Cosmo-Zのチャネル間クロストークの改善
Cosmo-Zのクロストークを改善する方法を模索しました。
分かっていることは、クロストークの大きさが周波数に依存しないということです。つまりLやCの結合ではないので、保護用ダイオードが一番疑わしいと思われるわけです。
AD9633のアナログ入力の絶対最大定格は-0.3V~2.0Vなので、この入力に過大な電圧が加わらないよう、ダイオードで保護しています。
ADCの入力の+と-の電圧がGND以下、VCC以上になったときにダイオードで逃がすというものです。
ところが、最もクロストークの強いCH5とCH6は以下のようなパターンになっていました。
このダイオードを片側だけでも外してみると、見事にクロストークが減ったのです。
今まで-70dBくらいで見えていたクロストークが-100dBまで減りました。
ダイオードに加わっていた逆電圧が10nAくらい漏れてGNDを揺さぶり、隣のチャネルを揺さぶっていたと思われます。
ただし、CH3とCH4のクロストークを減らすにはこれだけではダメなようでした。
Cosmo-Zのアナログ入力には保護ダイオードだけではなく、RCフィルタが入っています。(厳密にはフィルタというよりも、ADCの入力Cを充電するためのコンデンサ)
差動線間の1000pFは通常は入れてありませんが、GNDにつながっている33pFのコンデンサは入っています。この33pFのコンデンサを外して線間につなぐと、CH3とCH4のクロストークも見事に消えたのです。
CH3→CH4へのクロストークを-100dBまで減らすことができました。
クロストークの原因は、保護ダイオードに漏れて流れる電流が隣のチャネルに干渉していたことと、GNDに逃しているRCフィルタの電流が隣のチャネルに干渉していたということでした。
保護ダイオードを外してよいのかという問題があるので、GNDや電源パターンを工夫して電流の経路を調整し、部品を外さずにクロストークを減らせないかということを次のバージョンで研究することになるでしょう。
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