ハイサイドスイッチ
IC真贋判定装置では、検査対象ICに電源を与える部分でハイサイドのスイッチを使います。
PNPトランジスタで作るか、P-ch MOSFETで作るか、アナログスイッチで、専用のICで作るか、いろいろな選択肢があります。
P-MOSで作る場合、電源は下の図のような回路で与えます。
上の図ではPIN1~PIN3までしか書いてありませんが、最大のBGAの場合、これが1500個くらい並ぶわけです。
ピンにぶらさがったP-MOSFETのどれか1つをONにすることで1.0V、1.8V、3.3Vのいずれかの電源を与えることができます。
しかし、P-MOSだとFETの中に寄生ダイオードが入っているので、うまくいきません。
電位差が0.8VくらいあるとOFFしているFETの寄生ダイオードから回り込んできて低い電圧の電源電圧が上昇してしまいます。
これは危険です。
こういう回路を作るための専用のICがあるかというと、あるんですね。
DigikeyでSiP32408とか、TPS22916Bとか、SLG59M1551Vなんていうのが見つかりました。
「PMIC - 配電スイッチ、負荷ドライバ」
というカテゴリで1mm角以下のICがいっぱいでてきます。
こんな小さいのに2Aとかをスイッチできて、しかも1個100円以下。
1500ピンのBGAをコントロールするには6000個必要なのですが、6000個買っても20万円未満です。
これで超クロスポイントマトリックスが作れると喜んでいたのですが、こういった電源ICには逆電流保護の機能があるものと、ないものがあるようでした。
下の図はSLG59M1551Vの内部等価回路です。
あー、だめですね。
これだと逆流してしまいます。
しかも、スイッチがOFFになったときに放電用のFETがONしてしまう構造なので、使用しない電源ピンがGNDに200Ωくらいの抵抗で接続されてしまうことになります。
これでは私の目的には使えません。
TPS22917というのもあって、これは逆流防止をしてくれて放電Rがないのですが、逆電流を500mA流さないと防止回路がONしないそうです。
DigikeyでこういったICを探したところ、「逆流防止機能あり」で「放電なし」で「1.0Vから使える」という至れり尽くせりのICを3~4種類見つけました。
逆電流素子回路がそれぞれ独自の実装がされているみたいで、少しずつ求めているものとは異なっていました。データシートに乗っていない部分が実際にどうなのかわからないので、Digikeyで購入して実験してみることにします。
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