2025.05.09

FTDI社の純正MPSSEケーブル「CH232HM-DDHSL-0」を使ってみた

FTDI社の純正MPSSEケーブル「CH232HM-DDHSL-0」を買ってみました。

モノタロウで注文して翌日に届きました。

Ftdi1

パッケージの裏面に書かれている741-7076という数字はRSコンポーネンツの商品番号なので、RSとモノタロウは業務提携しているのでしょう。

Ftdi2

適当なFPGAボードをJTAGスキャンしてみようと思ったのですが、なんかケーブル短くね?

ノートPCで喫茶店でやるならいいけど、デスクトップPCからだとちょっと短いですね。

でも、このバラになった部分を50cm伸ばしているわけで、これじゃノイズや反射に弱いな・・と不安になります。

Ftdi3

MITOUJTAG Freeで無事にケーブルを認識し、FPGAを認識してスキャンしたり書き込みできたりしました。

 

バラになった部分のケーブルの色と機能の対応は、データシートに書かれている下記のとおりです。

Ftdi5

 

使ってみた感想としては、ケーブルが短くて使いにくいですね。

USB Aの延長ケーブル(USB Aオス-メスケーブル)が必要かもしれません。

あと、赤い線はVREFではなくVCC出力です。

VCCが出力されてくるので注意が必要です。

 

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2025.05.08

FT232HやFT2232D/HでMPSSE-JTAGケーブルを自作する方法

FTDI社のUSB-UART変換ICには(MPSSEとはMulti-Protocol Synchronous Serial Engine)というUART、SPI、I2Cなどの汎用のUSB-シリアル変換機能機能が付いているものがあります。

汎用シリアルの中にJTAGもあるので、それを使うとUSB-JTAG変換ケーブルを作ることができます。

準備
まず、MPSSE-JTAGに対応しているデバイスは、

  • FT232H、FT2232D、FT2232H、FT4232H

です。

  • FT232B、FT232R、FT230X、FT234X、FT60X

では使用できませんのでご注意ください。

EEPROM

MPSSEを使用するにはFTDIデバイスにEEPROMを外付けする必要があります。

(EEPROMがなければソフトウェアでどんなに設定してもMPSSEモードになることができないと思っていたのですが、できるという報告もあり、本当はどっちなのかはわかりません)

対応しているEEPROMは、93LC56Bです。

93AA56Bも可能ですが、93LC56Aや93AA56Aは不可です。

末尾についているBというのは16bitタイプを表すもので、FTDIデバイスのEEPROMは必ず16bitのBタイプである必要があります。

必ずBタイプを使用してください。

FTDIチップが乗った基板を用意する

例えば、秋月電子のFT2232D基板(EEPROM付)や、FT232H基板がご利用いただけます。

後者はAdafruitという海外Makerの間で有名なボードです。

Adafuitjtag

基板の配線

MPSSEモードを使うには、ADBUS0にTCKを、ADBUS1にTDIを、ADBUS2にTDOを、ADBUS3にTMSを接続します。ADBUS0~3はMPSSEによってハードウェア的に動作するのでこの割り当ては決まっています。

FT2232D/FT2232HはポートAとポートBがあり、BDBUSを使うこともできます。FT4232HはポートA~Dがあるので、CDBUS、DDBUSを使うこともできます。

TRSTやCPUリセットを使いたい場合は、ADBUS4~7、ACBUS0~7のいずれかのピンに接続してください。MITOUJTAGの中からソフトウェア的に操作します。

Mpsse1

 

レベル変換をしたい場合

TDIデバイスのVCCIOは3.3V固定(2.97V~3.63V)ですが、昨今のFPGAやCPUではJTAGが2.5Vや1.8Vのデバイスも多くなっています。

そのような場合はレベル変換が必要になります。

Mpsse2

EEPROMへの書き込み

EEPROMに書き込むにはFT_Progというツールを使います。

FT_ProgはFTDI社のページ https://ftdichip.com/utilities/ からダウンロードしてください。

Ftdi_download

FT_Progを起動してSCANボタンを押すと、以下のような画面になります。

Ftprog1

 

Product DescやManufacture Descは任意の文字に書き換えて構いませんが、ベンダIDとプロダクトIDは変更しないほうがよいでしょう。

Ftprog2

 

画面左のHardware Specificツリーを展開したらPort AのHardwareを開き、245 FIFOを選択してください。(デフォルトはRS232 UARTになっている)

Ftprog3

それから書き込みボタンを押し、Programボタンを押せば完了です。

Ftprog4

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2025.05.07

オリジナルのMPSSE-JTAG基板を設計しました

MPSSE-JTAG基板を設計しました。

XILINXの9pin、ALTERAの10ピン、XILINXの14pinに対応していて、レベル変換ICも搭載しています。

Mpssejtag_top

悩んだのは12MHzのクロックをどう与えるかです。

いろいろなFT232Hの回路を見てきましたが、水晶の負荷容量について基板ごとにマチマチなんですよね。

AdafuitのFT232H基板はセラミック振動子を使っています。求められている周波数偏差が30ppmなのですが、セラミック振動子の周波数偏差は0.5%くらいあるので、これは論外。動くかもしれませんが規格外なので真似しないようにします。

水晶振動子を買うときにデータシートに書かれている負荷容量って、その水晶振動子デバイスが持つ容量じゃなくて、水晶振動子から見た外側の回路の容量のことなんです。27pFと書かれている水晶振動子であれば、外側に付く容量が27pFのときに規定の周波数になるという意味です。

基板の配線の容量などによっても変わってくるのですが、まぁ、調整を要する話になるので難しい話です。

というわけで、振動子はやめて発振器を使うことにしました。コストが200円くらい上がるけれど仕方ありません。

両面基板で、基板の裏面には部品を配置せず、GNDもそれなりの経路を確保しました。

Mpssejtag_bot

今回は5枚だけの先行試作ということで、JLCPCBで揃う部品だけで揃えました。

基板と実装費用を合わせて5枚で15000円くらいです。安い。トランプが関税200%かけたくなる気持ちも理解できます。

 

ただし、チップ抵抗は謎の中華メーカー。USBコネクタはHIROSEということになっているが本当にHIROSEが来るかどうかは不明。

USB保護ICはNexperiaのPRTR050のはずなんだけどDOWOとかいう謎メーカーに変わっています。

9ピンや10ピンのコネクタは千石や秋月で買ってきて付け、14ピンの2mmピッチコネクタはDigikeyで調達して後で手付けします。

 

基板製造は24時間コース。基板実装は1~2日とのことなので、来週の月曜日くらいには出来上がってくるのではないかと期待しています。

Mpssejtag

ケースは3Dプリンタで後から自作します。

サイズは5cm×3cm。販売価格は8000円くらいかなと思います。

Amazonで売るなら手数料入れて10000円くらいになるかもしれません。

 

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2025.05.06

河口湖へ雨の日ドライブ

連休の最終日。河口湖へドライブに行ってきました。

前日(5日)は中央自動車道が深夜まで渋滞とか、さすがに連休はすさまじすぎる。

今日はあいにくの雨だったので、少しは空いているかと期待してドライブに行きました。

河口湖方面は2mmの雨との予報だったので、最初は東名高速を走って沼津のほうに行こうとしたのですが、沼津へ行っても海鮮丼を食べる以外に面白いものはなかったので御殿場で下りて河口湖方面へ向かいました。

やはり雨ふってたし、寒いし、花を楽しむっていうレベルじゃなかったです。

Kawaguchiko_20250509131701

でも、すいてて良かった。

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2025.05.05

格安のMPSSE-JTAG基板を作ります。

FT232HとUSB-TYPE Cと1.8V~5Vのレベル変換ICが乗った格安の基板を作ろう思います。

今はMITOUJTAG Free用のJTAGケーブルとして秋月のFT2232DやFT232Hを案内していますが、秋月でFT2232Dの基板を買っても、XILINXの14ピンやALTERA10ピンの形状で出すのって面倒だし、EEPROMにFT_ProgしなきゃMPSSEにならないので、すぐにJTAGしたいと思ってもそこに障壁があると感じています。

そこで、機能を最低限まで削って、ケースも3DPで作って、基板と実装をJLCでおこなって、Amazonの手数料とクレジットカード手数料まで乗せて3000円くらいで出せないだろうかと考えて設計しています。

秋月キットを買ってきて、万能基板やブレッドボードに乗せて14ピンのコネクタ(しかも2mmピッチではない)を乗せるのってかったるいし、仕事じゃやりたくないですよね。

そこで、XILINX 9ピンとALTERA 10ピンとXILINX 14ピンのコネクタが基板に最初から乗っていてターゲットへの接続は楽ちんな基板を作ろうと思っています。もちろん、9ピンのバラのケーブルと10ピンのリボンケーブル、14ピンのリボンケーブルは付属しています。

Mpsselvconv

最近のFPGAやCPUは1.8Vや1.2Vといった低い電圧で動作するので、JTAGの電圧も低いものが要求されることが多いです。そんなところに3.3Vのロジック信号を与えてはいけません。

なお、FT2232DやFT232HにはVCCIOがあって、IO電圧を上げ下げできそうな感じではありますが、実際にはVCCIOは3.3V専用になっています。

つまり、定電圧デバイスにFTからつなぐには、レベル変換ICは必須なのです。

 

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2025.05.04

なぜ、MITOUJTAGを無料化したのか?

ある日、私はGrokと会話していました。

MITOUJTAGを知っていますか?

未踏ソフトでFPGAに関するものを教えてください

質問を変えて色々聞いてみたけど、Grokは知らなかったんです。

2003年度ですよ。ちゃんと探してください

全く違うプロジェクトを提案してくるし、私の名前も知らない。

 

質問を変えて、Grokに「世界で有名なJTAGソフトを教えて」と聞いてもMITOUJTAGの名前が出てきません。

 

MITOUJTAGは未踏ソフトの中では成功した方だと思うのですが、Wikipediaにも載っていないしあまりにも知名度が低い。

ショックでした・・・

なんでこんなに知られていないんだ・・。

広告とかやっていないし、Webサイトの作りも凝っていないし、マーケティングにお金をかけるべきかな・・とか、悩みました。

 

そんな時、四国のある会社から、MITOUJTAGが使えるかどうか試したい。効果がわからないものは買えないから評価版がぜひ欲しいと。評価版がないなら出張デモしにきてくれと。

えっ!?四国ですよ。飛行機代だけで赤字になります。

 

あと、MITOUJTAGをご購入いただいたお客様からの問い合わせは、メールでのやりとりなんです。JTAGの深いプロトコルを調べたり、ROMの書き込みアルゴリズムを調べたりして答えています。MITOUJTAGには面白く便利な使い方があるのに、ノウハウが共有されない。

 

・・・、そんなあるとき。頭の中ですべてがつながりました。

無料版を作って配れば遠方のお客様のところに出張デモにいかなくてもいいし、メールや電話でのサポートも不要だし、そして何より有名になれるかも。

ソフトウェアって、使ってもらって広まらなければ存在していないも同然じゃん。

 

それに、2010年ごろまでは結構売れていたけど最近はあまり売れていません。販売個数が0個になったところで、会社の経営にはそんなに傾かないのです。売れたら売れたでボーナス的にうれしいけど、今の特殊電子回路の収益の柱はMITOUJTAGではないから心配ゴム用です。

そういうわけで、いままでのクローズド路線から180度方向転換しすることに決めました。

ソフトウェアはみんなに使ってもらってなんぼです。

もうMITOUJTAGでは稼がなくてもよいので、プライベートなサポートを希望するお客様にだけ購入していただければ、これからは収益としては十分です。

 

趣味やご家庭で使われるようになって、どんどん広まってほしい。

みんなが使ってくれて広めてくれれば、世界3大JTAGツールとかになれるかもしれない、と期待しています。

すべての原動力は有名になりたいからです。

 

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2025.05.03

MITOUJTAG Free版をリリースしました

おまたせしました。

MITOUJTAG Free版(無料版)をリリースしました。

MPSSEのJTAGケーブルがあれば、一般のご家庭でもJTAGバウンダリスキャンができるようになってしまいます。

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CPUでもFPGAでも、JTAGに対応していれば何でも見えますよ。

 

秋月のFT2232DモジュールをMPSSE化するには、

FT2232D USBシリアル2ch変換モジュールキット EEPROM実装済
https://akizukidenshi.com/catalog/g/g116897/

を選択してくださいね。MPSSE化するにはEEPROMは必須です。

ダウンロードページはこちらです。

https://mitoujtag.jp/freev.html

ちなみに、タイトル絵はAIに描いてもらいました。

Mitoujtagfreebanner

 

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2025.05.01

JLCPCB(3DP)でのホーンアンテナ再挑戦

ワイもJLCPCBの3DPでホーンアンテナを作ってみました。

Horn2

220~330GHz帯でWR3.4という導波管のものです。長さは56mm。

Horn1

しかし、上の2つは穴が詰まっていました。

こうなるだろうと思って、半分に割れるタイプも作ってはみたのですが・・

Horn3

結果としては、全然だめ。

ERAVANTとかのアンテナに比べると-10~20dBくらい悪い。

TRA240に被せようと思った短いやつは歩留まり50%。でも、TRA240評価キットに最初から付いてきたHDPEのレンズのほうがずっと良いという結果でした。

やはり、鉄で250GHzアンテナを作るのは無理があるのかもしれません。

本当にこれステンレス?鉄じゃないの?磁性的な抵抗で高周波の抵抗になってんじゃない?

 

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