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2024.12.26

JLCPCBに自分の手持ち部品を送って実装してもらう方法

JLCPCBの部品実装は基本的にはLCSCという電子部品商社にある在庫を使う前提になっています。しかし、LCSCにない部品でも他の部品商社から取り寄せたり、自分でJLCPCBに送って実装してもらうこともできます。

今回はそのやり方を紹介します。

 

そのポイントとなるのは「Consign parts(委託部品)」というものです。委託部品を使うには、パーツマネージャの中にある部品を委託する(あるいはCosign Parts)を選択します。

すると、部品名とパッケージを入れる欄が出てくるのですが、ここに適当に入れても「見つかりません」となってしまいます。

Consign3

どうやら、LCSCに登録されている部品名と、LCSCに登録されているパッケージ名を入れると話が早いようです。

Consign4 

追加されたらチェックボックスをチェックすると、部品委託のボタンが押せるようになり、次の画面に進みます。

Consign5

デフォルトではChina Mainlandになっているので、Ourside China Mainlandを選択すると、日本から送れるようになります。

で、送った際の運送会社名を書いたりトラッキング番号を書いたりします。

Consign6

下の段は部品の単価を書いたり製造国を書いたりするのですが、なぜこのようなものが必要なのかわからないのですが、関税や消費税の計算で使うのかもしれません。日本にとっては輸出、中国にとっては輸入になるのですから。

コネクタを送った時に正しく記入した例は以下のようになります。

 Consign1

Consign2

これでJLCPCBの受け入れ準備はできたのですが、次に運送会社への送り状を作る必要があります。

私はUPSをお勧めします。DHLだと2日かかると表示されたのですがUPSだと1日でした。

UPSのWebサイトで、発送したい商品(電子部品)の型番や価格、HSCODEなどを書きます。

そして、最後に送り先のJLCPCBの郵便番号や町名を書くのですが、

電話番号: 17825750244
住所(英語): No.11103 SMT Warehouse, Building 4, Advanced Electronic Factory, No 2989 Zhufeng avenue, Doumen District, Zhuhai City, China
住所(中国語) ): 广东省珠海市斗门区乾务镇先进电子4栋SMT仓11103号
省: 广东省
州: 珠海市
郵便番号: 519175

というのは文字制限もあるので、どこをどう縮めてよいのかよくわからないところです。この住所はUPSの宛名に入りきりません。

そこで、こう書きました

郵便番号:519115
都市名:Zunhai
住所:No.11103 SMT Warehouse, Building 4 No 2989 Zhufeng avenue, Doumen
会社:JLCPCB
宛名:Chris(自分の顧客番号)

ここまで縮めても大丈夫です。

そうすると3枚つづりのInvoiceや送り状がPDFで出来上がるので、それをプリントアウトしてUPS配達員に渡します。

Consign7

分厚い複写式の伝票を書いていた時代に比べればとても楽になりました。

 

JLCPCBのサイトで委託部品の情報を入れてからUPSのトラッキング番号をいれる直前でブラウザを開いたまま保留しておいて、UPSのサイトで同じような内容を入力してトラッキング番号を得てからJLCPCBのサイトに書いてボタンを押すという操作になります。ここが、ちょっとややこしいのです。

 

出荷してUPSをこまめに追跡し、中国に到達したことを見計らってUPSのサイトにログインすると、関税や消費税の支払いが可能になっています。そのタイミングで日本からクレジットカードで税金を支払うと、通関が通ってJLCPCBに配達されます。

日本から出荷した翌日にはJLCPCBに着き、マイパーツライブラリに入るようになりました。

Consign8

 

しかし問題はここからです。

JLCPCBでは、表面実装部品は、基板&PCBA発注前にマイパーツリブに入っていないといけないようです。

つまり、「基板製造に2~3日かかるから足りない部品はその間に送って、基板ができたら実装してもらう」ということはできません。

先にUPSで部品を送って部品が到着してから、PCB&PCBAの発注になるという順序です。そのため急いで基板を作って実装までするにはLCSCに在庫がある部品だけを使わざるを得ないのです。

 

#追記(重要)

日本から中国に電子部品を送るのは輸出になるため、輸出管理の該非判定を適正に行う必要があります。

まずは、この記事を読んでください。

CISTECとかパラメータシートという言葉を聞いたことがないという場合は、手を出さないほうが無難です。

なお、そんなことを言ったら、厳密に考えれば中国にガーバデータを送って基板の製造を発注すること自体が技術情報の輸出になるので、JLCPCBやPCBGOGOに基板を発注する際には、高速データロガーとか超高速ADCとか放射線対策とか超低温で動作する回路とかは作らせてはいけません。趣味程度の基板にしたほうがいいです。

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