Twitter(X)を見ていると、反対派のトピックに少しずつ変化が表れてきているようなのでまとめました。
まず最初のクレームは「汚染水を流すな」というもの。「汚染水ではなく処理水」というのが正解です。
汚染水をALPSで処理してトリチウム以外のものを基準値以下まで下げたのが処理水です。
次に、「トリチウム流すな」というもの。トリチウムは世界中の原発から流れていて日本の福島は中国や韓国と比べると少ないという事実を突きつけたわけです。
そうすると次に言ってきたことは、「正常運転している原発と事故起こした原発は違う」という言い分です。
正常運転している原発と違って事故を起こした原発の汚染水は核燃料に触れているから汚染されているじゃないかというわけです。
そこで、そのためのALPS処理なのです。ALPSは基本的にはフィルタで吸着させて様々な元素を取り除くもので、巨大な浄水器のようなものです。これを通すとトリチウム以外の元素がフィルタされて綺麗な水が出てくるというわけです。
そうすると、今度は「ストロンチウムが出ているじゃないか」みたいなことを言い出すのですが、こういった金属系はいずれの元素も基準値以下です。
「ストロンチウムしか測らない」とか「セシウしか測らない」とか、〇〇しか系が出てきます。非常に多数の核種を全部測るのは大変なので、セシウムを代表として測って放射能の全体の傾向をつかもうとしているわけです。そもそもセシウムもストロンチウムも、過去の大気圏核実験で大量にばらまかれているので、福島の処理水に含まれるのはそれ以下しかないわけですが・・。
次に「処理しても超えてるじゃないか」というクレームが出てきます。そりゃ、フィルタ交換の時期とかだと除去能力は弱くなるでしょうし、元が濃かったら出てくる処理水の濃度も濃くなります。いいんです。基準値以下になるまでALPS処理を繰り返しやればいいんです。
ALPS処理の時間がかかるとかいうかもしれませんが、タンクを撤去できたら第二ALPSを設置できるかもしれません。
あと、「トリチウム以外の元素が公表されていない」という愚かな意見もありました。もちろん東電は公表してます。
この表が出たら「トリチウムの以外の元素も漏れている」と言う人もいましたが、極めて微量で影響ありません。逆にALPSのすばらしさが証明されたわけです。
反対派の言いう分はどんどん非科学的になっていって、「有機結合三重水素が生体濃縮される」という主張を始めるようになりました。もちろん、トリチウムは生体濃縮されません。
それから、どんなに少なくてもゼロじゃないからダメという意見。これは宇宙空間に酸素原子があったら真空じゃないと言っているようなもので、完全なゼロというのはなかなかあり得ないことなんです。海の水にはppbの濃度でウランが溶け込んでいるし、ありとあらゆる元素は海水を探せば出てきます。
「事故を起こした原発のデブリには未知の元素が含まれている」というノーベル賞級のいちゃもんを付けている人もいました。
「ヨウ素129がー」という人もいますが、これも過去の核実験以下しか出ません。
出展 東海再処理施設と環境中のヨウ素 -129 中野 政尚 Jpn. J. Health Phys., 56 (1), 17 ~ 25 (2021) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhps/56/1/56_17/_pdf
ヨウ素は再処理でも出るので、今後、六ケ所村の再処理工場が動いたこんなもんじゃないでしょうね。それでも健康に害を及ぼすような濃度ではありません。あと、やはりALPSでもヨウ素は取りにくいんでしょうね。金属と違ってハロゲンだからかな。
「希釈して流しても総量はかわらないだろ」という意見です。そりゃそうなのですが、希釈するのは一時的にでも濃度の高い場所が出ないようにするという意味もあります。
今、ホットな話題は「低線量でも閾値がない」というものです。低線量の放射線を浴び続けた場合、ガンなどになる確率的影響に閾値があるかないかという議論なのですが、今は「閾値がない=どんなに少ない量でも影響はある」という考えが主流になってきています。
下のグラフは電力中央研究所のHP(https://criepi.denken.or.jp/jp/rsc/study/topics/lnt.html)にあったものです。
浴びた線量と有害事象の発生確率が比例的関係で閾値がないというもので、どんなに低線量でも浴びたらガンになるといわんばかりに主張する人がいます。ですが、福島の処理水の放射線量は彼らが期待しているより少なく、海の水で薄まってしまうから、極めて低線量になります。詳しくは計算していませんが、おそらく1時間あたりnSvにもならないでしょう。(東京だと自然に30nSvくらいある)
閾値がないから危険だと主張している人は、線量とリスクが比例しているのだと主張しているのですが、そもそも線量が極めて少ないのですからリスクも比例して少ないのです。
理系の教授でもこの危険性を主張している人がいますが、見ていて悲しくなってきます。あなたは誤差棒の意味をよく理解していて、その上で煽動しているのかと。
ガンになる確率ってそもそも誤差があふれたものなのです。胃がん、肺がん、肝臓がん、大腸がんあたりは、塩分、酒やタバコ、肉食などとの関係がいわれていますが100%の因果関係はありません。乳がんや前立腺がん、脳腫瘍、肉腫などは原因はわかりません。
そもそも、ガンになったからといって「あれが原因だったのか」とわかることはありません。アスベスト以外は。
ガンになる確率が0.01%±0.003%くらいだとして、放射線を浴びたことで0.001%増えたからといってそれが放射線の影響なのか生活習慣によるものなのか絶対にわからないのです。タバコの副流煙かもしれませんし、酸素呼吸かもしれませんし、たまたまトランスボゾンが動いたからなのかもしれません。
低線量に閾値はないのかもしれませんが、誤差が大きすぎて、議論すること自体が無意味なのです。
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