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2021.07.26

TE0808の使い方(2) モード設定ピンの使い方

TE0808のJ2の端子を眺めてみると、I/OピンやMGTピン、電源ピンのほかにPG_xxxやEN_xxxといった設定ピンがたくさんあることに気が付きます。

今回はこれらの設定ピンの使い方を紹介します。

Te0808_modes

 

EN_xxxとPG_xxx

ZYNQ UltraScale+の電源はLowPowerドメインやFullPowerドメインなど、いくつものドメインに分かれています。これらのドメインごとに電源をON/OFFするためのピンがEnableを示すEN_xxxと、PowerGoodを示すPG_xxxです。

EN_xxxには以下のものがあります。

  • EN_LPD・・・TPS82085SILのEN。HでLPDが電源供給される。
  • EN_FPD・・・NC7S08P5XでPG_LPDとAND。HでFPDが電源供給される。
  • EN_PL・・・LTM4638EYのRUN。HでPLに電源供給される。
  • EN_DDR・・・NC7S08P5XでPG_FPDとAND。HでDDR4に電源供給される。
  • EN_PSGT・・NC7S08P5XでPG_FPDとAND。HでPSのMGTに電源供給される。
  • EN_GT_R・・NC7S08P5XでPG_PLとAND。HでR側GTHに電源供給される。
  • EN_GT_L・・NC7S08P5XでPG_PLとAND。HでL側GTHに電源供給される。
  • EN_PLL_PWR・・TPS82085SILのEN。HでSI社PLLがEnableになる

となっています。

EN端子は、それぞれの電源ICのENABLE端子につながっていたり、PG信号とANDをとるためのワンチップゲートにつながっていたりするのですが、すべて3.3Vのロジックで動作するようになっています。Trenz製ベースボードのTEBT0808の回路図を見ると3.3Vから5.1kΩでプルアップしてDIPスイッチで切り替えられるようになっているので、GNDか、3.3Vへプルアップするかという選択ができればよいと思われます。

MGTにはRとLがあります。MGT_RはBank228、Bank229、Bank230で、J1に出ているGTHが該当します。

MGT_LはJ2に出てきているBank128のGTHが該当します。

PSGTというのは、DisplayPortなどで使われるPSのGTです。

なお、TE0808にはSilab社(現Skyworks社)のSi5345Aというクロックドライバが搭載されています。EN_PLL_PWRはSi5345Aの電源を個別にON/OFFするためのものです。Si5345Aは最大で1200mWの電力を消費し、また極めて敏感なPLL発振器なので個別の電源を用意しているのだと思われます。

PowerGood系の信号には

  • LP_GOOD
  • PG_FPD
  • PG_PL
  • PG_DDR
  • PG_PSGT
  • PG_GT_R
  • PG_GT_L
  • PG_PLL_1V8

があります。これらの信号はLP_DCDCやDCDCIN(通常は3.3V)などの電源入力に対して数kΩでプルアップされています。

まとめると、EN_xxxは3.3Vにプルアップすると各電源が有効になり、PG_xxxがHにプルアップされるというわけです。使わないクロックドメインは個別にシャットダウンできます。

PLL系信号

前述のようにTE0808にはクロックドライバSi5345Aが載っているのですが、このSi5345Aのコントロール信号がPLL_xxxの信号です。

  • PLL_FINC・・・周波数増加
  • PLL_LOLN・・・ロック消失(アクティブL)
  • PLL_SEL0 / PLL_SEL1・・・マニュアル入力スイッチング
  • PLL_FDEC・・・周波数減少
  • PLL_RST・・・デバイスリセット(アクティブL)
  • PLL_SCL / PLL_SDA・・・I2Cインタフェース

いろいろな信号がありますが、最低限必要なのはPLL_SCLとPLL_SDAです。I2CのインタフェースでSi5345Aの内蔵レジスタや内蔵ROMに書き込みを行うために必要です。出荷時にはSi5345Aは書き込みが行われていないので、SkyWorks社のツールをつないで外部から書き込みができるよう、ベースボードにはPLL_SDAとPLL_SCLをコネクタ等に出しておくか、FSBL中で操作できるようにしておく必要があります。

PLL_SDAとPLL_SCLの信号は1.8Vロジックです。ベースボードを設計する際に、ベースボード上にプルアップ抵抗を付けてください。I2Cのアドレスは1101001bです。

 

なお、TE0808にはEEPROMが乗っていて、PLL_SDA、PLL_SCLを通じてアクセスができるようになっています。しかし、これはSi5345Aのメモリではなく、MACアドレス等を記憶しておくための汎用的なEEPROMとして使われることを想定しているようです。

Pll_sda_i2c

JTAG系信号

TCK、TDI、TMS、TDOはJTAG信号でPSの1.8V系のロジックとなっています。

MR信号

MRという信号は電圧監視IC「TPS3106」のMR端子につながっています。MRはManual Resetの意味であるようです。LPDの電源電圧である0.85Vが0.74Vを下回るとリセット信号POR_Bを出します。また、MR端子からもマニュアルでリセットできます。

つまり、MRをLにすると、POR_BがLになってリセットがかかります。MRはTE0808でどこにも接続されずにコネクタに出ているので、リセットを使用しない場合はオープンにすればよいでしょう。

なお、MRはTPS3106内部でLP_DCDC(3.3V)レールに対してプルアップされています。HになるのはVDD×0.7Vなので、1.8Vを加えてもHの電圧になりません。リセットをかけない場合はオープンにして、リセットをかける場合にGNDに落とすようにします。

Mr

ZYNQのコンフィグ関連端子

以下の端子はZYNQのコンフィグ関係の端子がそのまま出ています。

  • PROG_B
  • DONE
  • INIT_B
  • SRST_B
  • PUDC_B

TE0808ボード上で4.7kΩでプルアップがされている(PUDCは1kΩ)ので、ユーザボード上ではオープンにしておいて構いません。

ZYNQのモード設定端子

MODE0..MODE3は、ZYNQの起動モードを決定します。MODEの値と起動モードの対応は以下のようになります。

  • 0x0・・・JTAG
  • 0x2・・・QSPI32 MIO[12:0]
  • 0x3・・・SD0 MIO[25:13]
  • 0x5・・・SD1 MIO[51:38]
  • 0x6・・・eMMC_18 MIO[22:13]
  • 0x7・・・USB0 MIO[52:63]
  • 0x8・・・PJTAG_0 MIO[29:26]
  • 0xE・・・SD1-LS MIO[51:39]

ZYNQ7000シリーズと異なり、SD0だけではなくSD1が使えるようになっていたり、USBやPJTAGからも起動できるようになっていて進化を感じさせます。

TE0808上ではプルアップもプルダウンもされずにコネクタに出ています。様々なモードを試すことがあると思うので、プルアップ/ダウン抵抗やDIPスイッチで設定しておくとよいでしょう。なお、ロジックレベルは1.8Vで、プルアップ先はPS用の1.8Vです。

ZYNQのエラー端子

ZYNQ UltraScale+のPSにはERR_STATUSとERR_OUTというエラー端子があります。

ERR_OUTはZYNQ内部のPMUが電源断やエラーや例外を検出するとアサートされます。ERR_STATUSはセキュアロックダウンステートであることを示します。いずれも1.8VのPS_1.8V系ロジックで、アサートされるとHになります。

TE0808のコントール端子の使い方まとめ

  • EN_xxxを3.3Vにプルアップすると各電源ドメインがONになる。配線必須。
  • PG_xxxは各電源ドメインの状態を表す。使わなければオープンで構わない。
  • DONE、PROG、INIT、SRST、PUDCはオープンで構わない。
  • MRは、マニュアルリセットしたい場合にLにする。それ以外はオープン。
  • MODE[0..3]はプルアップ/ダウン抵抗を使って所定の値を設定すること。
  • PLL_SDAとPLL_SCLは外部からコントロールできるようにすること。配線必須。プルアップ必須。
  • それ以外のPLL_xxxはオープンで構わない。
  • JTAG信号はコネクタに出す

 

TE0808の端子を調べているつもりが、いつのまにか、Zynq UltraScale+の端子の使い方を調べることになっていました。

 

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