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2022.07.01

ADCを密集させたときのクロストーク

Cosmo-ZではADCが狭い領域に密集しているので、ある程度のクロストークが出てしまいます。

Board_20220704181301

今日はこのクロストークを徹底的に減らす工夫をしました。

クロストークはCH2に100kHzの信号を入れてCH1に漏れてくるのを測るのですが、多くの場合、CH1とCH2ではほとんどクロストークはないのですが、

Nocross

CH5とCH6では多いという傾向がありました。

Crosstalk

この傾向はボードを何枚作っても同じなので、個体差ではなく、おそらく回路上の問題なのだと思われます。

CH1~CH2間はおよそ-90dB以下ですが、CH5~CH6間は-80dB程度あります。-80dBということは10000分の1ですから、14bitのADCを使えば1LSBか2LSBくらい揺れるということになります。

次の図はCH1に100kHzの正弦波を入れて、それが他のCHでどのくらいの大きさで漏れているかをFFTで調べて、100kHzの付近だけ取り出したものです。

Ch1_20220704182101

CH1のピークは約-7.1dBですが、その時、CH2とCH6で-100dBでほぼノイズフロアレベルとなっています。これがクロストークなのかノイズなのかは区別できません。CH1から他CHへのクロストークはほとんどないと言えます。

CH5に100kHzを入れた場合を見て見ると、CH6への漏れが-80dBくらいあって、CH2にも有意に漏れていると考えられます。それ以外のCHは漏れていないと言えるでしょう。

Ch5

さて、ここで謎が一つ。CH5とCH2は隣り合っていないのにどうして漏れるのかということです。

答えは過電圧保護用のダイオードにありました。Cosmo-Zでは過電圧保護用にRF用のダイオードを入れているのですが、ダイオードはVf未満でもわずかな順方向電流が流れます。その流れた順方向電流がGNDに集まるのですが、CH5とCH6は接近していて同じ島にあるからCH5とCH6の間の干渉は大きくなるのです。

Hogod

そういうわけで、過電圧保護ダイオードを外してみたところ、CH5-CH6間のクロストークは有意に減りました。

Ch5nod

これで万々歳かと思ったのですが、CH3とCH4の間にはまだクロストークがあるようでした。

Ch34

保護ダイオード以外にも漏れている個所があるので、それを探してつぶしていかなければなりません。

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