保護ダイオードとADCのひずみ率
歪率の改善に重要なコンデンサを外してしまって大丈夫なのか不安であるため、歪率も測ってみることにしました。
100kHzを入れて、100kHz,200kHz,300kHz・・のレベルを測ります。
下のグラフは少しわかりにくいのですが、CH5に-7dBの信号を入れて、CH5と他のCHにどれくらいの高調波が出てくるかをプロットしたものです。最初はCosmo-Zの生の回路です。
CH5自身の100kHzでの値は-7.24dB、200kHzでは-103dB、300kHzでは-98.55dBといった具合です。この場合CH5のひずみ率は-90dB以下と言えます。
このようにして基本派に対する2倍高調波のひずみ率を評価しますと、
CH1 -96dB
CH2 -90dB
CH3 -98dB
CH4 -91dB
CH5 -96dB
CH6 -92dB
CH7 -95dB
CH8 -91dB
でした。
どのチャネルも概ね90dB以下なので良しと言えます。
昨日のように保護ダイオードとコンデンサを外すと、
CH1 -96dB → -96dB
CH2 -90dB → -94dB
CH3 -98dB → -121dB
CH4 -91dB → -92dB
CH5 -96dB → -93dB
CH6 -92dB → -92dB
CH7 -95dB → -96dB
CH8 -91dB → -96dB
と、ほぼ変わらない結果が得られました。1つだけ-121dBという結果が得られているのは、もともとノイズフロアのレベルの微弱な信号を見ているから、たまたま低くなっただけです。
保護ダイオードのせいでひずみ率が悪化しているということはありませんでした。取っても性能が良くなるわけではありません。
コンデンサ2個でGNDに落としていたのを線間1個にしてもひずみ率の性能は変わらないと言えます。
これで、新しい回路の設計指針が出来ました。
つまり、
- 保護ダイオードのGNDに流れる電流がチャネル間で干渉しないようにリターンの道を分けること
- 対GNDのコンデンサには電流が流れるのでチャネル間で干渉しないようにリターンの道を分けること
というわけです。
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