2025.02.26
2025.02.25
2025.02.24
シン・ICの新基板を出図
シン・ICの新基板の設計がようやくできたので、JLCPCBに発注しました。
サイズは横38cmくらいの大きな基板になります。全部で500個以上の部品があるため手付けはしんどいし、かといって日本の基板実装業者さんは年度末で混んでいるため、JLCPCBに実装まで依頼することにしました。
JLCPCBの実装は最低2枚からなのですが、必要な基板の枚数は1枚です。高価な部品を実装するともったいないので、抵抗やコンデンサや安いICだけ実装してもらうことにします。
JLCPCBへ発注の際のポイントをまとめておきます。
まず、いままでJLCPCBにガーバデータを投げたときに2層基板と判断されていたのですが、どうやら内層のファイル名の拡張子をGP1 GP2 GP3 GP4にしておくと自動的に6層として認識されるようでした。
こんな感じで、部品面はGTL、はんだ面はGBL、内層はGP1~GP4にします。GTPとGTSはわかりにくいので、GTPをtop-stencil.gbrにリネーム、GBPをbottom-stencil.gbrにしておきます。
それから、部品実装の発注ではBOMファイルが必要になりますが、CADが出したファイルを実在の部品に修正しながら手作業で作ります。
CADが出してくれるのは、DesignatorsとCommentとFootprintです。使いたい部品をLCLCで選んでLCSCの型番などを書いていく地道な作業をしていきます。
LCSCには謎の中華ブランドの抵抗やコンデンサが山ほどあるのですが、PanasonicやMurataなど聞いたことがあるメーカーの中から在庫がありそうなものを優先して選んでいきます。DesignatorsとCommentとFootprintとLCSCの列は必須らしいのですが、他の列があっても問題はないようなので、Mfr(製造元)とMfrPart#(製造元型番)も勝手に付け加えます。そうしないと何の部品かわからないので・・
ポイントとしては、
- LCSCにあるパーツでも最終的なチェックで別の部品に置き換わってしまったり、「無い」と言われることがあります。
- LCSCにあるパーツでもFootPrintを作るのに+1日要求されることもある。そういうときは別のパーツを選ぶか、実装から外す。
- Cで始まるLCSCの番号を書き忘れても自動的に推測されてしまうこともあるようだ。
そもそもFootprintはLCSC型番から一意に決まるので、DesignatorとLCSCだけあっていればいいんじゃないかと思います。
それから、CPLファイルというのを用意しなければなりませんが、PROTELで作成したPickAndPlaceファイルがそのまま使えます。PickAndPlaceファイルにもFootprintを書く場所がありますが、おそらくCPL内のFootprintの列は見ていないと思わます。
また、基板が1枚だけ必要な場合でもJLCPCBでは2枚以上が必須なので、高額な部品は実装しないようにしておき、自分で実装することもできます。
それから、実装面を片側だけにするとエコノミーコースになって、少し安く早くなります。
部品配置の確認を「はい」にしてしまうと、確認のため、スタートが遅れて半日から1日ロスします。
2025.02.23
2025.02.22
半導体真贋判定装置基板の設計完成へ
年末からだらだらと設計していた半導体真贋判定装置「シンIC」の新基板を完成させました。
まず、年末に設計した状態がこちら。
何ができていてい何が未完成だったのかもわからないので、思い出します。
そして、足りなそうな配線を追加。
電源がVCCとGNDの2層では厳しい感じだったので、4層に増やし、6層基板にしました。
とりあえずすべての配線を引いて、まだ足りないものはないかと血眼になって探します。
これで、だいたいの配線が引けたはず。おっと、3.3Vと1.8Vのレギュレータが無かった。
これで全部できたかな。
4chの可変スイッチング電源とその電圧・電流モニタ、125MHzの高速DACも追加して完成に近づきました。
あとは出図するのみ。
2025.02.20
2025.02.19
2025.02.18
16GHzミキサを使った基板の設計
HMC8191というミキサを使った基板を設計しています。
最初に作ったのが下の図のようなパターン。
JLCPCBのロジャース基板で考えていたので、層の厚みが0.51mmで配線の太さが1.09mmにもなります(C3の右の部分)。
すると、太さ1.09mmのパターンで走ってきた信号は0.5mmの幅のパターンにうまく流れていってくれないんですね。
HMC8191の評価基板を見てみると、0.4~0.5mmくらいの線幅でしょうか・・
ここで重要なことがわかりました。
高周波だからって、ロジャース基板やMEGTRONを使うと、層が厚いから50Ωの配線の幅が1mmくらいになってしまい、ICに接続できないのです。
となりのピンまでぶち抜いてICの真下まで1mm幅で引けばICの真下まで行ってくれることはわかるのですが・・
これは最後の手段でしょう。
つまり、ロジャースやMEGTRONといった高周波材を使うと2層基板になってしまって、層が厚いため配線のパターンが太くなるからRF ICを使った基板には向かない。それよりは、多少の減衰は気にせずにFR-4の4層基板を使って細いパターンで作ったほうがいいんじゃないかと思えます。
層の厚みが0.21mmのFR-4なら配線の幅は0.4mmになるのでRF ICも使えます。
なお、これはJLCPCBの高周波基板の話で、PCBGOGOならロジャース多層基板も選択はできます。(ただし、作れるかどうかはわからない)
2025.02.16
2025.02.10
所得税と社会保険料の計算
年収○万円の壁とか五公五民などと言われていますが、社会保険料も高いですよね。。。
で、年収1億のときにどのくらい税金で取られるかって即答できますか?
そんな計算をするプログラムをPythonの練習もかねて作ってみました。
まずは、給与所得100万円から1億円までの所得税や社会保険料をグラフにしてみます。
税と社会保険のしくみを簡単に言うと、
① 給与の金額に応じて社会保険料が決まる
② 給与から、基礎控除と給与所得控除と社会保険料と配偶者控除などを引いた金額を所得とする
③ 所得に応じて所得税の累進課税の税率が決まる
④ 所得の10%が住民税となる
となっています。
住民税の計算に使う所得と所得税の計算に使う所得は少し異なりますが、だいたい同じです。
さて、年収1億の場合、約51%が税金となります。所得税率は45%、住民税は10%、そのほかに社会保険も撮られますが、給与所得控除があるためトータル51%となっています。ここまで年収が高ければ社保なんてゴミのようです。
さて、年収2000万円までを詳しくみてみましょう。
青い線が社会保険料ですが、階段状になっているのが分かります。
社会保険料は等級(ランク)というのがあって、同一ランク内では定額だからです。そのため、ランクが上がると急に社会保険料が高くなったような感じになります。また、月給で140万円以上になるとランクがカンストするのでそれ以上は増えません。社保を節税するなら月給を140万円以上にするとよいです。
次に手取り額を見ていきましょう。
下の図は年収1000万円から2000万円までの手取り額をグラフ化したものです。1000万円のときは281万円ほどが差し引かれ、2000万円のときは713万円が差し引かれているのがわかります。
年収1000万円から2000万円の間では税負担は28~35%、おおよそ30%といえるでしょう。
次に、税率を詳しく見てみましょう。
ここで、税率だけ考えても苦しさの本質は見えてこないので「増分」というのを考えてみます。
増分とは私が勝手に定義した用語ですが、収入が1万円増えたときに税負担がどれだけ増えるかというのを%で表したものです。
式で表すと、
増分(%)=税(収入+Δ収入)÷Δ収入
です。
例えば、収入が1万円増えたときに税負担が4200円増えたら、増分は42%です。
青い線がトータルの税率で、オレンジの線がその増分です。
上のグラフを見ると、たくさんのスパイク状のものがあることが分かります。これが壁です。
たくさんの壁は社会保険料のランクアップに起因していますが、左のほうは所得税の控除に関するものもあります。
年収1000万円から2000万円を詳しくみていきます。
いかがでしょうか?
トータルの税負担率に比べて増分のほうが大きくなっています。
税負担率は30%前後ですが、1万円の所得増加に対して42%の税負担が増えるので、稼いでも稼いでもしんどくなるのです。
このゾーンの給与所得者はふるさと納税などをするのがおすすめです。
【割安感のあるゾーン】
逆に、増分が税率より安いゾーン(概ね年収650万円まで)では、収入を増やしても税負担はそれほど増えません。
【重税感のあるゾーン】
増分(オレンジ)の線が税率(青)より上にあると、重税感を感じます。 このしんどいゾーンにいる人は、ふるさと納税をはじめとした各種控除を有効に活用して、節税を行うことが有効です。
これらのことから、
・年収650万円までは、割安に感じる
・年収1050万円以上は重税感を感じる
という原因が、税負担率と増分の乖離によるものではないかと思われます。
なお、シミュレーションプログラムと、全年収での結果表は
https://github.com/Nahitafu/koujo
のページにあります。
シミュレーションプログラムは概ね正しいと思われますが、以下の点で誤差があります。
- 住民税の調整控除が正しくないので2500~5000円ほどの誤差が出る場合がある。
- 収入が少ない場合の住民税の計算はチェックしていない。
- 復興特別消費税の計算は自信がない。
誤差は多くても1万円以内です。
全体的に、課税標準所得などを計算する際の1000円や100円未満を切り捨てる処理に自身がありません。また、 所得税と住民税の基礎控除の違いについてはちょっと端折っています。計算自体には問題がないと思いますが。
配偶者控除や扶養控除、ふるさと納税、政党寄付などがある人や、事業所得や金融所得などがある人は少し変わってきますが、全体的に横にスライドするだけでグラフの傾向に大きな差はありません。
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