新幹線の車内で放射線を測ってみた(前編)
先週の日曜日(9月13日)、新幹線のぞみ号に乗って東京から名古屋まで行きました。そのときの社内でガンマ線や宇宙線の量を測定してみたところ、面白い結果が出ました。
やろうとしたことは、宇宙線やガンマ線を、プラスチックシンチレータと光電子増倍管(シンチレーション検出器という)でとらえるということです。使った装置は下の写真のとおりで、円筒状の装置の両側に2つのアルミの筒があって、その中にシンチレーション検出器が入っています。
真ん中にある電子回路はCosmo-Z(コスモゼット) というもので、FPGAを使って放射線のパルスを信号処理して記録するためのものです。こういう計測をしようとするには従来ではNIM/CAMACのラックマウント型の非常に大きなサイズのデータ処理システムでやらなければなりませんでしたが、Cosmo-Z(コスモゼット)は超小型なので、新幹線の車内に手荷物として持ち込んで膝の間に抱えて計測できてしまいます。低消費電力なので、携帯電話充電用のモバイルバッテリで駆動できます。
さて、東京から名古屋間の生のデータですが、1分毎のカウント数の変化を見てみると、こうなりました。波形が2個あるのは、シンチレーション検出器が2個あるからです。
紫の線は新幹線の床上付近。緑の線はその50cmくらい上の部分です。(テーブルくらいの高さ) ギザギザしているのですが、これを見てもあまり面白い結果ではありません。
スペクトラムを見てみましょう。
これは、横軸にパルスの高さ、縦軸に頻度をとったグラフです。茶色い線はCH1(床上)、黄色い線はCH4(テーブルの高さ)です。光電子増倍管が違うので、ゲインも違っていますが、スペクトラムの形は同じです。黄色のスペクトラムで40くらい、茶色のスペクトラムで18くらいの位置にあるのがカリウム40のガンマ線です。ミューオンを見たいのでそれより大きなパルスだけを弁別してカウント数の変化を見てみることにしましょう。
すると、最初に示したカウント数の変化はこうなります。
小田原から三島の間、新富士と静岡の間、静岡と掛川の間でカウント数が激減していますね。
これはトンネルの中を走ることと相関関係があります。
トンネルの中を走るいうことは、新幹線の上に山があるわけですから、大量の土にさえぎられて宇宙線(特にミューオン)の数が減った考えるのが妥当です。
(つづく)
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