Windows 10の環境で、MITOUJTAGがXILINXのPlatform Cable USBを認識しないという報告をいただきましたので、検証してみました。

MITOUJTAGでXILINXのPlatform Cable USBを使うには、ISE 14.7か、ISEに含まれれるLabToolsが必要です。
まずはISE 14.7 LabToolsをダウンロードしてインストールします。
ISEのダウンロード先はこちらのURLにあります。
下の画面のようなページが出ますが、必要なのはLabToolsだけなので14.7(Windows10ではないほう)を選んでも同じです。

ページの中ほどにLab Toolsがあるので、これをダウンロードし、インストールします。

LabTools自体のインストールは問題なく進むと思います。
なお、Windows 7以降でISE14.7を使う際にはlibPortability.dllの差し替えをしないといけないのですが、今回の用途では特にしなくても大丈夫です。
インストールが終わって、Platform Cable USBをパソコンに挿すと、下の図のように「Xilinx Platform Cable USB Firmware Loader」というデバイスとして認識されるはずです。

Firmware Loaderとは何かというと説明が大変なのですが、Platform Cable USBの中に入っているUSBインタフェースのチップはCypressのEZ-USB FX2というデバイスでReNumerationという機能によってUSBを経由してファームウェアをダウンロードして再起動することができるものです。Firmware Loaderは本番のファームウェアがダウンロードされる前のローダーが動いている状態です。
したがって、Firmware LoaderとなっているときにはPlatform Cable USBとしては動作しません。ただひたすらファームウェアを待ち受けるだけになっています。
問題なのは、Windows10環境下では普通にインストールしてもここまでしかたどり着けないようでした。
ここからどうすればよいのかというと、まず、LabToolsをインストールしたディレクトリのbin\nt64を開きます。私はXILINXのツールはHDDに余裕のあるDドライブにインストールすることにしているので、
D:\Xilinx\14.7\LabTools\LabTools\bin\nt64
になります。そして、install_drivers.exeを管理者権限で実行します。

必ず管理者権限が必要です。
すると、ケーブルドライバインストーラというダイアログが出て、「Platform Cable USBをいったん切断しろ」と言ってきます。

しかし、ここで切断してはいけません。Firmware Loaderの状態でOKボタンを押さないとFirmware Loader用のデバイスドライバがインストールされないようです。
JungoドライバとXilinx Programming Cablesドライバがインストールされるので、両方とも「インストール」を押します。

このとき、Jungoドライバも必要です。
インストールが始まるとDOSプロンプトが出て一瞬で消えますが、下の図のようなことをしていました。

インストールが完了し、下の図のように、JungoとXilinx USB Cableというドライバが認識されるようになれば成功です。

このとき、iMPACTを起動してみてPlatform Cable USBがiMPACTで認識されるかどうかは確認してみてください。

iMPACTで認識されないようであれば、MITOUJTAGからも認識されません。
MITOUJTAGを起動したら、オプション→XILINX Cable Serverの設定を開きます。

XILINX Cable Server設定というダイアログが出るので、以下のように設定します。

- ケーブル自動認識でこのケーブルを検出する→オンにする
- CSEサーバの実行ファイルの検索パス
- EXEファイルを自動的に検索→オフにする
- パス→D:\Xilinx\14.7\LabTools\LabTools\bin\nt64\cse_server.exe
- CSEサーバのバージョン 14.5
- ケーブルタイプ→xilinx_platformusb
とします。
CSEサーバのバージョンを14.7にすると接続できません。ISE14.7のLabtoolsなのに14.5にするのは、Labtoolsが14.5以降実質変わっていないからです。
これでMITOUJTAGでケーブル自動認識を行うと、Windowsセキュリティの重要な警告というのが出ます。XILINXのcse_server.exeを起動するためなのですが、このプログラムはTCP/IPでの待ち受けをするためです。「アクセスを許可する」を押してください。

これでPlatform Cable USBがMITOUJTAGから無事に認識されるようになり、バウンダリスキャンで最新のFPGAの端子を見ることができるようになるはずです。

どうしてもうまくいかない場合は以下の点を再点検してみてください。
- ターゲットボードの電源がONになっていて、Platform Cable USBにVREFが来ているか?(VREFがないとPlatform Cable USBは接続できません)
- iMPACTから認識できるか?
- デバイスドライバがFirmware Loaderになっていないか?
- ISE 14.7のLabToolsは入れたか?
- Vivadoに付属のドライバが入っているとiMPACTでは使えなくなる。ISE 14.7 LabToolsのinstall_driver.exeを実行するように。ISE 14.7 LabToolsはVivadoでも使える。
これで、XILINXのケーブルを使いながら、バウンダリスキャンによってデバッグが一層はかどることと思います。
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