ACRiルームに登録してみた
今度、ACRiのウェビナーでライトニングトークをすることになりました。
ACRiルームには100台を超えるArtyと、Alveoがあるらしい。
特電はACRiの創設企業なのに、いままでACRiルームを使ったことがなかったので、この機会にACRiの環境をひととおり使えるようにしてみました。
やり方をメモしておきます。
まず、登録申請のページから登録申請します。
しばらくするとパスワードがメールで送られてきますが、パスワードは2種類あります。一つはLinuxのシステムにログインしてFPGAの開発などを行うためのもの。もう一つはサーバの予約をするためのもの。
ちょっとややこしいのですが、VivadoやVitisが動いているのはLinuxのマシンなのでLinuxのアカウントが必要。サーバの予約はWebのシステムで出来ているようで、うまく統合されていないようなのでパスワードは2つあるようです。予約システムのほうはWebブラウザに登録されるので滅多に手入力することはないでしょう。
よく使うパスワードはLinuxのほうです。
パスワードが発行されたらサーバ予約のページから使いたいサーバと時間の欄をクリックします。
ag001が高級サーバ、as001~as004はAlveo用のサーバ、vs001~vs615がArty用のサーバとのことです。
この中で好きなサーバ(申請の登録時にお勧めのサーバが示される)を使います。各サーバにArtyやAlveoがぶらさがっていて、1台のサーバに最大15台のArtyがぶらさがっているというのですから、すごいですね。
こんな感じの画面が出たら予約を押します。私の推奨はvs601でした。ボタンを押したら5秒ほどでそのサーバが使えるようになります。
これらのサーバは仮想的なサーバで、予約ボタンを押すと起動するしくみになっているようです。
「使う」というのは、ゲートウェイとなるサーバ(gw.acri.c.titech.ac.jp)に対してSSHで接続し、リモートデスクトップ接続をポートフォワーディングして仮想サーバに接続して使うという意味です。
ACRiルームの使い方を図にすると、こうなります。
つまり、gw.acri.c.titech.ac.jpはSSHの中継用のサーバで、TeraTermのポートフォーワーディングの設定をします。
Windowsのリモートデスクトップ経由で仮想サーバのデスクトップに接続できるようになりますが、ここでパスワードを聞かれる(ユーザ名は聞かれない)ので、Linux用パスワードを入力します。
そうしたらデスクトップが出るので、
左上のほうにあるActivityをクリックしてスタートメニューが出たらtermを開いて、
source /tools/Xilinx/Vivado/2020.1/settings64.sh
としてVivadoの設定スクリプトを起動します。
それから、
vivado &
でGUI版のVivadoを起動します。
ACRiのファイルはどのサーバにログインしても同じファイルシステムが見えるようになっているので、as001~vs615のどれにログインしても自分専用の同じファイルシステムが見える(/home以下はどのサーバにログインしても同じ!)ようです。
気になる速度ですが、Vivadoが起動してから後はめっちゃ速いですね。
Hardware Managerが一瞬で起動します。さすがCore i9。
各仮想マシンには専用のArtyが1台ずつぶらさがっていて、VivadoのHardware Managerを開くとDigilentケーブル越しにハードウェアが見えます。Vivadoのこの画面から書き込みなどができるわけです。
私としては書き込みの部分が一番知りたかったところです。
まとめると、
- ゲートウェイを踏み台にして仮想サーバにリモートデスクトップ接続し、Vivadoを使う
- homeディレクトリは全サーバで共通。もちろん自分専用
- 作ったBitStreamは専用のArtyにリモートVivadoから書き込み可能
ということでした。
もともとのサーバが超速いのですが、リモートデスクトップ経由で操作するとネットワークの関係で重くなってしまいます。
そこで、
- TeraTermで仮想サーバにログインしてLinuxのコマンド操作やVivadoの操作を行えるようにする
- ローカルのVivadoから仮想サーバのJTAGへリモート接続して書き込みができるようにする
といったことができるとサクサク動いてさらに便利なのではないかと思い、実際にできるようにしました。
そのような方法もライトニングトークでお話していきたいと思います。
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