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2022.04.14

Cosmo-Zのチャネル間クロストークの改善

Cosmo-Zのクロストークを改善する方法を模索しました。

分かっていることは、クロストークの大きさが周波数に依存しないということです。つまりLやCの結合ではないので、保護用ダイオードが一番疑わしいと思われるわけです。

AD9633のアナログ入力の絶対最大定格は-0.3V~2.0Vなので、この入力に過大な電圧が加わらないよう、ダイオードで保護しています。

Xtalk5

ADCの入力の+と-の電圧がGND以下、VCC以上になったときにダイオードで逃がすというものです。

ところが、最もクロストークの強いCH5とCH6は以下のようなパターンになっていました。

Xtalk8

このダイオードを片側だけでも外してみると、見事にクロストークが減ったのです。

今まで-70dBくらいで見えていたクロストークが-100dBまで減りました。

Xtalk6

ダイオードに加わっていた逆電圧が10nAくらい漏れてGNDを揺さぶり、隣のチャネルを揺さぶっていたと思われます。

ただし、CH3とCH4のクロストークを減らすにはこれだけではダメなようでした。

Cosmo-Zのアナログ入力には保護ダイオードだけではなく、RCフィルタが入っています。(厳密にはフィルタというよりも、ADCの入力Cを充電するためのコンデンサ)

Xtalk9

差動線間の1000pFは通常は入れてありませんが、GNDにつながっている33pFのコンデンサは入っています。この33pFのコンデンサを外して線間につなぐと、CH3とCH4のクロストークも見事に消えたのです。

 

Xtalk10

CH3→CH4へのクロストークを-100dBまで減らすことができました。

クロストークの原因は、保護ダイオードに漏れて流れる電流が隣のチャネルに干渉していたことと、GNDに逃しているRCフィルタの電流が隣のチャネルに干渉していたということでした。

保護ダイオードを外してよいのかという問題があるので、GNDや電源パターンを工夫して電流の経路を調整し、部品を外さずにクロストークを減らせないかということを次のバージョンで研究することになるでしょう。

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