アナログスイッチで電圧がクリップできない
アナログスイッチを使ってFPGAの入力端子を保護できないかどうかと思い、実験してみました。
アナログスイッチというのはロジック入力でアナログ信号をON/OFFする部品です。もともとCMOS 4000シリーズに4066というアナログスイッチがあって、それを1回路化したものが各社より発売されています。
下の図は74AHC1G66のものですが、おおよそどのアナログスイッチも似たような回路になっています。
EがHレベルのときZとYの間がONするというものなのですが、MOSFETはゲート電圧でクリップされるという神話を信じて実験してみました。
その結果がこちらです。
下の図はVCC=3.3Vにして、Zの端子に5Vの矩形波を加え、Yの端子の電圧を測ったものです。
全然クリップされていない。
しかも、E=Lなのに100%漏れてきている。
OFFになりません。
どうやら、アナログスイッチはVCC以下の電圧を入れなければならないようです。
VCC以上の電圧を印可した場合どうなるかは一概にはいえませんが、バグります。
下の図は、どこまで電圧を加えるとOFF状態が壊れるかを試したもので、VCC=3.3Vで、Z=4.5Vくらいの電圧を加えたところです。
なんだかニョロニョロしています。サインカーブかなと思ったのですが、
このニョロニョロはランダムでした。
チンアナゴの大群のように見えます。
こんなことをしていたらアナログスイッチが猛烈に発熱して壊れてしまいました。
74AHC1G66; 74AHCT1G66のデータシートを読んでみると、
MC74VHC1G66のデータシートを読んでみると、
やはり4066タイプのアナログスイッチはVCCを超えてはいけないようです。とほほ・・
結論を言うと、アナログスイッチはVCC以下の電圧で使わなければならず、電圧をクリップしてくれる保護素子にはならないということがわかってきました。
ここまで設計した基板をどうするんだべという感じです。
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