MITOUJTAGのSPI ROMライタがSST社のSPI ROMに対応しました
MITOUJTAGのSPI ROMライタがSST社のSPI ROMに対応しました。
本日、書き込みとFPGAの起動が問題なくできることを確認しました。
SST社のSPI ROMというのは、たとえば、SST25VF032Bといった品種です。
昨今、半導体の供給状況が悪化しており、世界的な規模で半導体不足が起こっています。そんな中、
特に不足しているのが、シリアル・フラッシュ・メモリです。
特にFPGAのコンフィギュレーションにも使える大規模な品種、たとえば、ATMELならばAT45DB081以上のようなものが、世界的に全滅しています。商社がメーカーにバックオーダーを出しても納期の目途が立たないようで、21週間待ちとか100週間待ちといった状況です。
avnet.comでは「144週」なんて表示が平気で出ます。それって3年弱!?おそらく「目途が立たない」という意味なのでしょうが。
このように、ATMELや、ST/Numonyxといったメジャー2強は軒並み全滅です。
(16ピンとかの巨大なパッケージのものは、稀に売れ残っているものがありますが、8ピンは形状を問わず、まずありません)
つまり、このままの状況が続くと、世界中で誰もFPGAのコンフィギュレーション回路が作れなくなってしまうのです!!!おそらく、半年はROMが手に入らないでしょう。
そんな状況の中、Digikeyに一筋の希望を見つけました。
Microchip/SST社のSPI ROMで、型番はSST25VF016BやSST25VF032Bです。
SST社のSPI ROMは、ST社のものとピン配置の互換性があります。
しかし、コマンドの互換性がありません。
そのため、iMPACTでは書けません。
SST社のSPI ROMに、JTAG-SPI経由で間接的に書き込むことができるようにしました。
ATMELやSTほど高速ではありませんが、それなりの速度で書き込めます。
要約すると、
これから半年くらいの間に、XILINX FPGAのコンフィグにSPI ROMを使うならば、入手できるのはSST社のROMしか選択肢がありません。SST社のROMはiMPACTからは書き込めませんが、MITOUJTAGからなら書き込めます。
ATMELやSTといったメジャーどころの供給が回復することを願ってやみませんが、どうしても数か月以内にコンフィギュレーション用のROMが必要なのに入手できないという場合は、SST社のROMを検討してみるのも良いかと思います。
やはり、ATMELやSTのROMのほうが書き心地は良いし、一意なIDCODEが付いているなど付加価値も大きいのですが、どこを探しても手に入りません。(頑張れば手に入るけど、とても高くなる)
一応、次のSpartan-6ボードを作れるだけはATMELを備蓄していますが、その次のロットで備蓄が尽きて何も作れなくなってしまうことを避けるためにも、SSTのROMを数百個くらい備蓄しようと思っています。備えあれば憂いなしです。
追記:
ISE12のiMPACTが対応していないことからもわかるとおり、SST社のROMは、現時点ではXILINXが標準で対応しているものではないようです。(過去に対応していた時期はありました)
そのため、SST社のROMからXILINX FPGAをコンフィギュレーションする際には、原則として自己責任でお願いします。もちろん、お客様のためなら、私はできるだけサポートします。
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