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2023.05.20

Kintex-7のFBGパッケージは周波数特性が悪いのか?

Kintex-7やZYNQにはFBGといって、パッケージ上面が金属製の平らなケースになっておらず、チップコンデンサがむき出しになったパッケージがあります。

平らになっている普通のやつはFFGというのですが、今はFFGが手に入らなかったので仕方なくFBGで作りました。

Fbg1

このFBGパッケージはヒートシンクがつけにくいというだけではなく、周波数特性が悪いという問題もあるのです。

それに対してFFGというのは表面が平らになっていてパスコンむき出しでもなくヒートシンクが貼りやすいやつです。

Ffg

(図はDigikeyより)

FFGとFBGで何が違うのかというと、FFGはフリップチップでFBGはワイヤボンディングかと思っていたのですが、そういうわけではなさそうです。両方ともフリップチップで出来ているようです。(ちなみにGは鉛フリーを意味するので正式にはFFとFB)

https://support.xilinx.com/s/question/0D52E00006hpSuFSAU/7series-package-ffg-vs-fbg?language=ja

上面の金属ケースの違いくらいなんでしょうかね・・

 

次の図は7シリーズの電気的特性なのですがスピードグレード2だと、FFGパッケージはGTXが10Gbpsまで行きますが、FBG676パッケージだと6.6Gbpsまでしか行けないことになっています。

Fbg3

DDR3メモリの速度もFFGパッケージだと1866Mbpsですが、FBGパッケージだと1066bpsまでしか行けません。

Fbg7

Fbg8

このようにFBGのほうがFFGよりも全体的に性能は悪いのです。

でも、手に入らないのだから仕方ありません。お客様の了承を得てFBGパッケージで製造しました。

Fbg2

で、GTXの先に付けたSFP+を光ファイバに通してIBERT試験してみた結果ですが・・

Fbg4

ぬわんと!10Gbpsでも行けるではありませんか!!

QSFP+のほうも、

Fbg5

ばっちり10Gbpsが50%のアイが開いています。

Fbg6

FBGパッケージは公称では6.6Gbpsまでしかいかないことになっていますが、実際にはFFGパッケージと比べて遜色のない性能が出ているようです。

 

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