず、30MHzを中心に25MHz~35MHzのスペクトラムを見ていきます。

29MHz~31MHzの幅2MHzを拡大しましたが、余計なサイドバンドなどはなさそうです。

中心の30MHzの部分を拡大してみましたが、スペクトラムの幅は10kHz程度でしょうか。

次にRedPitayaです。
中心の30MHzの±596kHzのところにサイドバンドが見えます。

スペクトラムの幅はCosmo-Z Miniと同程度でした。

Cosmo-Z MiniもRedPitayaも、おそらくDDS(Direct Digital Synthesizer)で正弦波を発生させていると思いますが、RedPitayaのほうが波形が綺麗だったのは、切れ味の良いLCフィルタが入っているためでしょう。
様々な周波数を発生させたときに高調波の出方については、RedPitayaでは10MHz,20MHz,30MHzを発生させたときの2倍高調波は-40dBでしたが、Cosmo-Z Miniでは-60dBでした。
また、RedPitayaではサイドバンドがはっきりと確認できましたが、Cosmo-Z Miniではサイドバンドは見えませんでした。
|
Cosmo-Z Mini |
RedPitaya |
高調波 |
-60dB |
-40dB |
サイドバンド |
観測できず |
±600kHZ程度のところにあり |
アンチエイリアシングフィルタ |
なし |
あり(60MHz) |
生波形 |
汚い |
綺麗 |
Cosmo-ZのDACにフィルタを入れればRedPitayaを凌ぐ性能が出せるかもしれません。ですが、現在はフィルタが入っていないので汚い波形しか出ないと言えるでしょう。
フィルタの設計のための本は買ったので、あとは勉強するだけです!

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