Kria KV260を動かしてみた(1)
Kria KV260が手元にあって久しく使っていなかったので、動かしてみることにしました。
箱から基板を取り出し、どうやら電源は12Vらしいので安定化電源から12Vを供給しようとしたのですが、どうやらDCジャックの太さが合わず、普通のDCジャックが刺さりません。
普通のACアダプタで使われている普通のDCジャックはΦ2.1なのですが、どうやらKria KV260は2.5じゃないかと思われます。だからといって今から専用のACアダプタを買う気にもなれません。
なので、DCジャックの端子に直接リード線をはんだ付けして12Vを供給したのですがKria KV260は起動してくれません。一度パチンと音がして、FANが回ったきりで、基板上のLEDも点きません。
基板上の各部のテストポイントをテスターで測ってみると、5Vや3.3Vの電源は生成されていますが、PL_1.8VやPL_1.2Vといった低電圧系の電源が動いていないようです。
この時点で「壊したのではないか!?」という不安がよぎりますが、回路図をよく見てみると、DCジャックの3番ピンがPWROFF_C2M_Bという信号になっています。
なんだこれは!?
衝撃を受けました。DCジャックの3番ピンをこのような使い方をするのは初めてみました。DCジャックの3番ピンがスイッチになっているのは、外部電源と電池駆動を切り替えるためのものだと思っていたからです。
このPWROFF_C2M_Bがどこに行っているかを調べてみると、5V電源のPGと、
3.3V電源のPG、
それから、LED表示と、
KriaのB26番端子に行っています。
電源レギュレータのPGという端子は、一般的にはその電源ICが無事に立ち上がったことを示すオープンドレインの信号なので、相互に接続された場合はどれか1つがLならば電源が立ち上がっていないことを示す信号となります。つまり、3.3Vと5Vの電源がONであってDCジャックが挿さっていれば、ここは100kΩでプルアップされてHになります。そういう電源Goodを表す信号と考えてよさそうです。
Hならば電源Goodを表す信号がKV260モジュールのB26番ピンに入ることで起動するのかもしれません。
だとすると、DCジャックに何かを挿さないとの3番ピンがGNDにくっついてしまったままでPower GoodがHになりません。そこで、DCジャックを破壊して取り外しました。
焦げたフラックスと、はんだ吸い取り線のヤニで汚くなっていますが、フラックスリムーバーをかければ綺麗になります。
ここに、秋月で売っている普通のDCジャックを取り付けます。
このとおり。
フラックスリムーバーで除去した後です。綺麗でしょ。
安定化電源から12Vを供給すると、無事にLEDが光りました。よかった。壊れていなかった。
さて、Kriaのスタータキットの「ステップ 2. SD カード イメージを設定する」のページを参考にSDカードを作ってみようと思いましたが、PetaLinuxっぽい巨大なファイルがダウンロードされたのと、balenaEtcherとかいう知らないツールを強要されたので、30秒でやる気をなくしました。SDカードのイメージくらい変なツールを使わずにそのままの姿でアップロードしておいてほしかったです。
そういうわけで、@ikwzmさんのgithub https://github.com/ikwzm/ZynqMP-FPGA-Linux からブートイメージをダウンロードしてSDカードに書き込んでみました。SDカードを2つのパーティションに分けて、最初のパーティションをFAT32にして、/target/Kv260/boot/にあるboot.scr、devicetree-5.10.0-xlnx-v2021.1-zynqmp-fpga-kv260-revB.dtb、devicetree-5.10.0-xlnx-v2021.1-zynqmp-fpga-kv260-revB.dts、image-5.10.0-xlnx-v2021.1-zynqmp-fpga、uEnv.txt、uEnv-linux-5.10.0-xlnx-v2021.1-zynqmp-fpga.txt、の5つのファイルを書き込んでおけばいいのでしょ、と思ったのですが、
なぜか、起動失敗。
どうやら、Kria KV260の真のboot.binは基板上のROMに書かれていて、SDカードからはboot.scrを読みだして起動するという2段階のブートになっているということはわかりましたが、起動失敗の原因はわかりませんでした。
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コメント
Etcherはオープンソースですしboot USBを作るだけのソフトウェアですが…
投稿: | 2021.12.25 23:46