Spartan3E Starter Kitの回路図と空白のページ
XILINX Spartan3E Starter Kitの回路図が公開されているのを見つけました。
回路図のほかには、ガーバデータや、部品リストなどがあります。
このSpartan3E StarterKitは、USBからJTAGが使えるということでしたので、いったいどのような回路になっているのかと興味を持っていたのですが、回路図の該当するページ(3ページ目)は空白になっていました。
このページには、IC3~IC5を用いた回路が記述されているのだと思われます。その正体は、CypressのEZ-USB FX2と、CoolRunnerIIを使ってUSBからJTAG操作するための回路でしょう。おそらく、前に予想したとおり、Platform USB相当の回路が載っていて、iMPACTからそのままUSBでアクセスできるのだと考えられます。また、いくつかの資料を見る限り、このUSBチップはJTAGコンフィギュレーション専用で、FPGAとパソコンとの間の通信はできなさそうだと思われます。
※回路図の6ページ目にEmbedded Platform USB Cableという記述がありますね。
その、空白のページには次のような一文が書かれています。
Page 3 contains proprietary information and has been intentionally left blank.直訳すると、
ページ3は知的財産情報を含んでいるので、空白にしています。ということです。
このボードの設計者は、おそらくユーザの利便性を考えてUSBからJTAGを操作する回路を組み込んだのだと思いますが、FPGAの評価ボードですから、そのままでは回路図が公開されてしまいます。当然、守るべき知的財産は守らなければいけません。Embedded Platform USB Cableや、EZ-USB FX2の使い方はノウハウのかたまりなのでしょう。
回路図の1枚を空白にするということは、ユーザの利便性とベンダーの知的財産という、矛盾する対立を解決する適切な対応だと思います。何でもかんでもオープンにするのではなく、守るべきところはきっちり守る。そのような姿勢はとても評価できます。そうしないとベンダーにもユーザにも最終的には良いことになりませんから。
もしかしたら、このStarter Kitの発売が遅れていたのは、USBの部分が原因だったのかもしれませんね。
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