世界最高速のJTAGコンフィギュレーション
世界最高速のJTAGコンフィギュレーション装置を開発しました。
この装置をJTAG WARP9と名づけます。
(WARP9というのは速いという意味から名づけました。)

JTAG WARP9は、XILINX FPGAに対する最高速のJTAGコンフィギュレーションソリューションを提供します。
JTAG WARP9は、FPGAが耐えられる限界速度でJTAG信号を出力します。
JTAG WARP9は、JTAG信号の生成をすべてハードウェアで処理しているため、送出するJTAGシーケンスの中に無駄な待ち時間がほとんどなく、FPGAのコンフィギュレーション速度の限界に迫ります。
JTAG WARP9を使ってFPGAをコンフィギュレーションするには、下の写真のようにJTAGケーブルでつなぎ、ボタンを押すだけです。JTAG WARP9から超高速のJTAG信号が出力され、一瞬でFPGAが書き換わります。
JTAG WARP9上には256Mbitの大容量FlashROMを搭載しており、電源を切ってもコンフィギュレーションデータは失われません。JTAG WARP9には4つの押しボタンスイッチがあり、そのスイッチを押すことで4種類のコンフィグデータを切り換えて送信することができます。
また、JTAG WARP9上のフラッシュROMにデータを転送するには、JTAGケーブルでパソコンとJTAG WARP9を接続し、専用のデータ転送ソフトを使用します。もちろん、JTAG WARP9は自律したシステムなので、パソコンと切り離してスタンドアローンでもご利用いただけます。
JTAG WARP9がどのくらい速いかを測定した結果を次の表に示します。
Spartan3の1500、すなわち100万ゲートクラスのFPGAを0.192秒で書き換えることができます。
1000万ゲート以下のほとんどのFPGAならば1秒以内に書き換えることができます。
非常に高速なので、注意していないとFPGAの書き換えに気が付かないほどです。
純正のコンフィギュレーション環境(パラレルケーブル4とiMPACT)と比べてみても、その差は歴然としています。
汎用のフラッシュROMでFPGAをコンフィギュレーションするソリューションは従来からいろいろありましたが、それらは基本的にはSlave Serial方式やParallel方式といったXILINX FPGA専用のコンフィギュレーション信号を採用していました。
JTAG WARP9はJTAG方式でFPGAをコンフィギュレーションするという点が異なります。CCLKやPROGやDONEといったセンシティブな信号ではなく、汎用的なJTAG信号を使ってインタフェースしているため、コンフィグ装置を切り離して持ち運ぶことができます。
つまり、書き込み用JTAGケーブルの感覚で持ち運びができるというポータビリティーを備えています。
なお、このJTAG WARP9は、コンシューマ向けの最終製品ではありません。
特殊電子回路㈱では、JTAG WARP9を、
・超高速のUSB-JTAG書き込み専用装置
・マルチアーキテクチャFPGA
・FPGAをコンフィギュレーションするFPGAの研究開発用
・ソフトウェア無線
・FPGAリコンフィギュレーションのデモンストレーション用
などの目的としてIPコアとしてFPGAに埋め込んだり、超高速のUSB-JTAG書き込みケーブルを開発・製造・販売される企業様向けの、研究開発用商品として位置付けています。
本装置は、FPGAの設計データ(IPコア)としても、販売します。
なおFPGAのコンフィギュレーション後に、本装置に設けた汎用IOポートから、シリアル通信信号を出力して、お客様システムへ各種のパラメータを送信するということも可能です。
本製品は、来る5月16日から開催されるESECに展示します。
ご興味をお持ちの方は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)ブース内の、特殊電子回路株式会社ブースまでお越しください。
お問い合わせをお待ちしております。
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