可変電圧スイッチング電源を作る方法
スイッチング電源の電圧設定というのは、たいてい出力電圧を抵抗R1とR2で分圧して、それを帰還入力に入れるという構造をしています。
そして、VO=VREF*(1+R1/R2)という関係で決まります。
私が良く使うTPS62065の参考回路はこんな感じです。
この回路を電圧可変にしたいわけですが、こういうスイッチング電源の動作は出力電圧を分圧した電圧と、内部の基準電圧を比較してPWM/PFMをコントロールしているわけですから、分圧とFBの間にOPアンプやDACを入れてしまえばよさそうに思えます。
しかし、この部分はフィードバックの敏感な部分で、OPアンプのような時間遅れのある部品をいれると碌なことにならないでしょう。
この部分は純抵抗でなければなりません。
デジタルポテンショメータというのを活用できないかどうか考えて探してみました。
そうしたら、あるんですね。
アナログデバイセスがアプリケーションノートを出していました。
https://www.analog.com/en/technical-articles/linear-adjustment-of-switched-mode-power-supplies.html
その名も「Digital Potentiometers Enable Fast, Linear Adjustment of Switched Mode Power Supplies」
まさに求めていたものです。
TPS62065のデータシートによればVREFは0.6Vで、R2は120kΩ~360kΩにするべきと書かれています。すると、3.3Vを出すためには4.5:1の関係で540kΩが必要になります。1.0Vを出すためには0.67:1ですから80kΩとなります。
R1を80kΩから540kΩまでの間で変化させれば電圧を1.0V~3.3Vまで変化させられるのですが、市販のデジタルポテンショメータで抵抗値が高い系ものものは100kΩや200kΩが主流で540kΩは出せません。
そもそも「R2は120kΩ~360kΩにするべき」というのは抵抗分圧を流れる電流を最小にするためらしいので、電流が流れてもよいのであれば少し条件を勝手に緩和してしまいましょう。仕方がないのでR2を24kΩくらいまで減らすしかなさそうですね。
R1を16kΩ+(0~100kΩ)として、R2を24kΩにすれば、1V~3.5Vまで可変できる計算になります。
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