スミスチャートに安定円をプロットする
安定円というものがどういうものなのか知りたくて、まずはスミスチャートを描こうとしています。
スミスチャートをプログラムで描くときには、スミスチャートはΓ(反射係数)をプロットしたものなので、複素平面の右半分の領域で実部と虚部を二重ループでスキャンして、Γ=(z-1)/(z+1)で変換して描けばよいということがわかりました。
ただし、実部と虚部は0.1、0.2・・1.0の次に2.0にするか1.1にするかといったスケールを調整しないとカッコ悪くなってしまいます。
等抵抗円は、Γ=(1,0)の位置と(r,0)の二点を通る円を描けばよいので簡単に描けたのですが、等リアクタンス円はどうやって描くか少し悩みます。
結局のところ、等リアクタンス円の描き方は、虚数軸上の1点と、その点から実数で+1した点と、(∞,0)の3点を通る円の中心座標と半径を公式使って求めることにしました。
3点が求まれば円は描けますから。3点を通る円の公式はぐちゃぐちゃしていて美しくありませんが、コンピュータに計算させるのだから気にしません。
そして、円の中心から虚数軸上の1点と(∞,0)の角度を求めて、DrawArcで円弧を描きます。
できた!
このチャートに、あるFETのSパラメータファイルを読み込んで表示できるようにしてみました。
さらに右側にグラフも表示してみました。
Sパラメータの絶対値だけだとあまり変化がわからないのですが、絶対値と位相と合わせて見るとこんなに回っているのかと驚きます。
スミスチャートは偉大なり。
さらに、安定円をスミスチャート上に図示できるようにしました。
安定円って、スミスチャートの外にあるんですね?
スミスチャートは複素平面でr>=0の部分だから、スミスチャートの外っていうことはr<0。インピーダンスがマイナスってことです。マイナスってことは負性抵抗。入力した信号が増幅されてしまうということでしょうか。
スミスチャートで考えれば|Γ|>1、つまり、入力したエネルギーよりも大きな反射や透過があるということです。
Kの値と安定円の関係を考えていたら、無条件安定する周波数の下限と上限(K=1)では、2つの安定円がスミスチャートの外周に接触することがわかりました。
この範囲外ではスミスチャートの内側に安定円が入ってくるから、反射係数が安定円の中に入るように調整しなければならないということでしょうか。なるほど理解しました。
安定円のことを調べてネットを検索していたら書いてある記事を発見しました。
https://fbnews.jp/202005/mrsmith/index.html
これ読んだら自分が理解したことがわかりやすく書かれていてちょっと感動しました。
そうなんだよね。悪いのはS12なんだよね。
S12があるから発振する。ワイのへなちょこアンプが3GHzくらいでゲインが下がるのもS12のせいです。
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