遅いDAコンバータから鋭いパルスを出す方法
DAコンバータにはセトリングタイムやスルーレートというのがあって、狙った電圧がピタっと出せるわけではありません。
スルーレートによって立ち上がりは坂道になるし、狙った電圧に振動しながら落ち着くのでセトリングタイムというのがあります。
一般に1MHz帯域クラスのDAコンバータでは急峻な立ち上がり波形を作ることができませんが、任意の電圧の矩形波を出すために高速DACを使うのもコストや電力の面で得策ではありません。
そこで、DACの出力をちょっと細工してみました。
このように低速なDACでありながら立ち上がり時間が5nsを切っています。
50オームの終端を外して、時間軸を拡大してみるとリンギングはしていますが狙った電圧が出ています。
どういう回路かというと、こんな回路になっています。
一般的には、低速のDACの出力は下の図のようにマイクロ秒オーダーの時間がかかるので台形になります。
そこで、DACから出力された電圧をコンデンサに溜めておいて、アナログスイッチを使って出力につなぐようにすると、瞬時に立ち上がる電圧が得られるというわけです。オシロで測った限りでは5nsくらいの立ち上がり時間でしたが、実際にはもっと鋭いかもしれませんね。
設計通りに動いたので、ちょっと嬉しかったですね。
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