マイクロストリップラインは細くなきゃだめだ
マイクロストリップラインの基板をいろいろ作って実験したり、夜な夜なシミュレーションしてわかってきたのですが、どうしても計算と合わないですよね。
FR-4の1.5mm厚の両面基板で16GHzを通そうと思ったとき、50Ωを作るには3.57mmになるのですが、これって波長のλ/4より大きいんです。で、分かってきたことはFR-4の1.5mm厚の両面基板では16GHzは通らないということ。
マイクロストリップラインのwとhはどんな比でもよいわけではなく、λに比べてwが十分に小さくないと破綻します。
マイクロストリップラインの式はすべてが近似式で、W<<λのときでないと意味を成しません。
5GHzくらいなら通すかもしれませんが、50Ωの線幅が3.57mmになってしまうと表皮効果でラインの淵にしか電流が流れず、別のものになってしまいます。淵にしか電流を流さないので、真ん中の銅箔を抜いても同じ結果になります。
真ん中に電流が流れないので、こんなふうにスリットが入って2本に分かれた線路もほぼ同じ結果になります。
つまり、普通のマイクロストリップラインの式で計算できるような感じではなく、すでに破綻しているのです。
マイクロストリップラインは細くなきゃだめなのです。細くするには、基板の厚さを薄くすること。誘電率ではなく、GNDと信号間の距離が効いてきます。
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