ADCを密集させたときのクロストーク(2)
保護ダイオード以外に信号が漏れてクロストークしている個所を探したところ、実はOPアンプ~ADCの間にある抵抗とコンデンサでした。
こんな何の変哲もない回路ですが、ここがクロストークの温床になっていたのです。
使っているADCは差動のADCなので、完全差動アンプの出力を抵抗に通した後、コンデンサでGNDに落として差動線間にもコンデンサを通して、ADCの入力につないでいます。
上の回路図にある33pFのコンデンサはLPFを作りたいからではなく、ADC内部にあるスイッチトキャパシタに十分な電荷を供給するために置いたものです。このコンデンサがないと、ひずみ率が悪化します。
1000pFのコンデンサはカットオフ周波数を低下させるため、通常は実装していません。
詳しい話は省きますが、ADCの前にはコンデンサが必要なのです。対GNDで入れるべきか、対線間でいれるべきなのかは何とも言えません。ただし、対GNDで入れると、OPアンプの出力電流がRCを通ってGNDに流れて、それが他のチャネルへ干渉を起こします。それがクロストークの原因でした。
そこで対GNDの2個のコンデンサを外して線間のC226の場所に付けてみたところ、CH3とCH4の間のクロストークも見事に消えてくれました!!
CH3が-7.1dBのとき、CH4は-98dB。クロストーク90dB以下をぎりぎりで確保することができました。
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