RX62NとSDRAM間の配線が引けた
RX62Nのボードを設計していて、RX62N(BGAタイプ)とSDRAM(BGAタイプ)間の配線をどうやって引こうか、かれこれ1か月ほど悩んできました。
というのは、RX62Nのデータバス・アドレスバスは下の図で左下の角のほうから出ていますが、この信号をSDRAMにつなげようと、どうしても大量の配線がクロスしてしまうからです。SDRAMを回転させたり、裏返したりしてもこのねじれは解決できないことがわかってきました。
この配線のねじれはアドレスバスや制御信号で起きているため、データバスのビットの入れ替えでは対応できません。このことが原因で、設計が滞っていました。
ところで、前にSH-4の基板を設計したことがあったのですが、SH-4ではCPUのピン配置が実はSDRAMの標準のピン配置を考慮した並びになっていて、気がつけばすっきり引けるということがありました。
https://nahitafu.cocolog-nifty.com/nahitafu/2009/01/sh7750r-33d7.html
ところが、RXはそういう配慮はされていないようでした。
そのため、どうやってもこの配線を引くことができず、BGAタイプではなくTSSOPタイプのSDRAMを検討したり、アクセス速度を犠牲にして16bitタイプのを考えたり、基板の層を12層くらいまで増やしたりもしてみましたが、それでも上手く配線を引くことができませんでした。結局、一度たりともRXとSDRAM間を上手につなぐことができませんでした。
「無理やりRXとSDRAMを上手くつなげられたとしても、そのあとEXDMAC用のバスに配線を引き出さなきゃならないな・・・それはもはや不可能では・・」と考えていました。
そんな中、今日の朝、電車の中で突然ひらめきました。
『最短でつなぐことにこだわらずに、いったん、RXマイコンの下に全部のバスを引き出したらどうだろうか。まるで紙に描いたブロック図のように。そして、そのバスに対して上や下から並行に配線をつないだら、どんなピン配置でもうまくいくのではないだろうか。』
やってみたところ、見事に配線が引けました。RXとSDRAMが32bitのデータバスでつながっています。しかも3層しか使っていません。標準的な6層基板なら、あと1層、自由に使える信号層があるのです。
こういう配線だから、下側にコネクタをつけて、EXDMAC用に16本~32本の信号を引き出すこともできるでしょう。
16本は余裕で引き出せました。
現在の設計では、バスの信号間の間隔が0.6mmと広くとっているので、バス全体で幅が33mmもありますが、これから手作業で最適化していけば半分以下にできるでしょう。
RX基板の設計が加速しそうです。
| 固定リンク
コメント
ルネサスHEW IDE上でKPIT GNUツールのRXコンパイラで作ったプログラムを貴殿のJTAGデバッガーでソースレベルでデバッグできたらいいですね!。
投稿: ケンちゃん | 2011.03.09 11:08
コメントありがとうございます。
もちろんです!そういうのを目指しています。
投稿: なひたふ | 2011.03.09 11:16