基板が届いたのでADCLK914の実験を行う
25日に出図した基板が届きました。
本当はCosmo-Zから8chの高速パルスを出力するための基板なのですが、Digikeyから部品が届かなかったので・・
一緒に作ったADCLK914の基板だけ作って実験することにしました。
ADCLK914というのは7.5GHzで動作するクロック/データバッファなのですが、クロックに限らずどんなデューティー比の信号でもバッファしてくれそうなICです。このICを使って立ち上がりの鋭いパルスを作ろうと思います。
ADCLK914はCML出力なので差動なのですが、片側の信号だけを使うことにします。
データシートによれば立ち上がり(20% 80%)は100psくらいなのですが、ADCLK914の出力を高速オシロで見てみると、880ps程度かかっていました。
想定したよりも随分遅いのですが、どうやらADCLK914の出力は50Ωで終端しなければならないのではないかと思われます。
オシロの入力レンジをDC50Ωに変えてみると、200psまで立ち上がりが鋭くなりました。
一方、基板上に50Ωを付けて終端して、オシロを1MΩにすると立ち上がり時間が遅くなりました。
上で実験した出力電圧はHが1.5V、Lが1.1V程度でなかなか使いにくいレベルだったので、エミッタフォロアを入れて電圧を下げると同時にバッファしてやろうと思ったんですが、高周波トランジスタのBFR106E6327HTSA1を入れたら逆にスルーレートが遅くなりました。
BFR106E6327HTSA1は5GHz帯域で、ADCLK914が7.5GHzなので、トランジスタの方が遅いんですね。
ただ、ドライブ能力は抜群のようで、終端が適切でないと見事に多重反射しました。
結論としては、ADCLK914はシングルエンドのパルス生成器としても使えて、立上がり立下り時間も申し分ないのですが、電圧レベルがGNDを基準にしていないので多少使いにくいところがあります。トランジスタを入れるとかえって遅くなります。
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