基板のシルクに絵を入れる
基板のシルクに絵を入れたいと常々思ってきました。
Adobe Illustratorや汎用CADソフトが作成したDXF形式でデータをProtelで取り込もうとしても、どうしてもうまくいかなかったので、自分でガーバ形式のデータを作ってProtelで取り込むことにしました。
ガーバデータとはこんな感じのデータです。
%FSAX23Y23*%
%MOIN*%
G70*
G01*
G75*
%ADD10C,0.00800*%
%ADD11C,0.01200*%
%ADD12C,0.01600*%
D10*
D12*
X01000Y01000D02*
D03*
・・・
ガーバのフォーマットを簡単に解説すると、最初の %FSAX23Y23*% は絶対座標、X座標の整数部2桁小数部3桁、、X座標の整数部2桁小数部3桁、を示します。
%MOIN*% はインチ単位で記述することを示します。
次の%ADD10C,0.00800*%、%ADD11C,0.01200*%、%ADD12C,0.01600*%は、それぞれ直径8mil、12mil、16milの丸い形状をD10、D11、D12というアパーチャで登録することを意味します。
D10*はアパーチャの選択をし、X01000Y01000D02* で任意の座標に移動します。D02は移動のみで描画しないことを意味します。
D03*はその座標でアパーチャを描きます。移動しながら線を描くのではなく、その場でパッドを描きます。
こんな感じで、8mil、12mil、16milと直径が3段階に異なる丸を登録し、WindowsのBitmapファイルを読み込んで濃淡に応じてその丸を描くようなツールを作ってみました。
その結果、この画像
を4段階の濃淡画像にしてガーバデータに変換したところ、こうなりました。
ビットマップの1ピクセルを10milに換算して点描画を描く感じです。
これで、写真でも漢字でも風刺画でも萌え絵でも、なんでも基板に印刷できるようになりました。
難点はファイルサイズが大きくなること。上のファイルで約1MBytesになります。下手すると、ファイルサイズが大きすぎて基板が作れません、なんてことになりかねません。ベクタ描画にも対応させたほうがいいのでしょうね。
◆追記
頑張れば、基板のレジストの色(緑)、シルクの色(白)、パターンの色(銅色or銀色)の3色で描けることに気が付いて、調子に乗ってクリスマスっぽいものを設計してみました。基板のサイズは86mm×61mmくらいです。
本当にこんな感じの基板ができたらうれしい。
年賀状が作れるかも!?
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コメント
原理的には出来そうだけどやったことが無い事ってたくさんありますね。いつもなひたふさんの発想と行動力には感服させられます。すばらしいです。自分も少し見習って努力しましょう、来年は。 :-)
投稿: ままサル | 2010.12.24 12:39
ガーバ上はできそうですけど、さずがに製造まではしてません。そのうちツールを公開しますので、どなたかやってみていただけると嬉しいです。
投稿: なひたふ | 2010.12.24 14:23
とても素晴らしいと思います。
今回、基板を作ったときに娘の書いたイラストを基板のシルクにしようとして、できなくて断念しました。
これって、部品シルクのガーバとマージすれば両方印刷できるということですね?
投稿: marsee | 2011.10.11 05:13
>これって、部品シルクのガーバとマージすれば両方印刷できるということですね?
そうです。
今は大きさを合わせるのがとても大変ですが・・
投稿: なひたふ | 2011.10.11 16:11