USB Type-Cの徹底解説^H^H解析(2)
市販のUSB3.0対応のA-Cケーブルを切って確認した結線図を示します。なお、GNDとD+/D-は省略しています。プルアップ抵抗はUSB Type-Cの黒い部分に入っているようです。
2ペアある高速差動信号は、TX1/RX1側を使うか、TX2/RX2側を使うかはケーブルによってさまざまで両方のタイプがあります。TX1/RX1を使うほうはCC1とVBUSの間にプルアップ抵抗が入っています。
いずれもUSB 3.0のType A-Cケーブルは、TX1/RX1かTX2/RX2のどちらか一方の配線しか使っていません。使っている側のCCをプルアップ、使っていない側のCCは無接続でした。
なので、デバイス側(自作機器)で片側しかつながない場合、ケーブルの裏表が一致すればうまく通信できますが、
裏返ってしまうと高速差動通信ができなくなってしまいます。
USB2.0のD+/D-は接続されているのでUSB2.0では通信可能です。
裏返った場合、CCのプルダウンが無接続になるので、ホストがしっかりしていれば電力を供給してくれないかもしれません。私が試した環境ではType-A Cで変換していて所詮はType-Aなので電力は供給してくれますが、Type-C Type-Cでつなぐとダメかもしれませんね。
結論を言うと、
- USB3.0に対応したデバイス(機器)を作る場合は、片側だけ結線しておくのはダメ
- ちゃんとマルチプレクサ(スイッチャ)を使って両方をつなぐべき
特定の顧客向けの機器で「速度が出なければ裏返してください」で許してくれるならば片側結線でもいいんじゃないかと思いますが、市販する装置を作る場合はちゃんとマルチプレクサを使いましょう。
問題は、今の半導体不足の世の中でUSB 3.0のマルチプレクサが手に入るかどうかなんですよね・・・
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