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2022.07.06

両電源が出せるSepic Cuk型のDC-DCを作る

アナログ回路を作っているとどうしても±5Vとかが必要になります。これまでは市販のDC-DCモジュールであるRKZ-0505Dを使っていたのですが、電流が200mAまでしか取れません。

そこそこ大きな電流が取り出せる両電源のDC-DCというのはそんなに多くはないので、自分で作ることにしました。

アナログデバイセス社のADP1612~ADP1614というスイッチング電源コントローラを使うと、Sepic-Cuk型という回路で両電源の昇圧DC-DCを簡単に作ることができます。

https://www.analog.com/jp/products/adp1612.html#product-tools

このページにリンクが張られているExcelファイルを開いて必要な電圧と電流を入力するだけで、ADP161xを使った回路の抵抗やコンデンサ、コイルの型番などが記された回路図が表示されます。

Sepiccuk_20220707175901

まずは右下の5V入力±5V出力のDC-DCをADP1613で置き換えます。この回路は↑のExcelシートで計算したものではなく、過去に作った回路をそのままコピペしています。

Dcdcadp1613

 

次に±7.5Vの電源を作ります。5V振幅で50Ωの負荷をドライブするとなると100mA必要なので、最大で±800mAの電流を取り出す必要があります。ただし、そんな電流を取り出すと熱すぎるので普段は1V振幅までに抑えておくことにします。最大で±500mAくらい出せればよいでしょう。

ADP161xの末尾の数字が大きくなるほど大きな電流を取り出せるようになります。

ADP1612は1.4Aまで、ADP1613は2Aまで。ADP1614はなんと4Aもの出力電流が出せます。ただし、実際に使える電流はコイルによって制限されるので、大きな電流を取り出すにはそれなりに大きなコイルを使う必要があります。

アナデバはCoilCraft社のコイルがお気に入りのようです。

Msd1583

Excelのシートで計算すると、MSD1583を使うリストが出てきましたが、CoilCraftはなかなか入手が難しいんですよね。

最近ではMouserで買えるようになったのですが、少し前まではCoilCraftに連絡して折り返し電話とかメールとかが来て用途を知らせないと買えませんでした。

 

±7.5V 500mA取り出せるようにするにはコイルもダイオードも大きいものを使うことになりますが、DC-DCの空いたスペースに収まりました。

Dac8top

 

Dac8bot

大きな発熱が予想されるので風を当てられるように発熱系部品は裏面に乗せています。

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