PCI Express External Cabling接続を試してみた
これまで各社からいろいろなPCI Express評価ボードが発売されてきましたが、それらはみなマザーボード上のスロットに挿して使うタイプでした。そのため、作った回路をデバッグしたくても、基板が縦になっているためオシロのプローブを当てにくいという欠点がありました。
パソコンのマザーボードにささっているということは、デバッグをとても困難にします。
今回、特電が作ったPCI Express基板は、PCI Expressの純正ケーブルも使うことができるようにしました。
いわゆるPCI Express External Cabling仕様というやつです。
下の写真は、ケーブルを用いて接続しているところです。

ケーブルを使えば、机の上に平置きできますので、オシロのプローブを当てるのが容易です。
基板上のDIPスイッチを切り換えたり、スイッチを押したりするときもぐらぐらしないので安心です。LEDもよく見えます。パソコンは蓋を閉じることができます。
自社製の機器に組み込んでお使いいただくような場合でも、パソコンから離して自由な角度で設置していただくことができます。これがまさにケーブル接続のメリットです。
さて、ケーブル接続を使うには、パソコンのマザーボードからPCI Expressの信号をケーブルで引っ張りださなければなりませんが、そのようなコネクタのついたマザーボードは現在のところありません。
そこで、マザーボードのスロットにPCI Express基板の生基板を挿して、パソコンのPCI Expressスロットの信号をそのままケーブルに取り出しすようにしました。シグナルインテグリティーとかを考えればあまりよくないのでしょうが、これでも動きました。

ところで、今回作ったPCI Express基板は、PCI Expressケーブルでもカードエッジでもどちらでも動きます。
つまり、どこかで信号を1:2に切り換えているのですが、2.5Gbpsの高速信号を切り替えるのは容易ではありません。単純なT型分岐ができないからです。配線が曲がりくねるとインピーダンスも乱れるし、スタブもできてしまい、信号の品質が劣化するからです。
できるだけ波形を乱さずに信号の切り換えができるようにするため、下の図のような方法を用いました。

立体的に描くと次の図のようになります。

PCI Expressで送信する信号はコンデンサを入れてどこかでカップリングしなければなりません。
そこで、このコンデンサを基板の裏面の表面の両方に用意しておきます。ビアはPHYチップの側に入れます。
そして、どちらか一方を実装し、どちらか一方を実装しないというふうにします。
こうすると、表面の配線を使うときにはスタブの長さは、基板の厚さ+ビアとパッド間の距離、となるので、2.1mm程度にできます。裏面の配線を使うときにはスタブは0.5mm程度で済みます。
また、差動信号の+と-のラインは平行したままなので、インピーダンスの乱れも少なくでき、差動信号の経路長にも差が生じません。
要するにT型分岐なのですが、使わないほうの枝を極力短くすることができるようにしたというわけです。
なお、受信信号とクロック入力には、0Ω抵抗を同じように入れて、どちらか一方を切り替えられるようにします。
この方法が見事に上手くいき、カードエッジとPCI Expressケーブルのどちらでも動作する基板が出来上がりました。
ただし、PCI Express External Cablingにも欠点があります。
それは、ケーブルが高いということ!
PCI Express External Cabling用ケーブルを作っているメーカーがそもそも少なく、探してもMolexのしか見つかりません。
Molexのケーブルは1mの長さ(型番74576-0001)がDigikeyで入手できますが、値段は3,622円もします。
chip1stopで購入するなら、なんと6,300円です。3m品になるとchip1stopで12,551円です。
パソコンのマザーボードから取り出すならば、1mだとちょっと短いので、3mくらいは欲しいところです。
Express External Cablingに対応した機器をほとんどみかけないのも、ケーブルの値段が原因ではないかと思ってしまいます。
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