日本人ファーストが留学生を特定類型に追い込む
経済安全保障を勉強していて重大な問題に気が付きました。
日本人ファーストによって「次世代研究者挑戦的研究プログラム」(SPRING)を今後(2027年度以降?)は日本人に限定することになり、留学生が日本政府からの資金援助を得ることが難しくなりました。
そうすると、留学生は出身国政府の奨学金に頼らざるを得なくなり、生活費の25%以上を外国政府に援助される「みなし非居住者」である特定類型②に該当してしまう可能性が高いです。
特定類型②というのは、日本に居住しながら非居住者として監視しなければならない対象です。
SPRINGの停止によって優秀な留学生が海外に流出するということを懸念する声は聞かれますが、出身国政府に頼らざるを得なくなって特定類型②に転落させてしまうというところまで深く論じている人は今までいなかったように思えます。
つまり、
- 「日本人学生を支援したい(国内政策)」
- 「機微技術の流出を防ぎたい(安保政策)」
- 「優秀な留学生を呼び込みたい(国際政策)」
という3つの政策が互いに足を引っ張り合っている状態と言えます。
私が危惧しているのは、
SPRING等の日本人限定化
↓
自国政府奨学金への依存
↓
外為法「特定類型②」による研究制限
というロジックです。
日本人ファーストによって出身国政府の影響を強めてしまい、皮肉なことに国家安全保障を危うくしてしまうのです。
「国内の福祉政策(奨学金)」と「国家安全保障(外為法)」が全く連携せずに動いた結果、理系留学生を実質的に「研究不能」な状態へ追い込んでしまったと言えます。まさに法制度のボタンの掛け違いです。
特定類型②に該当すると、理系の研究のほとんどは(リスト規制にかからない技術であっても2025年10月に改正された外為法では)キャッチオール規制の対象になってしまうので、ほぼすべての研究がストップすることになります。
学術領域は除外されるという規定もありますが、学術として除外されるのは天文学などのように純粋な学術領域であって、新しい化合物の物性を調べたり、半導体やロボットの研究は製品開発の技術と解釈されて除外されない可能性が高いです。特に、半導体、ロボット、電池、医薬品、宇宙は経済安全保障の重要分野です。学術による除外を適用するのは難しいのではないでしょうか。
このままだと、留学生の扱いがグレーゾーンで運用されることになり、特定類型②に該当するかどうかは本人の自己申告を元に判断されており、万が一の責任は大学や現場の教員に押し付けられます。
日本人を手厚くすることと外国人を切ることを直結させてしまった弊害と言えます。
この問題を解決するには、
- 優秀な留学生に対しては日本政府から奨学金を出す
- 留学生に限定して特定類型②の判断に除外を設ける
- 企業が留学生を雇いやすくするよう、週28時間労働の規制緩和
といった政策が必要ではないかと思います。
日本の国家予算から言えば100億円はわずかです。年100億円の投資で将来的な親日家を増やせるのだから、ここは削減してはいけなかったと感じています。





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