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2021.12.06

Kria KV260のバウンダリスキャン

Kria KV260のバウンダリスキャンに成功しました。

Kria_bscan1

バウンダリスキャンというのは、FPGAに備わっているJTAGの機能を使ってI/Oの状態を見たり操作したりするいわば工場出荷時のテストモードです。従来は工場の出荷検査に使われていた機能なのですが、MITOUJTAGというツールを使うとエンジニアのデスクトップ上で手軽な「デバッグ」用ツールとして使うことができるようになります。

バウンダリスキャンを行うにはBSDLというファイルが必要です。BSDLはBoudary Scan Description Langageの意味で、JTAGのレジスタの内容が記述されています。MITOUJTAGにはたくさんのデバイスのBSDLがインストールされているのですが、Zynq UltraScale+が比較的新しいデバイスであるため、まだ入っていません。そのため、下記のURLからダウンロードしてくる必要があります。

https://japan.xilinx.com/support/download/index.html/content/xilinx/ja/downloadNav/device-models/bsdl-models/zynq-ultrascale-plus-mpsoc.html

このファイルを解凍すると出てくるxck26_sfvc784.bsdというファイルが、Kria K260本体のBSDLです。これをMITOUJTAGの画面にドラッグ&ドロップすると、BSDLが登録されます。

自動認識すると、ARMのDAPとXCK26の本体が見えるようになり、上の図のようにBGAの端子が可視化されるというわけです。

波形で見てみるとK26の上でチカチカ点滅しているLEDはMIO7であることがわかります。きっとGPIOですね。

Kria_bscan2

Linuxが起動するときの波形を眺めてみるとMIOの中で激しく動く端子がいくつかあります。おそらくUSB 2.0のULPI端子だと思われます。

Kria_bscan3

逆に、PLは全く動いていません。PLのすべての端子が入力状態になったままです。

Kria_bscan4

回路図を見ても、K26のI/Oの接続はSOMの中に隠されてしまっているのでよくわかりませんね。ただ、SOMから出てくる信号を見てもあまりPLは使われていないように見えます。HDMIの出力はPLを使うのではなくDisplayPortからDP→HDMIブリッジを使って出しているようですし。PLが使われているのはRasPiカメラから画像を取り込むところくらいのようです。

 

さて、そもそもKria KV260に搭載されているXCK26 SOMに搭載されているXCK26って何者なんでしょう?

ZYNQ UltraScaleのBSDLファイルに記載されているJTAG IDCODEの中のarray sizeを調べてみました。array sizeというのがデバイスの規模を示す数字なのですが、

デバイス ArraySize  16進表記
XCK26 100100100 124h
XCZU1 010001000 088h
XCZU2 100010001 111h
XCZU3 100010000 110h
XCZU4 100100001 121h
XCZU5 100100000 120h
XCZU6 100111001 139h
XCZU7 100110000 130h
XCZU9 100111000 138h
XCZU11 101000000 140h
XCZU15 101010000 150h
XCZU17 101011001 159h

K26とXCZUは、JTAG上は同じUltraScale+ファミリに属するようです。デバイスの規模が大きくなるとArraySizeも大きくなるという傾向はあります。(一部逆転するところはある)。そう考えると、XCK26はXCZU5とXCZU6の間くらいの規模なのではないかと思われます。

 

K26自体のデータシートを探したのですがSOMのデータシートしか見つかりませんでした。下の表によればK26はビデオコーデックがついているUltraScale+であるようです。XCZUの**EVに相当するようです。

K26_ds

一方、XCZUのセレクションガイドを見ると、XCZU5EVと、K26はPLのリソースのサイズがほぼ一致しています。

Xczu_sel

つまるところ、K26というのは、XCZU5EVをSOM用にカスタマイズしたものではないかと思われます。

Xczu5_xck26

あ、XCZU5EVの784ピンと、ピン配置が同じだ。

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