DAC8基板が動いたけど・・
なんということでしょう!!
昨日作った美しい基板が、一日でこんな姿になってしまいました。
早速電源を入れてみたら、安定化電源がブーンって言って大電流が流れるんです。
どうもMSD1583というコイルがショートしているっぽいなと思って、この大きなコイルを外してみると、別にショートしていない。
原因はこのコイルのピン配置でした。
DC-DCの回路図はこんな感じ。
このMSD1583というコイルのピン配置はこんな感じ。
Coilcraftさん、酷いなー。1と3が同じ側で、2と4が同じ側なのか。なんでこんな変態な構造にするのだ。このコイルのピン配置が原因で、2つのコイルを通じて5VからGNDにショートする流れが出来上がってしまって、冒頭の写真にあるようなジャンパ線を伸ばしてコイルと基板のパターンをつなぐことになったのです。
コイルの配線を直したら±7.5V出るようになったのですが、なんだか電流が多いんですよね。そんで、電流帰還OPアンプの-入力にオシロのプローブを当てると減る。たぶん発振しているんでしょうね。ただ、200MHzのオシロをつないでも発振が見えるわけではないので、より高い周波数での発振なのかもしれません。
OPアンプが発振するときってV-入力に変なコンデンサが付いていないかを疑うのですが、今回使ったTHS3491の8ピンタイプって裏面がベタGNDのパッドだから、OUTピンからV-入力まで真下を通るわけにはいかなくて、どうしても距離が出てしまいます。このOPアンプを発振させないで動かすことができるのでしょうか。甚だ疑問です。
さて、FPGAからADCを動かして波形を見ていると、突然、安定化電源の3Aの電流リミットがかかって止まってしまう。調べてみるとDC-DCがショートしている。ただし、ショートしているのは大きなコイルの±7.5V電源ではなくて、小電力の±5VのDC-DCのようでした。
調べてみると、2個あるLPD4012というコイルの1番ピンと4番ピンがショートしているっぽいのです。
そういうわけで、-5Vであるべきところに電源入力の+5Vが来ていました。((((;゚Д゚))))
さらにダイオードD5のVfが低下している。
おまけに5V→2.5Vを作るLDOがショートモードで壊れている。
・・・なんだか、この回路って次から次へと電源部品がショートモードで壊れていきます。
どこが発端なのかわかりませんが、ぽぽぽぽーんと壊れていったのでしょう。
ここは安全策にかじを切って、THS3491をやめて急遽THS4041を使うことにしました。電圧帰還OPアンプなので使い慣れているし、電流も少ないし、過去にも使ったことがあります。それから巨大コイル(MSD1583)を使ったDC-DCはやめて、LPD4012のDC-DCの出力から±7.5Vのラインにももらってくることにします。THS3491を使わないので大電流も高い電圧もいりません。
冒険をやめて確実に動くところを責めることにします。
壊れた部品を全部取り替えて、ようやくDACが動くようになりました。
FPGAでカウントアップする値を出し、のこぎり波を出してみます。
終段のOPアンプのゲインを-10倍にしているので、±5Vの電源にぶつかってクリップしてしまっていますが波形が出るようになりました。
今日わかった修正&反省個所は
- 電源5VとGNDを2ピンのコネクタに出して、外部から独立して供給できるようにするべきだった
- 電源5Vとコイルとの間を切り離せるように0Ω抵抗かジャンパを入れるべきだった
- GNDのテストポイントを何か所か設けるべきだった
- ジャンパには説明のシルク(+7.5Vとか-7.5Vとか)を入れるべきだった
- MSD1583コイルのピン配置を間違えた
- MSD1583コイルからの磁界ノイズがめっちゃ大きい
- THS3491が発振しているようだ
- AD9717のIOCLKとDCLKを裏面からオシロで触れるようにパッドを設けるべきだった
- 回路の電源入力の部分に47uFとか100uFの大きなコンデンサがほしかった(オシロで触ったりGNDを取るための場所がわかるので)
- DACの出力がOPアンプで反転している
です。
| 固定リンク
コメント