半導体テスタの構造とピン・エレクトロニクス
半導体のテストで1つ1つのピンに電圧を与えたり、パルスを与えたり、測ったり、どういう回路なんだろうと思っていただけど「ピン・エレクトロニクス」というらしいです。
正確な電圧、電流、インピーダンス、タイミングで出したり比較したりする回路をピンの数だけ並べるらしい。まじで。
そんな面倒なピンエレクトロニクスをやってくれるワンチップICもあります。
ADATE320というのですが、データシートに回路図がちゃんと記載されています。
一方、MAXIMからはMAX9979というのが出ています。
https://maximintegrated.com/jp/products/analog/amplifiers/MAX9979.html
つまり、こういうピンエレクトロニクスのICをたくさん並べて半導体テスタが作られているんでしょう。
すごい電力だし、すごい金額になる理由がわかります。
この「ピン・エレクトロニクス」という汎用的な名前を下記の資料で知ってから、LSIテスタの内部構造についての調査効率が格段に上がりました。ピン・エレクトロニクスで検索すれば特許公報でもなんでもヒットする。
特に下記の資料を読めば、これまでのだいたいの流れがわかります。
https://seaj.or.jp/activity/tech/file/2012test.pdf
半導体テスタって芸術ですよね。プローブは微細だし、測定値は精密だし、超高速だし、なにより見た目がかっこよすぎる。憧れるぅ~。
プローブという丸い基板がありますが、日本のメーカーのホームページをみても使い方がいまいちよくわかりません。
電源は中央に裏面にリング状の配線があってインピーダンスが低くなるようになっていますが、たぶん、電源については検査する前に個別に配線するんだろうと思います。
そこで見つけたのがこの動画。
https://www.youtube.com/watch?v=q9t6NA5evko
プローブカードを嬉しそうに触っています。
針のようなピンが中心にセットされていて、それが周囲の円形のパターンまで伸びていっています。
中心部はリング状のものがあって、ここにパスコンやプルアップ抵抗を付けるのでしょう。
この動画見て、プローブカードの構造がなんとなくわかりました。(なぜ庭でやってるのかという疑問はあるが)。
中央のプローブから配線が生えていて、番号がふってあって、これをプローバに装着すると、好きなピンに好きなような信号を与えられるようになるんだろうなと思います。
日本語でプローブカードとかググってもメーカーのホームページの小さな写真しか出てこないけど、英語で検索するとわんさか出てくきます。詳細な構造も理解できてきました。日本のメーカー反省しる!
プローブカードの電源や特別な配線は手配線でジャンパするのでしょうか。
プローブカードはICごと(あるいは同一ファミリごと)に用意されていて、基本的に使いまわさないということなのだろうか・・疑問は尽きません。
半導体テスタって、業務用冷蔵庫くらいの大きさがある本体からテストヘッドまで太い配線でつながっていますが、シグナルインテグリティってどうなってるんだろうとか疑問が尽きません。やっぱり、数メートルの長さはあるから高速信号通せないだろうから実際の信号はテストヘッドの中で作っているんでしょうか。
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